東京2020パラリンピックに臨む松戸のパラアスリートたち&松戸市初の金メダリスト・須﨑優衣選手

熱戦が繰り広げられた「東京2020オリンピック」の閉幕からつかの間、「東京2020パラリンピック」が開幕。今大会には松戸市に所縁のあるパラアスリート7名が出場しています。本号では、各選手のプロフィールや出場競技、日程、結果などを紹介します。

オリンピックに引き続き、パラリンピックも競技会場やパブリックビューイングでの観戦はできません。パソコンやスマートフォン、テレビなどでエールを送りましょう。
開幕に先だって開催されたパラリンピック聖火の採火イベント、レスリング女子50kg級で金メダルを獲得した須﨑優衣選手の松戸市民栄誉賞贈呈式についてもお伝えします。
※掲載情報は2021年8月31日時点のものです。

Topics1
過去最多7選手が6種目に出場、車いすラグビーで銅メダル!

【車いすラグビー】
羽賀 理之 選手|Masayuki Haga(1984年11月12日生まれ、36歳)


松戸市立第三中学校、専修大学松戸高等学校出身の羽賀理之選手は、車いすラグビーの日本代表に選出され、見事2大会連続で銅メダルを獲得しました。
18歳の時に事故で頸椎(ケイツイ)を損傷し、障がいが残った羽賀選手は、20歳の時に車いすラグビーと出会いました。その激しさに魅了され競技を始めた羽賀選手は、幼少期から野球で培ってきた運動神経の良さを活かしながら成長し、2016年リオパラリンピック代表に選出され、銅メダルを獲得しました。
2018年にはパラリンピック2連覇中のオーストラリアを破り、初めて世界一になるなど、近年の日本車いすラグビーはめざましい成長を続けています。今大会では予選リーグ全勝で準決勝に進出したものの、イギリスに惜敗。それでも、3位決定戦では予選リーグに続いてオーストラリアを破り、2大会連続の銅メダルを獲得しました。

大会前のコメント
この夏は母校である専修大学松戸高校の野球部が甲子園出場を決めて、顔を合わせたことはありませんが後輩たちからエールをもらった気がしています。無観客での開催になりますが、こちらからも後輩たちに届くように、松戸市の皆さんにも届くような、熱いプレーができればと思っていますので、大変な状況ではありますが、応援いただけたら嬉しく思います。

主な戦績
2014年:世界選手権 3位
2015年:アジアオセアニアゾーン選手権 優勝
2016年:リオパラリンピック 3位
2018年:世界選手権 優勝
2019年:ワールドチャレンジ 3位

競技結果・配信   会場:国立代々木競技場 

日にち

時間

試合結果

Web見逃し配信

8/25(水)

20:00~

予選リーググループA(対フランス)、53-51 勝利

NHK東京2020
パラリンピックWebサイト

8/26(木)

14:00~

予選リーググループA(対デンマーク)、60-51 勝利

8/27(金)

14:00~

予選リーググループA(対オーストラリア)、57-53 勝利

8/28(土)

14:15~

準決勝(対イギリス)、49-55 敗戦

8/29(日)

14:00~

3位決定戦(対オーストラリア)、60-52 勝利、銅メダル

 

【女子走幅跳・100m】 
髙田 千明 選手|Chiaki Takada
(1984年10月14日生まれ、36歳)


2019年5月から聖徳大学児童学部児童学科(松戸市岩瀬)の客員教授を務める髙田選手は、東京2020パラリンピックでのパラ陸上競技の女子走幅跳〔視覚障がいT11(全盲)クラス〕と女子100m〔視覚障がいT11(全盲)クラス〕に出場しました。
先天性の疾患により19歳で全盲となった髙田選手が陸上を始めたのは20歳の時。トレーニングを重ね、2007年には100mで当時の日本新記録を更新。その後、結婚・出産を経て、2016年に初めてパラリンピックに出場。走幅跳で8位入賞を果たしました。専門である走幅跳と100mの現日本記録保持者として出場した今大会は、100mでは予選敗退した一方、走幅跳では自らの日本記録を更新する4m74cmを記録し、前大会を越える5位入賞の好成績を残しました。

大会前のコメント
今回のパラリンピックは自国開催ということで、日本の皆様の応援を力に変えて、これまで私を支えてくださった方々の目の前で最高のパフォーマンスを発揮したいと思っています。応援よろしくお願い致します。
そして、私が競技をしている姿をたくさんの方々に見ていただくことで、「障がいの有無にかかわらず、少しの勇気と行動で、夢を叶えることができる」と思ってもらえたら嬉しいです。

主な戦績
2011年:IBSA世界大会(※視覚障がい者の世界大会)200メートル 銀メダル、100メートル 銅メダル
2014年:アジアパラ競技大会 走幅跳 銀メダル
2016年:リオ2016パラリンピック 走幅跳 決勝8位入賞
2017年:世界パラ陸上競技選手権大会 走幅跳 銀メダル
2018年:アジアパラ競技大会 走幅跳 銀メダル
2019年:世界パラ陸上競技選手権大会 走幅跳 4位入賞

競技結果・配信   会場:オリンピックスタジアム

種目

日にち

時間

記録

Web見逃し配信

走幅跳〔視覚障がいT11(全盲)クラス〕

8/27(金)

9:30~12:50

4m74cm(日本新記録、5位入賞)

NHK東京2020
パラリンピック
Webサイト

女子100m〔視覚障がいT11(全盲)クラス〕

8/30(火)

11:20~

予選敗退

 

【アーチェリー】
大山 晃司 選手|Koji Oyama
(1991年10月21日生まれ、29歳)

松戸市出身で、松戸市立牧野原小学校、専修大学松戸中学校・高等学校出身の大山選手は、東京2020パラリンピックで、W1クラス(四肢の障がい・車いすを使用)アーチェリー個人・混合団体に出場し、個人でベスト8の結果を納めました。
大学3年時、体操部の練習で事故に遭い、頚椎を損傷。リハビリも兼ね、様々なスポーツに挑戦するなかでアーチェリーと出会いました。首から下に麻痺があり、右手が不自由なため、口で弓を引くスタイルでトレーニングを積み、 2017年に初めて出場した障がい者アーチェリー全国大会で優勝を果たしました。今大会が初のオリンピック出場となりました。

大会前のコメント
お世話になった母校の先生方や同級生に活躍している姿をみせられたらと思います。

主な戦績
2017年:第46回全国身体障がい者アーチェリー選手権大会 優勝、第3回JPAF杯 第2位
2018年:インドネシア2018アジアパラ競技大会 出場、第4回JPAF杯 優勝
2019年:第5回JPAF杯 第2位、第48回全国身体障がい者アーチェリー選手権大会 優勝

競技結果・配信    会場:夢の島公園アーチェリー場

<個人>

日にち

時間

試合結果

8/27(金)

9:00~

ランキングラウンド 624点、12人中9位 ※マッチ戦の対戦相手を決めるためのラウンド

8/30(月)

17:30~

1回戦(対ク・ドン ソプ選手〔韓国〕)、129-129、シュートオフの結果 勝利

18:55~

準々決勝(対ニハト・トゥルクメンオール選手〔トルコ〕)、129-133 敗戦

 

<混合団体(W1)>

日にち

時間

試合結果

8/28(土)

17:30~

準々決勝(対ROC〔ロシアパラリンピック委員会〕)、119-132 敗戦 ※岡崎 愛子選手とペア

 

【5人制サッカー(ブラインドサッカー)】
佐々木 康裕 選手|Yasuhiro Sasaki
(1975年11月20日生まれ、45歳)

画像提供/JBFA

松戸市のブラインドサッカーチーム「ファンタス千葉SSC松戸ウォーリアーズ」所属の佐々木選手は、10名からなる日本代表(フィールドプレイヤー)に選出されました。
5人制サッカーは、ゴールキーパー以外は全盲の選手で構成され、アイマスクを装着し、転がるとシャカシャカと音の鳴るボールを用いて位置を把握し、プレーする競技です。先天性の病気で右目が見えなかったものの左目は見えていた佐々木選手は、小学4年からサッカーを始めました。病状が悪化し、中学時にはほぼ全盲となり、5人制サッカーへと転向しました。
2004年に正式種目となって以来初のパラリンピック出場となる5人制サッカー日本代表は、初戦にフランスに4-0で快勝したものの、続くブラジル、中国に敗れ、1勝2敗で予選リーグ敗退となりました。9月2日(木)に、順位決定戦を戦います。

大会前のコメント
5人制サッカーを始めたことで夢を追いかける楽しさを知りました。ドリブルが得意で、貪欲にゴールを狙う姿勢を見てほしいです。

主な戦績
2010年:世界選手権、広州2010アジアパラ競技大会 出場
2011年:アジア選手権 出場
2013年:さいたま市ノーマライゼーションカップ、アジア選手権 出場
2014年:さいたま市ノーマライゼーションカップ、仁川アジアパラ競技大会、世界選手権 出場
2015年:アジア選手権 出場
2019年:ワールドグランプリ、アジア選手権 出場
2021年:ワールドグランプリ 出場

競技日程・結果・中継・配信    会場:青海アーバンスポーツパーク

日にち

時間

試合(結果)

テレビ・ラジオ中継

Web中継
(見逃し配信含む)

8/29(日)

9:00~

予選リーググループA①(対フランス)、4-0 勝利

NHK総合、NHKR1

NHK東京2020
パラリンピック
Webサイト

8/30(月)

11:30~

予選リーググループA②(対ブラジル)、0-4 敗戦

NHK総合、NHKR1

8/31(火)

9:00~

予選リーググループA③(対中国)、0-2 敗戦

NHK総合、NHKR1

9/2(木)

11:30~

5・6位決定戦(対スペイン)

 

【卓球】
竹内 望 選手|Nozomi Takeuchi
(1994年2月18日生まれ、27歳)


千葉県立松戸六実高等学校出身で市内在住の竹内望選手は、卓球(クラス10・立位)の日本代表として、パラリンピックに出場しました。
竹内選手は、生まれる際に首が圧迫されたことで、右腕の首元から指先がまひする障がいが残りました。卓球を本格的に始めたのは、小学4年の時。中学、高校では健常者の仲間たちとともに卓球部で活動しました。20歳の時にパラ卓球の存在を知り、それ以来、母国で開催されるパラリンピックの出場を目指して鍛錬を続け、見事にその夢を叶えました。

大会前のコメント
コロナ禍で大変だったと思いますが、私は少しでも皆さんの心が元気になるようなプレーをして夢や希望を届けられるように、1試合でも多く戦えるように頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。

主な戦績
2017年:アジア卓球選手権大会 女子シングルス 3位、韓国オープン 女子シングルス 準優勝、国際クラス別パラ卓球選手権大会クラス10 シングルス 優勝
2018年:リニャーノマスターOP 女子シングルス 優勝
2019年:スロベニアオープン 女子団体 3位、ポーランドオープン 女子シングルス 3位、ジャパンオープン 女子シングルス 3位/女子団体 準優勝、フィンランドオープン 女子シングルス 3位/女子団体 3位、中国オープン 女子団体 準優勝、オランダオープン 女子団体 3位

競技日程・結果・中継・配信    会場:東京体育館
<シングルス(クラス10・立位)>

日にち

時間

試合

Web見逃し配信

8/25(水)

18:00~

予選リーググループA①(対ナタリア・パルティカ〔ポーランド〕)、0-3 敗戦

NHK東京2020
パラリンピック
Webサイト

8/27(金)

16:00~

予選リーググループA②(対メルベ ジャンス・デミール〔トルコ〕)、0-3 敗戦

 

<女子団体(WT9-10)>

日にち

時間

試合

Web中継

9/1(水)

10:00~

準々決勝(対ポーランド)

NHK東京2020
パラリンピックWebサイト

19:30~

準決勝

9/3(金)

10:00~

決勝

 

【卓球】
竹守 彪 選手|Takeshi Takemori
(1993年10月10日生まれ、27歳)


松戸市出身・在住の竹守選手は、東京2020パラリンピックでの卓球(クラス11・知的障がい) に出場し、ベスト8の成績を残しました。
ITTF(国際卓球連盟)のパラ卓球クラス11世界7位で、2大会連続のパラリンピック出場。前回大会は開幕直前の4月に手術をした影響もあり、予選リーグで敗退。「結果を残せず悔しい思いをした」ことから、今大会には並々ならぬ意気込みで準備をしてきた結果、前大会を越えるベスト8で大会を終えました。

大会前のコメント
自国開催なので、日本に希望を与えるために、努力の成果を発揮し、メダル獲得を目指して頑張ります!

主な戦績
FIDチャンピオンリーグ・シングルス優勝2回、FIDチャンピオンシップ・シングルス優勝4回、ダブルス優勝5回 ※FIDは日本知的障がい者卓球連盟の総称
2014年:アジアパラ競技大会 シングルス 優勝/団体戦 2位
2016年:リオデジャネイロパラリンピック出場 予選リーグ 敗退
2017年:アジア選手権 シングルス 2位/団体戦 1位
2018年:世界選手権 シングルス 5位
2019年:アジア選手権 シングルス 3位/団体戦1位1、ジャパンオープン シングルス 3位/団体戦 2位、INASグローバルゲームズ シングルス 3位/団体戦 1位/ダブルス 1位/ミックスダブルス 3位 2020年:エジプトオープン シングルス 2位/団体戦 2位、ポーランドオープン シングルス 2位/団体戦 2位、スペインオープン シングルス 2位/団体戦 2位
2020年4月1日時点 ITTFパラ クラス11 世界ランク7位

競技日程・結果・中継・配信    会場:東京体育館

日にち

時間

試合結果

Web見逃し配信

8/26(木)

13:40~

予選リーグ①(対フロリアン・バン・アケル選手〔ベルギー〕)、2-3 敗戦

NHK東京2020
パラリンピック
Webサイト

8/27(金)

11:40~

予選リーグ②(対デニソス ホセ・マルティネス バレト選手〔ベネズエラ〕)、3-0 勝利

20:40~

準々決勝(対リュカ・クレアンジュ選手〔フランス〕)、0-3 敗戦

 

【シッティングバレーボール】
加藤 昌彦 選手|Masahiko Kato
(1969年4月16日生まれ、52歳)


松戸市出身の加藤選手は、床に臀部の一部が接触した状態でプレーする「シッティングバレーボール」に出場しています。 
小・中・高・大学とサッカーに情熱を注いだ加藤さんは、26歳の時に左足の膝下10㎝を切断し、義足を着用するようになりました。それからおよそ2年後、偶然シッティングバレーボールと出会い、競技に取り組み始めると瞬く間に頭角を現します。1999年1月にはアジア大会の日本代表に選出。翌年2000年、2004年のパラリンピックに2大会連続で出場し、その後代表を引退しました。東京でのパラリンピック開催決定後、協会からの声かけで再度日本代表に復帰し、今大会でも代表に選出されました。自身3度目のパラリンピック出場で、チーム一丸となってひとつでも多くの勝利を狙います。

大会前のコメント
1人でも多くの方に競技を知ってもらいたい、そんな気持ちで取り組んでおります。もちろんメダルを目指して頑張りますけども、私たち、普段の頑張りをこの大会で全て出し切りますので、応援のほどよろしくお願いいたします。

主な戦績
2000年:シドニーパラリンピック 出場
2004年:アテネパラリンピック 出場
2016年~2019年:日本シッティングバレーボール選手権大会 優勝

競技日程・結果・中継・配信    会場:幕張メッセ Aホール

日にち

時間

試合

Web中継(見逃し配信含む)

8/27(金)

14:00~

予選リーググループA①(対ロシアパラリンピック委員会)、0-3 敗戦

8/29(日)

18:30~

予選リーググループA②(対エジプト)、0-3 敗戦

8/31(火)

20:30~

予選リーググループA③(対ボスニア・ヘルツェゴビナ)、0-3 敗戦

9/2(木)

13:30~

7・8位決定戦(対中国)

NHK東京2020
パラリンピックWebサイト

 

Topics2
パラリンピック聖火の元となる「松戸市の火」を採火

東京2020パラリンピック聖火の元となる「市町村の火」の採火セレモニーが、8月18日(水)に松戸中央公園で行われました。
パラリンピック聖火リレーはオリンピックと異なり、競技が開催される埼玉県・千葉県・静岡県・東京都で行われる「聖火リレー、点火セレモニー」と、43道府県で行われる聖火の元となる火を採る「採火」、採火した火を集める「集火」、東京都で開催される全国集火式へ聖火を送り出す「出立式(総称して聖火フェスティバル)」で構成されます。

松戸市少年少女発明クラブが火起こしした種火

採火セレモニーに使用された種火は、イベント前日の17日に、科学とモノづくりの楽しさを学べる教室「松戸市少年少女発明クラブ※(松戸市新松戸)」の子どもたち5名が、古式のひもぎり式で起こしました。こどもたちが2人1組となり、1人が火きり棒を押さえ、もう1人が火きり棒に巻き付けた紐を両手で交互に引き動かすことで摩擦を起こし、発火させます。火種床にできた黒い削りかすが赤い火種の粒となり、それをおが屑に落として送風し、火を大きくしました。

日大歯学部の学生3名が「松戸市の火」を採火

18日の採火セレモニーでは、日本大学歯学部で障がい者スポーツを学んでいる3名の学生が、点火棒で種火から採火し、本郷谷健次市長が 「松戸市の火」をランタンに収めました。イベント終了後、松戸市の聖火は“千葉県の火”となるべく、市原スポレクパークで行われる集火式へと運ばれて行きました。

※ 科学が盛んな新松戸エリア

松戸市少年少女発明クラブは、1983年6月の設立から37年以上に渡り、小学3年生から中学3年生までの少年・少女に、科学的な興味関心の追求、モノづくりを実践できる場を提供しています。歴史あるクラブで、指導実績の評判も高く、市外から通う生徒もいるほどです。2009年には、寄贈により「新松戸未来館(松戸少年少女発明クラブ会館)」がオープンし、土・日曜日を中心に利用されています。近隣には科学部が多くの実績を残している松戸市立小金中学校があります。同部は、ロボット競技大会「ロボカップ」世界大会のジュニアリーグに日本代表として出場するなど、活動が盛んです。

 


ひもぎり式で火を起こす子どもたち


学生が採火した火をランタンへ保存する本郷谷 健次 松戸市長(左)

ランタンに収められた「松戸市の火」

Topics 3
東京2020オリンピックで松戸市初の金メダルを獲得した須﨑優衣選手(レスリング女子50kg級)に松戸市民栄誉賞を贈呈

東京2020オリンピックのレスリング女子50kg級に出場した須﨑 優衣選手(松戸市出身)が金メダルを獲得し、8月20日に松戸市役所を表敬訪問しました。また、この度の功績が認められ、須﨑選手には「松戸市民栄誉賞」が贈られました。同賞の受賞者は、須﨑選手で8人目となります。

また、須﨑選手は松戸市出身者初の金メダリストとなり、千葉県出身者の個人種目での金メダル獲得は男女通じて5人目、女子の種目としては初となる快挙となりました。須﨑選手は、「絶対に松戸市に金メダルを持ち帰ろうと思っていた。実現して嬉しかった」と願いが叶ったことを喜んでいました。

全試合テクニカルフォール勝ちで圧巻の金メダル

東京2020オリンピックでの須﨑選手の試合運びは圧巻でした。全試合、相手に1ポイントも獲られず、相手よりも先に10ポイントを獲得した時点で勝利するテクニカルフォール勝ちを収める盤石の試合運びで、小学生の頃からの夢だった「東京2020オリンピックでの金メダル」を手にしました。最高の結果となった要因について質問された須﨑選手は、「東京でオリンピックが開催されると決まった時からずっと持っていた、絶対に東京で金メダルを獲るという強い想い」と回答し、信念の強さが今回の結果につながったと答えました。今年5月、大会前に松戸市を表敬訪問した際にも、「(閉幕前日の)決勝に進出して金メダルを獲得し、オリンピックを締めくくりたい」と語っており、それを実現した須﨑選手の「有言実行する力」の強さを感じました。

いちレスリングファンとしても楽しめたオリンピック

自身のレスリングの試合を純粋に楽しめたと語った須﨑選手は、レスリングの実力者たちの試合からもパワーをもらったそうです。出場前日に現地入りして会場で生観戦したほか、準決勝の試合終了後にもスタンドから観戦し、「いちレスリングファンとして、強い選手の試合を映像ではなく生で観戦できてとても嬉しかった」と笑顔で語ってくれました。

次の目標は「パリ五輪での連覇」

オリンピックで全試合無失点のテクニカルフォール勝ちでの金メダルという、この上ない結果を得た須﨑選手は、今大会同様の50kg級でオリンピック連覇を目指すと宣言しました。「東京で金メダルを獲得したら満足してしまうかなと思いましたが、獲得した瞬間にもっと強くなりたい、パリでも金メダルを獲りたいと感じた。自分でもそのような感情になるとは思わなかったので驚きました」と、まだまだ上を目指す意思を示した22歳の須﨑選手。日本中、そして松戸市中の人々は、今大会以降も暫く続くであろう須﨑選手の快進撃に期待できそうです。

松戸市民栄誉賞の歴代受賞者

杉浦 正雄さん(矢切の渡しを守り続けてきた船頭)、村上 信夫さん(帝国ホテル総料理長)、和田 豊さん(プロ野球選手)、山崎 直子さん(宇宙飛行士)、涌井 秀章さん(プロ野球選手)、天野 篤さん(天皇陛下の心臓冠動脈手術を担当した医師)、羽賀 理之さん(リオパラリンピック銅メダリスト)

 

本郷谷 健次 松戸市長(右)からの松戸市民栄誉賞の盾を受け取る須﨑優衣選手

東京2020オリンピック・表彰式での須﨑優衣選手 ©時事