2022年3月17日 12:00

世界で大活躍中!松戸のアスリート

昨年開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック」には、松戸市に所縁のある10名のアスリートが出場。その中でレスリング女子50kg級の須﨑優衣選手が、松戸市、そして千葉県出身者として初めてオリンピックの女子個人種目で金メダルを獲得し、松戸市民のみならず日本中を沸かせました。

須﨑選手を含め、松戸市には世界を舞台に活躍をしているアスリートがたくさんいます。今回の特集では、「東京2020パラリンピック」で2大会連続の銅メダルを獲得した車いすラグビーの羽賀理之さん、世界にその名を轟かせるBMXフラットランドのプロライダー・佐々木元さんのインタビューをお届けします。「2024年パリオリンピック・パラリンピック」への思いについても伺いました。
※掲載情報は2022年3月16日時点のものです。

ご参考
須﨑優衣選手がオリンピック後に松戸市へ表敬訪問した際の模様は下記の記事をご参照ください。
松戸市オンラインプレスルーム(PR TODAY):https://www.pr-today.net/a00241/opr/1139/

【車いすラグビー】羽賀 理之(はが まさゆき)さん

東京2020パラリンピック 日本代表 [ペプチドリーム株式会社 所属]

目指すはパリでの悲願の金メダル

昨年夏に開催された東京2020パラリンピックでの車いすラグビー日本代表の試合は、グループリーグから3位決定戦まで手に汗握る場面の連続でした。同代表で副主将を務め、前大会に引き続き2度目のパラリンピック出場を果たした羽賀理之さんが昨年松戸市役所を表敬訪問し、大会の報告と今後の目標について語りました。

羽賀さんは、前回の2016年リオデジャネイロパラリンピックで初めて代表に選ばれました。チームは初のメダル(銅メダル)を獲得したものの、羽賀さんの出場時間は少なく悔しい気持ちがあったそうです。一方、今大会はプレー時間が増えて重要な場面を任せて貰えただけでなく、副主将に任命されて主将とともにチームをまとめ上げるなど、とても充実した大会になりました。「その点で自分は成長したと言えますが、チームとしては目標にしていた金メダルを逃してしまったのでやはり悔しい」と無念さもにじませました。本郷谷市長は「日本の車いすラグビーが世界のトップグループに位置し、本当に強くなってきたと実感できる試合が多かった。準決勝のイングランド戦は惜しくも敗れたが、3位決定戦のオーストラリアとの戦いっぷりは素晴らしかった」と羽賀選手と日本チームの活躍を労いました。

コロナ禍で大会が1年延期になったことについて尋ねると、「合宿も大会も行えず、日本各地に選手が散らばったままだったので大変でした。自宅近くの平らなスペースを探して、車いすのコントロールの練習などをしていました」と難しい環境の中でできることを模索していたことを教えてくれました。

また、2024年パリパラリンピックへの出場意欲を尋ねられた羽賀さんは、「目指すつもりです」と即答。パラスポーツの方が健常者と比べると経験がものをいうと述べ、「若い選手も台頭してきていますが、負けないように練習に取り組んでいき、今度こそ金メダルを獲得します」と宣言してくれました。

羽賀理之さん

 

【BMX】佐々木 元(ささき もと)さん

BMX(フリースタイルフラットランド)プロライダー [鎌ヶ谷巧業株式会社 所属]

世界の第一線で活躍し続けるBMXライダー

松戸市を拠点に活躍するBMXフラットランドのプロライダー・佐々木元さんが、昨年9月に岡山市で開催された「第5回全日本BMXフリースタイル選手権」のフラットランド種目で優勝し、同大会の3連覇を果たしました。

佐々木さんは、BMX界で最も権威のある賞の1つでその年に最も活躍したプロライダーを選ぶ「NORA CUP」のアジア人初の受賞者で、2010・2011年と2年連続受賞を果たしています。また、「2021 UCI アーバンサイクリング世界選手権・BMXフラットランド」で準優勝するなど、世界的なプロライダーです。

BMXフラットランドは、平らな場所でBMXをフィギュアスケートの様にくるくると操作し複雑なトリックをつないでいくスタイルで、その技術の高さを競います。3分の制限時間の中で100以上の技が繰り出される同種目は、2024年のパリオリンピックの正式種目化が期待されています。

佐々木さんによると、日本国内のレベルは年々上昇しており、若手がどんどん台頭してきているそうです。「世界ランキングの上位20人のうち8人は日本人であり、国内で勝つことが大変な時代を迎えています。また、ランニングバイク・ストライダーの延長上でBMXを始める子どもが増えており、BMXを始める時期は低年齢化し、競技人口は増加し続けています」と佐々木さんは語ってくれました。

しかし、佐々木さんもそのまま若手の中に埋もれるわけにはいきません。「練習量はだれよりも多いと思うし、オリジナルの技や繋ぎの数も豊富で、自分の名前のついたスピン『元スピン』もあります。現在36歳ですが、2年後のパリだけでなく、6年後のオリンピックも狙えると思っています」とまだまだ第一線で活躍し続ける意欲を示しています。

海外の大観衆の前で華麗な技を披露する佐々木元さん

現在、松戸市立博物館(松戸市千駄堀)近くのスペースがBMXの練習の聖地となっています。千葉県外からも選手が集まったり、来日する海外のトップライダーも訪れているそうです。

佐々木さんが市を表敬訪問した際に、本郷谷市長は「BMXの練習場を松戸市内に整備できないかという話は以前から出ている。引き続き検討したい」とBMXの成長へのサポートについて語っていました。

新型コロナウイルス感染症の状況が収まった頃には、多くの松戸市民の皆さんにBMXフラットランドのパフォーマンスを披露する機会を設けたいと語る佐々木さん。今後の活躍に注目です。

佐々木元さん