2021年9月29日 11:00

エシカル消費意識調査 結果発表:過半数が「エシカル消費」に関心があると回答するも「価格・経済的負担増」(36.2%)が取り組みへの壁に

~9割超が「マイバッグ持参」。エシカル消費対応商品の購入意向は商品によってばらつきも~

 日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、代表理事会長:土屋敏夫)は、エシカル消費に関する組合員の意識や購買行動について調査した「人や環境にやさしい消費活動についてのアンケート」の結果を取りまとめましたのでご報告いたします。
※エシカル消費(倫理的消費)とは地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことです。

 本調査は、組合員のくらしや購買行動などの意識を明らかにし、お届けする商品の品揃えや商品開発に活用することを目的に実施したものです。日本生協連に加盟する全国10の生協・生協事業連合を対象に、生協組合員からの回答を集約し、分析しています。(実施期間:2021年7月8日~7月13日、有効回答数=5,879)

~調査結果の主なトピック~

■買い物でおこなっていることのトップに「マイバッグを持参」(94.3%)。
エシカル消費対応商品の購入意向は商品によってばらつきが見られることが明らかに。
普段買い物をするときに実行することとして、「マイバッグを持参する」と回答した方が94.3%で最多となりました。また、次に多い回答が「詰め替え商品を購入する」で78.8%となりました。一方エシカル消費対応商品の購入意向は商品によって様々で、「地元の産品」(46.5%)、「産直商品」(33.1%)、「オーガニック食材」(14.4%)、「フェアトレード商品」(11.2%)など、ばらつきが見られました。
※エシカル消費対応商品に該当する選択肢として、「地元の産品(地産地消)」「産直商品」「復興支援・生産者支援のため、その地域の商品」「寄付金付き商品」「MSC・FSC認証の商品」「フェアトレード商品」「オーガニック食材」「特別栽培の農産品」が該当

■食品ロス(廃棄)を減らす家庭での取り組みに、半数以上が「必要な分だけ購入する」(58.9%)「なるべく家にあるもので献立を考える」(56.6%)と回答。
食品ロス(廃棄)を削減する家庭内の取り組みとして、半数以上が買い物時に「必要な分だけ購入する」(58.9%)、「なるべく家にあるもので献立を考える」(56.6%)と回答しました。また、「食べ残さないように作る分量など工夫をしている」(46.7%)、「大量に購入した食材は作り置きおかずにしたり冷凍保存をする」(43.5%)などの工夫をしている家庭もありました。

■過半数がエシカル消費に関心があると回答。エシカル消費をできない・しづらいと感じる場合、一番の理由は「価格が高い・経済的な負担が増える」(36.2%)。
エシカル消費に「関心がある」「やや関心がある」と回答した割合は57.3%と半数を上回りました。エシカル消費などの社会的取り組みをする場合の理由は「環境のため」が最も多く58.6%、続いて「子どもや次世代のため」が39.1%、「働く人の支援や動物保護につながるから」が32.1%との結果になりました。
反対に、エシカル消費に取り組むことができない・しづらいと感じることがある場合、その理由として最も多かったのは「価格が高い、経済的な負担が増える」(36.2%)でした。次に多かったのが「取り組みの効果がわからない」、「どんな取り組みがあるか知らない」といった回答で、いずれも17.1%となりました。

■新型コロナ感染拡大後、15.5%がエシカル消費への意識が「強まった」「やや強まった」と回答。
その理由は「家で過ごすことが増え、暮らし方を見直すようになったため」(54.3%)が最多。
新型コロナウイルス感染症拡大後、エシカル消費についての意識の変化を聞いたところ、「以前と変わらない」と回答した方が53.9%でした。一方で、15.5%の方は以前よりも「強まったと思う」、「やや強まったと思う」と回答しました。意識が強まった理由は「家で過ごすことが増え、暮らし方を見直すようになったため」が54.3%で最多となり、「健康や安全への関心が高まったため」(47.9%)、「生産者を応援したいと思ったため」(44.1%)と続きました。