2021年6月30日 11:00

「広島カキ漁業改善プロジェクト」を経てMSC漁業認証の本審査へ

国内最大のカキ生産量を誇る広島県では初となる審査入り

 日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、代表理事会長:土屋敏夫)が環境配慮商品の取り扱い拡大に向けて協働で取り組んでいる「広島カキ漁業改善プロジェクト(FIP)」において、広島県呉市を拠点とする倉橋島海産株式会社をはじめ5つの漁業者が行っている垂下式カキ漁が、MSC漁業認証取得のための本審査に入りました。
※MSC(Marine Stewardship Council、海洋管理協議会)認証は、水産資源を枯渇させないよう、持続可能で環境に配慮した漁業とそうした漁業で獲られた水産製品の認証制度です。

 「広島カキ漁業改善プロジェクト」は、コープ商品で使用する広島県産カキを育てる漁業者を対象に、MSC認証取得を目指してカキ漁業の改善活動に向けた取り組みで、2020年1月より開始しました。日本生協連は、カキ商品の主な取引先である倉橋島海産、国内外の漁業や水産市場をより持続可能にするために活動している株式会社シーフードレガシー(現・株式会社UMITO Partners)、漁業・養殖改善プロジェクトの実施などを通じて漁業や養殖業の持続可能性向上を支援する国際環境NGOオーシャン・アウトカムズと4者で協働して取り組みを進めてまいりました。

 このたびの審査は、倉橋島海産を含めた5つの漁業者が行う「いかだ垂下式養殖」が対象となります。これは国内2例目の垂下式カキの認証審査で、国内最大の生産量を誇る広島県では初となります。

 日本生協連は、エシカル消費への取り組みの一環として、環境に配慮した持続可能な漁業で獲られた原料を使用するMSC認証商品の取り扱い拡大に取り組んでおり、MSC認証取得に向けて予備審査や漁業改善プロジェクトへの支援を行ってきました。

 日本生協連は、今後も生産者や取引先とともに、水産資源や海洋環境の持続可能性を高める取り組みを推進してまいります。

  • ●「広島カキ漁業改善プロジェクト」について
  •  日本国内のカキ生産量の6割を占める広島では、カキ漁の大半が「いかだ垂下式養殖」と呼ばれる方法で行われており、カキの採取や成育に自然の海の恵みを利用しています。広島県のカキ生産の継続にとって、環境に配慮した漁業をすすめていくことが重要になります。

     そのため、「広島カキ漁業改善プロジェクト」では、コープ商品で使用する広島県産カキを育てる5つの漁業者が、環境に配慮した漁業を行っていることを証明する「MSC認証」の取得を目指します。日本生協連は、倉橋島海産、シーフードレガシー、国際環境NGOオーシャン・アウトカムズと4者で協働し、MSC漁業認証規格に沿って、生息域の環境調査と漁場改善計画の作成、生態系管理方策の作成などをすすめてきました。

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<ご参考> 2020年1月28日発表ニュースリリース
持続可能な水産物の取り扱い拡大に向け、広島カキ漁業の改善を目指す「広島カキ漁業改善プロジェクト」始動 https://jccu.coop/info/newsrelease/2020/20200128_01.html

日本生協連は、持続可能な社会の実現に向けて全国の生協で推進する「生協の2030環境・サステナビリティ政策」の策定に合わせて、「コープ商品の2030年目標」を設定しました。詳しくはニュースリリースをご参照ください。https://jccu.coop/info/newsrelease/2021/20210519_02.html