カードを手掛けた著名ゲームキャラクターデザイナー 伊藤暢達先生の独占インタビューも公開
世界中で5千万人を超えるプレイヤーとファンを持つ元祖戦略トレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング (以下 、マジック )」を製造・販売する世界的ゲームクリエイティブカンパニー「ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(本社:ワシントン州レントン, アメリカ合衆国)」 は、9月27日(金)発売の新セット 『ダスクモーン:戦慄の館』についてアメリカ・シアトルで開催する大規模なゲームイベントPAX Westの生配信を9月1日(日)にマジック公式SNSで同時実施し、新セット公式トレーラーとカードを手掛けた著名ゲームキャラクターデザイナー伊藤暢達先生の独占インタビューも公開いたしました。
マジックの初の現代ホラーセットです。「誰が生き残り、何が残されるのか?」この問いは、マジックファンや物語の主人公たちが共に考えることになるでしょう。
『ダスクモーン:戦慄の館』は、新たな次元「ダスクモーン」で展開されます。この次元は、1980年代から現代にかけてのホラーのジャンルにインスパイアされたものです。ダスクモーンはただの次元ではなく、無限に広がる恐怖、悪夢、そして他の恐ろしい存在に満ちた幽霊屋敷です。困難な状況を乗り越え、戦慄の秘密を解き明かすスリルを体験してください。現在予約受付中で、9月27日(金)に発売されます。
日時:2024年9月1日(日)06:00〜 ※日本時間
配信場所:Duskmourn: House of Horror | PAX West Panel | Magic: The Gathering
https://www.youtube.com/watch?v=HzVP79XHmcI
※日本語説明付きの詳細は日本公式Xとサイトをご覧ください。
《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》 | 《悪夢滅ぼし、魁渡》 | 《放浪する救い手》 |
《滅び》 |
闇と謎に包まれた「ダスクモーンの館」に足を踏み入れましょう。新しいメカニズム「部屋」「戦慄予示」「生存」「違和感」「兆候」が、プレイヤーの戦略に新たな要素を加えます。
メカニズムのご紹介は公式の翻訳記事をご覧ください: https://mtg-jp.com/reading/translated/0038103/
メカニズムと共に紹介されたカードの一部
9月27日発売の『ダスクモーン:戦慄の館』よりマジックのセットに導入される新たなブースター・ファンの名称です。その名が示す通り、日本が世界に誇るアーティストやイラストレーターの方々によって、世界観との親和性を今まで以上に色濃く反映したカードアートを皆さまにご提供します。カードフレームにはジャパン・ショーケース用に独自のものを採用。アートを美しく魅せるフレームレスでありながら、テキストの視認性を担保した新たなデザインです。アート制作には、マジックのパートナーでもあるデザインプロダクション・工画堂と連携しています。
《永劫の好奇心》 「ジャパン・ショーケース」通常版 |
《永劫の好奇心》 「ジャパン・ショーケース」フラクチャー・フォイル仕様 |
《ミストムーアの大主》 「ジャパン・ショーケース」通常版 |
《ミストムーアの大主》 「ジャパン・ショーケース」フラクチャー・フォイル仕様 |
URL: https://www.youtube.com/watch?v=F3OOzjCMuzg
◇製品ページ https://mtg-jp.com/products/0000283/
◇発売日(日本国内) 2024年9月27日(金)
※「Nightmare Bundle」は10月18日(金)発売
プレイ・ブースター | コレクター・ ブースター |
統率者デッキ |
Bundle (英語版のみ) |
Nightmare Bundle (英語版のみ) |
カードアートを手掛けた伊藤暢達先生に作品にかける思いなどを伺いました。
記事URL: https://mtg-jp.com/reading/special/0038098/
制作カード: 《滅び》(Damnation)
お話をいただいた「ヴァルガヴォス」というキャラクターには、自分が得意とする方向性のキャラクターデザインとは異なる個体という印象でした。
作品のコンセプトとして、世界観はWesternではありつつも、「日本人が描いた」画風を目指しました。そのため、過去のアーティストがあまり使用していない配色を意識しました。画面全体が暗い方向へ進んだため、体表のオレンジ色の模様を「発光体」と解釈しました。それが無数の腕に反射する画面中心あたりの入り組んだ空間の表現は気に入っています。書き始めもこの複数の腕から制作しています。またカードはイラストのサイズが小さいため、「パッ」と見た時にどのような空間にどのようなシルエットのキャラクターが存在しているのかが分かりやすいよう心掛けてデザインしました。
制作は1日4時間かけ4日程度で完成させました。元のデザインにあまりアレンジを加えないという依頼があったので、体表の模様に若干アレンジを加えて制作しました。好き勝手にデザインをアレンジできない点は苦労しましたね(笑)。
実は、当初は人間キャラクター達の顔の表情を歪んでブラーのかかったものとして描き進めていましたが、最終的にはやめました(苦笑)。
スケッチ
マジック:ザ・ギャザリングの魅力は、そのカードゲームとしての歴史だと思います。私はカードゲーム全般的にプレイしたことはありません。ただ、オンライン上でマジックの海外アーティスト達によるカードイラストを見たことはありますし多くの人がプレイされている光景は何回もメディアにて拝見したことはあります。やはりカードゲームとして歴史ある作品ですので、圧倒的な数のファン、規模、それらに敬服します。
コンシューマーゲームの仕事が続いている中、カードゲームイラストは長い期間描いていなかったので、今回はとても新鮮に取り組めました。『ダスクモーン:戦慄の館』の世界観は、以前に見たマジックのイラストの世界観とはかなり異なる方向性だと感じました。
現代のホラーはジャンルとしてかなり多様化しており、中にはレトロホラーに強く影響を受けた物もあるかと思います。『ダスクモーン:戦慄の館』は、お化け屋敷が舞台で、1980年代のホラー映画やゲーム、メディアからインスピレーションを得ていると聞いています。80年代のレトロホラーには、悪役、敵としてキャラクターに個性を持たせ、そこがその作品の特徴となっている物がメジャーな作品となる事が多かった印象です。現代ではそこにはあまり重点を置かず、主人公の行動や内面、背景に焦点を当てている物が大きな違いかなと考えています。
ホラー作品を描く上では、初期のサイレントヒルシリーズに携わった関係で、Westernのアーティスト達が描いたりデザインするクリーチャーやモンスターとは異なる物、独自性のある物を作るように意識しています。今回もそういった考えは意識しました。
生活するためのお金が無くなることが一番の恐怖です(笑)。
ご期待に沿えない回答で申し訳ありませんが、今回の作品を描いていてもホラー体験は“全く”無かったですし、過去にも1度もありません(笑)。そもそも、こういった仕事をしている割には、そういった怪奇現象を全く信じない性格なので(笑)。
もし私がゼロからデザインしたオリジナルなキャラクターが描かれたカードを見たい場合は、マジックの運営さんにリクエストをしてください。沢山のリクエストがあれば、そのようなオーダーがいつか来るかもしれません(笑)。
1972年生まれ。1999年発売の『サイレントヒル』の背景・クリーチャーのデザインを担当。『サイレントヒル2』『サイレントヒル3』の制作にも参加し、全てのクリーチャーデザインやアートディレクションを手がける。2006年、イラストレーター、デザインナーとして独立。2024年初めにリリースされたPS5『SILENT HILL:The Short Message』のクリーチャー、裏世界(英語表記の場合は、Other World)のデザイン担当。 現在はフリーランスのイラストレーター兼デザイナー。 |