2022年12月28日 15:45

BMX、ミュージシャン、パラアスリートが2022年に大活躍! 2023年のさらなる大飛躍が期待される「旬の松戸人」

2022年も、松戸市に所縁のある多くの方々がそれぞれのカテゴリーで活躍を見せました。その中でも、世界を舞台にしたプロアスリートやエンターテインメントの世界で奮闘するミュージシャン、そして2023年に大きな挑戦の機会を迎えるパラアスリートといった注目の方々をご紹介します。

※本資料内の情報は、2022年12月27日現在のものです。

本ニュースレターで紹介した方々が出演した、松戸市ゆかりのアスリートやアーティストと市民との交流イベント「松戸ファンフェスタ in テラスモール松戸」についてはレポート記事(https://www.pr-today.net/a00241/opr/1399/)をご参照ください。

悲願達成の世界チャンピオン!ロス五輪での金メダルを目指す

佐々木元(ささきもと) 選手、莊司(しょうじ)ゆう 選手 / BMXフラットランド


佐々木選手が着用しているのは、国際自転車競技連合が主催する
世界選手権各種目の優勝者のみに授与されるレインボージャージ。通称マイヨ・アルカンシェル。

 松戸市在住のBMXフラットランドライダー・佐々木元選手(鎌ケ谷巧業株式会社所属)が、11月にUAEで開催された「UCIアーバンサイクリング世界選手権」のBMXフリースタイル・フラットランド種目で念願の初優勝を果たしました。この結果により、世界ランキングも自身初となる1位に浮上しました。

また、佐々木選手の愛弟子で松戸市在住の莊司(しょうじ)ゆう選手は、5月にフランスで開催された国際大会「FISE World Seriesモンペリエ大会」で、佐々木選手を上回って準優勝するなど、活躍を見せました。

2022年の集大成となる最高の演技

佐々木選手は、12月1日に松戸市長を表敬し、格別な喜びと選手としての将来の強い決意を語ってくれました。「世界で一番練習したという自負がある」と胸を張る佐々木選手は、予選・準決勝とも1位で通過して決勝へ進出。決勝の舞台では、長年目指してきた優勝を目前にプレッシャーを感じていた佐々木選手でしたが、見事に跳ねのけて技を全て成功させ、世界一の称号を勝ち取りました。

佐々木選手は、「(今年4月に千葉で開催され銅メダル獲得の)X-Gamesのために開発した技をようやく評価してもらえた」と語り、2022年の集大成とも言える演技で勝ち取った優勝に感無量の表情を浮かべていました。

変わってきたエクストリームスポーツの潮目

佐々木選手がこれまで常に目指してきたのは、「試合に勝ち続け、BMXフラットランドで食べていける、他の選手に憧れられ続ける選手でいること」でした。東京2020オリンピックのスケートボードやBMXフリースタイルの影響で、「これまで“遊びと思われてきたエクストリームスポーツが、ようやくスポーツとして認知され始めた」ことから、既に競技での自立を実現している佐々木選手のほかにも、同じ環境で活躍できる選手が増える土壌は整えられ始めているように感じます。また、BMXの認知度も徐々に向上しており、莊司選手も「街なかで“BMXの方ですよね”と声をかけられる機会は増えた」と実感しているそうです。

若手に向けて、ベテランからの挑戦状

BMXフラットランドの世界選手権では、日本人が1位から3位まで表彰台を独占しました。近年、日本勢はめざましい活躍を見せており、5月にフランスで開催されたワールドカップでも表彰台を独占しています(佐々木選手は3位)。国内外問わず、大会の表彰台の常連である佐々木選手に対し、「下の世代は僕に引退してほしいと思っているはずです」と笑みを浮かべながらそう言った後、「もちろん譲るつもりはありません。倒してくれ、と言いたいです」と若手への奮起を期待しながらも自信をのぞかせていました。

競技がいつ採用になったとしても、絶対にオリンピックに出場する

BMXフラットランドは、当初2024年パリオリンピックで正式種目への採用が見込まれていましたが、コロナの影響もあり実現には至りませんでした。その一方で、2028年のアメリカ・ロサンゼルス大会では採用が濃厚と言われています。「BMXフラットランドの採用が、どこの、何年の大会になろうとも、オリンピックには絶対に出場したい」と語るほど、佐々木選手のオリンピックへの想いは人一倍です。そのためには、日本そして世界の第一線であり続けることが必要です。向上心を持ち続け、常に新技の開発に挑み続けるなど、コツコツと今できることを継続しています。

 国際大会で2位となった自信を糧に

BMXを小学5年生(10歳)から始めて11年目を迎えた荘司選手は、5月の国際大会での準優勝に続いて6月の国内大会で3位になるなど、頭角を現しています。12月にアメリカで開催された飲料メーカー・Red Bull主催の大会にも佐々木選手と共に招待されるなど、2022年は飛躍の1年となりました。好調の理由は「オリジナル技の増加」にあります。コロナ禍で大会が中止になっていた期間に新技の開発と練習に注力し、得意なトランスファー(ジャンプ技)を始めとしたオリジナル技が増えたことが結果につながっています。2023年も、さらなる活躍が期待されます。荘司選手は、「新技を大会で決めて、多くの人に技を認めてもらった上で優勝したい。佐々木選手にも勝ちたいです」と決意を表明しました。

演技と体験で、競技の認知度を高める

9月に開催された、松戸市ゆかりのアスリートやアーティストと市民との交流イベント「松戸ファンフェスタ in テラスモール松戸」で、佐々木選手と莊司選手は、女子BMXフラットランドの新鋭・川口朔来(かわぐちさくら)選手とともに出演し、松戸市民の前で初めて世界トップレベルの演技を披露したほか、子どもたちへのBMX体験会を行いました。

BMXをまるで体の一部のように自在に操る様子を目の当たりにした来場者は、拍手と感嘆の声を上げていました。「僕たちは3分間で観衆の心を動かせるアスリートであることが重要だと、後輩たちに言い聞かせています」と佐々木選手が語る通り、演技に感動した観衆の中には涙を浮かべている方たちも見受けられました。体験会も大好評で、イベントでBMXに魅了された3人の子どもたちが後日BMXを習いたいと訪れ、現在は莊司選手のスクールで指導を受けているそうです。

BMXフラットランドで、松戸から世界へ

佐々木選手と莊司選手というワールドクラスの選手が住み、活動する松戸から、どれだけのBMXフラットランドの俊英が世界に飛び出し、活躍するのか。そして、その中の誰が佐々木選手を越えていくのか、興味は尽きません。

2月に佐々木選手と荘司選手へ実施したインタビュー動画に関する記事:
https://www.pr-today.net/a00241/opr/1323/

生まれ育った街・新松戸、僕らの礎となった「あのイベント・あの場所」

TENDOUJI (てんどうじ) / ロックバンド


【写真】TENDOUJIのメンバー。
[前列左から]モリタナオヒコさん(ボーカル、ギター)、オオイナオユキさん(ドラム) 
[後列左から]ヨシダタカマサさん(ベース)、アサノケンジさん(ボーカル、ギター)

松戸市の新松戸地区で育った4人組ロックバンド・TENDOUJI(てんどうじ)が地元凱旋ライブを9月にテラスモール松戸で行いました。松戸市立新松戸北中学校※1サッカー部の先輩・後輩で結成されたTENDOUJIのルーツを紐解くと、意外なイベントとスポットがバンド結成に大きく影響していることがわかりました。

※1:2009年に松戸市立小金中学校と統合。

SXSW、フジロックにも出演した実力派バンド

2015年に結成したTENDOUJIは、直後からライブや楽曲制作に精力的に取り組み、2017年には初のフルアルバムをリリース。タイトルには松戸市をもじった『MAD CITY』を採用し、地元へのひと際の愛着を示しています。2018年には、アメリカで毎年開催される音楽・映画・芸術の最先端のショーケースイベント、「SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)」に出演。さらに翌年には、日本の音楽祭の最高峰「フジロックフェスティバル」への出演も果たすなど、メロディアスで力強いサウンドとパフォーマンスでファンを魅了し続けています。


2021年FUJI ROCK FESTIVAL

小学校での一風変わったイベントが原点の1つ

TENDOUJIを形作っている原点の1つ目は、アサノケンジさんとヨシダタカマサさんが通っていた松戸市立新松戸西小学校の校内イベント「すごいやつ集会」でした。児童が自ら立候補し、全校児童の前で一芸を披露するイベントで、2人は当時習っていたクラシックギターを担当し、他の友達は太鼓などの楽器を担当したバンドスタイルで出場。南こうせつさんの「神田川」や坂本九さんの「上を向いて歩こう」を演奏し、小学5年・6年の2年連続で優勝を飾るほどの腕前と人気を誇りました。ヨシダさんは、「今考えると、TENDOUJIの原点の1つですね」と当時を懐かしんでいました。

音楽への興味を刺激してくれた店

もう1つの原点は、新松戸にあったCD・ビデオレンタルショップの「メディアパーク」です。1990年代に全盛期を迎えていたJ-POPのほか、洋楽作品のラインアップも豊富で、新松戸の音楽好きには欠かせないスポットでした。モリタさんは「CDシングルとアルバムがレンタルランキング順に陳列されていて、全部借りていたと思う」というくらい、頻繁に利用していたそうです。全員が好きな場所だったため、待ち合わせ場所としても利用していたメディアパークは、間違いなく若きTENDOUJIの音楽体験を豊かにしてくれた原点の1つと言えるでしょう。


テラスモール松戸での地元凱旋ライブの様子

夢は、松戸での音楽フェスの開催

前日に初の全国ツアーを終えた足で出演した「松戸ファンフェスタinテラスモール松戸」では、しっとりとしたアコースティックスタイルでパフォーマンスを披露しました。ギターをかき鳴らし、ベースとドラムで鋭いリズムを刻むライブや音源での激しさは潜めつつも、4人が奏でる情熱はそのまま。会場に集まったファンのみならず、初めてTENDOUJIの音楽を耳にした観衆からも、大きな手拍子と拍手が送られました。

老若男女の心をつかんだTENDOUJIの夢は、松戸・森のホール21で音楽祭を開催することです。「松戸市民の皆さんはぜひ来てください。松戸市外に在住の方は、松戸市に引っ越してから観に来てください()(アサノさん)」と、最後まで地元愛を貫いていました。

「人生で、いまが一番青春かもしれない」と語る、松戸が生んだロックバンド・TENDOUJIの活躍から今後も目が離せません。


松戸市のお知らせキャラクター「まつまつ」のミニぬいぐるみを手にするTENDOUJI

TENDOUJI公式Webサイト:https://thetendouji.com/

勝負の2023年。そして、その先に見据えるパリ五輪の舞台

羽賀理之(はがまさゆき) 選手・乗松隆由(のりまつたかゆき) 選手 / 車いすラグビー


[左から]羽賀理之選手・乗松隆由選手

 松戸市出身の車いすラグビー選手で、パラリンピック2大会連続(2016年ブラジル・リオデジャネイロ、2021年東京)で銅メダルを獲得した羽賀理之(はがまさゆき)選手が、9月に開催された「松戸ファンフェスタ in テラスモール松戸」に出演。車いすラグビーのクラブチーム「AXE(アックス)」のチームメイトで、松戸市にはラグビーの競技用車いすの修理で度々訪れていた1という乗松隆由(のりまつたかゆき)選手(千葉市在住)とともに、車いすラグビーの魅力などについて語りました。

 ※1:修理は、車いすやハンドサイクルなどを取り扱い、松戸市内に本社のある株式会社テレウスで実施。修理工場は移転し、現在は埼玉県三郷市で稼動中。「テレウスなしで車いすラグビーはできない。それくらい大切な企業」と乗松選手に評されるほどの企業。
[参考記事] https://www.pr-today.net/category/a00241/39235/

ツインバスケットボールがつないだ縁

18歳の時の事故で頸椎(けいつい)を損傷して体に障がいが残ってしまった羽賀選手は、20歳で車いすラグビーと出逢います。元々の運動神経と専修大学附属松戸高校野球部で培った体力で頭角を表し、日本代表に選出されるまでに成長。2016年のリオパラリンピックでは、日本初の銅メダルに貢献しました。2018年の世界選手権で初優勝を果たすと、その後チームの副キャプテンに抜擢。東京2020パラリンピックで、2大会連続の銅メダルを獲得しました。また、ツインバスケットボール(2つの高さにゴールを設置した、上肢・下肢に障がいをもつ人でもできるバスケットボール)のクラブチームに所属し、プレーしていた時期もあります。

乗松選手は、シャルコー・マリー・トゥース病という、手足の筋力が徐々に衰えていく難病を幼少期に発症。小学校高学年から車いすを利用しています。学生時代に車いすツインバスケットボールと出逢った乗松選手は、社会人になり、同競技を通じて出逢った羽賀選手から誘いを受けてAXEに所属しました。車いすラグビーの世界へと足を踏み入れた乗松選手は、同じ障がいを持ち、先に車いすラグビーを始めて日本代表として活躍していた弟の乗松聖矢(のりまつせいや)選手の存在にも奮起し、2019年に遂に日本代表として選出されました。惜しくも東京2020パラリンピック代表メンバー入りを逃しましたが、12月の日本代表合宿に参加するなど、精力的に活躍しています。

羽賀選手の悔しさと乗松選手の自信

羽賀選手にとって、2022年は悔しさの残る年となりました。日本代表に選出された世界選手権(10月開催、デンマーク)は3位で終幕。前回大会のチャンピオン、パラリンピックの銅メダル、そして世界ランキング1位で迎えた大会の目標は、もちろん優勝でした。グループリーグを全勝し、ベスト8も大差で勝利したものの、準決勝ではアメリカに5点差で敗北。3位決定戦では開催国デンマークに4点差で勝利しましたが、大会を通じてさらなるチーム強化が必須であることが明確となりました。

一方、東京2020パラリンピックで不選出の悔しさを味わった乗松選手には、自信を深める出来事がありました。7月にアメリカで開催されたローポインター(障がいの重さによるポイントの低い選手=障がいの比較的重い選手)限定の世界大会に日本が初参戦し、代表メンバーに選出された乗松選手も試合に出場し、チームは準優勝を飾りました。乗松選手は、「日本はどちらかというとハイポインターに強みのあるチーム。ローポインター限定の大会で、世界の強豪国の中で自分たちがどれくらいできるか楽しみだった。その中で渡り合えての準優勝は、とても自信になった」と手応えを感じていました。

2023年に開催される2つのビッグイベント

2023年は2人にとって重要な1年になります。1月に開催される「第24回車いすラグビー日本選手権大会」では、2人が所属するAXEを含め、予選を勝ち抜いた8チームによって日本一の座を争います。また、6月から7月にかけて「2023 WWR アジア・オセアニア チャンピオンシップ」が東京で開催されます。優勝チームには、2024年パリ・パラリンピックのアジア・オセアニア地区出場権の1枠が与えられる重要な大会です。これら2大会での2人の活躍に期待が高まります。

AXE Webサイト:https://wakuwaku-works.com/axe2020/
羽賀選手の東京2020パラリンピックでの活躍の特集記事:
https://www.pr-today.net/a00241/opr/1307/