2021年7月29日 14:00

持続可能なエビ養殖業への改善、親エビ資源保全を目指し取り組みを拡大。「インドネシア・エビ養殖業改善プロジェクト」第二期をスタート

~日本生協連とWWFジャパン、WWFインドネシア、現地企業が協働~

日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、代表理事会長:土屋敏夫)は、コープのブラックタイガー商品の原料であるエビの産地において、ASC認証※の基準にもとづく持続可能なエビ養殖業への改善を目指す取り組みの第二期となる「インドネシア・エビ養殖業改善プロジェクト」を2021年7月よりスタートしました。

※ASC認証:環境と社会に配慮した責任ある養殖場で育てられた水産物に与えられる国際的な認証

日本生協連は、サプライチェーンを通じて人権を尊重し、環境に配慮した「責任ある調達」を一層推進するため、コープ商品「責任ある調達基本方針」を公開しています。水産物に関しては、水産エコラベル付き商品の拡大や、持続可能な生産に取り組む意思のある生産者と連携した漁業/養殖業改善プロジェクト支援に取り組むこととしています。コープ商品で扱うブラックタイガーの主要産地であるインドネシアにおいても、2018年7月から3年間、養殖業改善に取り組んできました。
※第一期「スラウェシ島エビ養殖業改善プロジェクト」の詳細は下記<ご参考>をご参照下さい

この度スタートする第二期はプロジェクト名を「インドネシア・エビ養殖業改善プロジェクト」に改め、引き続きスラウェシ島でのエビ養殖業改善に取り組むとともに、新たにジャワ島中部ジャワ州での養殖業改善や、スマトラ島アチェ州でのブラックタイガーの親エビ資源の保全にも取り組みます。

さらに、ブラックタイガーを使用したコープ商品を1点購入いただくごとに3円を積み立て、WWFジャパンを通じて本プロジェクトに寄付する「ブラックタイガー養殖業改善協力金」の取り組みも第一期に引き続き継続します。寄付金は、養殖池開発によって失われたマングローブの再生、生産者への研修、親エビ資源保全のための調査などの費用に充てられます。

●第二期「インドネシア・エビ養殖業改善プロジェクト」概要(活動期間:2021年7月~2023年6月)
①スラウェシ島南スラウェシ州での養殖業改善の拡大 【第一期からの継続】
第一期のプロジェクトを継続し、PT.BOMAR社と協働して、ASC認証取得を目指します。また、プロジェクト対象養殖池の拡大、養殖エビの生存率の向上、マングローブ再生の拡大を進めます。

②ジャワ島中部ジャワ州での養殖業改善の展開 【新規】
新たな現地企業として、コープ商品で扱うエビの取引先であるPT.MISAJA MITRA社と協働し、新たにASC認証取得を目指す養殖業改善プロジェクトを実施します。

③スマトラ島アチェ州での親エビ(ブラックタイガー)資源の保全 【新規】
インドネシアで養殖池に入れるブラックタイガーの稚エビは、アチェ州で採捕された親エビから排卵・孵化させたものが多く利用されています。近年、親エビが過剰漁獲の状態にあるため、その資源や生息環境の保全に向けた調査等を行います。

日本生協連は、「コープ商品の2030年目標」において、「水産物を主原料とする仕様指定商品および生鮮水産物について、MSC/ASC認証商品の拡大を重点に、GSSIが認定した認証スキームによる認証品の供給額構成比を50%以上とします」と定めています。

日本生協連は「インドネシア・エビ養殖業改善プロジェクト」を通じて、目標実現に寄与してまいります。

<ご参考>
●「第二期ブラックタイガー養殖業改善協力金」概要
期間2021年7月~2023年6月
寄付方法:対象商品を1点お買い上げいただくごとに3円を寄付
寄付先「インドネシア・エビ養殖業改善プロジェクト」(窓口:WWFジャパン)

対象商品:ブラックタイガーを使用したコープ商品14品
※本プロジェクトの対象養殖池で生産された原料を使用しているとは限りません。
詳細は右記をご覧くださいhttps://goods.jccu.coop/feature/promise5/csr/soho-ebi/index.html

商品例

 

●第一期「スラウェシ島エビ養殖業改善プロジェクト」について

第一期プロジェクトで日本生協連は、WWFジャパン、WWFインドネシア、BOMAR社(コープ商品で扱うブラックタイガーの主力取引先)と4者協働で、養殖業の持続可能性改善を支援し、対象地域のエビ(ブラックタイガー)のASC認証取得に向け取り組んできました。(活動期間:2018年7月~2021年6月)

第一期プロジェクトの対象の養殖池があるインドネシア・スラウェシ島南部のピンラン県では、エビ養殖が地域住民の重要な生計手段となっています。養殖業が将来にわたって継続していくためには、養殖池を作るために伐採されたマングローブ林の再生をはじめ、生態系と生物多様性の保全、自然環境に配慮した養殖業への転換が必要です。

第一期プロジェクトでは、南スラウェシ州において、養殖池開発によって失われたマングローブの再生、水質調査などに関する手順書の作成と生産者への研修などを進めてきました。

2021年6月までに、191,685本のマングローブを再生し、うち、151,283本(23.6haに相当)が活着しています。