2022年3月9日 12:00

松戸市からプロスポーツの世界へ!

今春、松戸に所縁のある3名が、野球とサッカーでプロの世界へ飛び込みました。これまでとは比較にならないほど競争の激しい世界に挑む各選手に、プロとしての意気込みや目標についてインタビューしました。松戸を代表する3名の今後の活躍にぜひご注目ください。

※掲載情報は2022年3月8日時点のものです。

【プロ野球】深沢 鳳介(ふかざわ おうすけ)さん

専修大学松戸高等学校 → 横浜DeNAベイスターズ

超高校級サイドスローの右腕がDeNAへ入団、目指せ最多勝

2021年、専修大学松戸高等学校野球部は「春のセンバツ」への初出場、夏の甲子園ではセンバツ準優勝校から勝利するなど素晴らしい試合を展開し、松戸市民を大いに沸かしてくれました。その立役者の1人でチームのエースである投手・深沢鳳介さんが、プロ野球・横浜DeNAベイスターズにドラフト5位で指名され、今年から晴れてプロ野球選手の仲間入りを果たしました。

高校2年の秋からエースナンバーを託された深沢さんの特長は、右のサイドスローから繰り出される高校球界屈指の伸びのあるストレートと抜群の制球力。その実力は、早くからプロ野球のスカウトが注目していた逸材です。契約完了後の昨年12月に松戸市役所を表敬訪問し、「契約を済ませたことでプロ野球の世界に入る自覚が芽生えた。ここからがスタート。松戸市民の皆様をはじめ、多くの方々に応援してもらえるように頑張る」と豊富を述べました。

入団1年目の目標は「からだづくり。とくに下半身の強化」と語る深沢さん。「自身の強みであるコントロールの良さをさらに高めるにはフォームの安定が欠かせず、それには下半身の強化が必要」とトレーニングが必要なポイントを分析。「その延長線上で、もしも1年目で初勝利を上げられたら最高です」と希望を述べました。また、現在145kmが最速のストレートの球速を150kmにまで伸ばし、さらにスライダーも武器にした上で、「将来は最多勝を目指したい」とさらなる高みへの意欲を見せていました。
 専修大学松戸高等学校は、北海道日本ハムファイターズの上沢直之投手、東京ヤクルトスワローズの渡邉大樹外野手、千葉ロッテマリーンズの横山陸人 投手、福岡ソフトバンクホークスの高橋礼投手といった多くのプロ野球選手を輩出しています。深沢さんは2学年先輩であるプロ3年目の横山陸人投手からはドラフト指名後に声をかけてもらえたそうで、「先輩であり、自分と同じサイドスロー」であることから、横山投手を目標とする選手の1人に挙げていました。


深沢鳳介さん

【プロ野球】瀧本 将生(たきもと まさき)さん

松戸市立松戸高等学校 → 福岡ソフトバンクホークス

縦のスライダーを武器に、育成枠からの1軍昇格を目指す

「実績のほとんどない自分が育成ドラフトで指名される選手になれたのは、市立松戸高校のおかげが大きいと思います」。そう語るのは、松戸市立松戸高等学校野球部3年で市川市在住の瀧本将生さんです。2021年の「プロ野球ドラフト会議」で福岡ソフトバンクホークスから育成11位で指名を受けました。

日本のプロ野球では、支配下としてプロ契約できるのは1球団あたり70人までです。別枠である育成選手は契約数の上限はなく、育成ドラフトで育成枠として指名・登録された選手たちは、試合の出場が2軍に限られる中で支配下登録への昇格を目指します。冒頭の言葉通り、瀧本さんはこれまでの野球人生で、誰もが知るような特筆すべき大きな結果を出していません。しかし、常にその大きな素質を見出され、次のステップへと歩みを進めてきました。

中学生のとき、市立松戸高校野球部の朝隈智雄監督から同校への進学の誘いを受けます。他校からも声をかけられる中、同校への入学の門戸が市外在住者にも拡大された初年度に朝隈監督の熱意に打たれ進学を決意しました。人気校である市立松戸高校に入学するため、受験勉強を重ね、学力を伸ばして合格を勝ち取りました。

外野手だった瀧本さんが投手に転向したのは、1年生の秋のこと。体育の授業の走り高跳びでジャンプしたり走ったりしている様子をみて投手としての素質を見出した監督からの指導で、転向を決意しました。それまで試合では野手専門だったものの、子どもの時から変化球を投げて遊び、投手にも挑戦してみたいという思いはあった中での決断でした。

 投手としての力をめきめきと伸ばしていたある日、國學院大学野球部の練習に参加しました。そこでプロ野球チームの関係者の目に留まったことが、育成ドラフトでの指名につながります。投手転向から約2年での実力というポテンシャルの高さを見出された結果でした。

 瀧本さんは、自身の1番の武器は「縦のスライダー」と分析しています。「さらに磨いて、瀧本といえば縦のスライダーと言われるようになりたい」と語るところからも、その球種に対する自信がうかがえます。目標とする選手は、オリックス・バファローズの山岡泰輔投手と福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大投手です。とくにチームのスカウト担当者からは、千賀投手のようになってほしいと期待されています。千賀投手は2011年に育成枠で入団した翌年に支配下契約へと移行し、2017年には日本シリーズの開幕投手を務めた史上初の育成出身選手となりました。

 瀧本さんも千賀投手のその道のりを知っているでしょう。「育成枠での努力の結果が、支配下契約や1軍入りにつながっていくと思う。勝ち取りたいです」と語る瀧本さんからは、強い決意を感じました。


瀧本将生さん

【プロサッカー】真家 英嵩(まいえ ひでたか)さん

柏レイソルU-18 → 柏レイソル

恵まれた体格と得点への嗅覚、トップチームでの活躍に期待

松戸市在住で松戸市立第六中学校出身の真家英嵩さんが、所属するサッカー・柏レイソルU-18チームからトップチームへ昇格し、2022年シーズンからプロの仲間入りを果たしました。

真家さんは、小学4年生の時に松戸市のサッカーチーム・ラビットキッカーズから柏レイソルU-12に加入したのち、U-15・U-18と柏レイソルのアカデミー畑を歩んできました。2021年はエースストライカーナンバーの9番を身につけてプレーしました。

フォワード(FW)である真家さんの特長は、187cm・82kgという日本人離れした恵まれた体躯を活かしたプレーです。相手の厳しいマークにあいながら、ボールを受けて攻撃の起点となるポストプレーやゴールへ向かう迫力あるプレーなど、力強さが魅力です。目標とする選手として、ポストプレーの名手でありドイツ・ブンデスリーガでも活躍した現ヴィッセル神戸のFW大迫勇也選手を挙げているのも納得です。

U-18での活動は、決して順風満帆とは言えませんでした。高校1年時からU-18のプレミアリーグに出場し、高校サッカー界の強豪・青森山田高校戦でゴールを決めるなど、その後の活躍が期待されていたものの、2020年の夏に膝に大怪我を負ってしまいました。「それまで年代別の代表に選ばれたりして波に乗ってきていると感じていたのでショックが大きかった」ものの、家族やチームメイト、医療スタッフ、チームスタッフの支えもあり、くじけることなくリハビリに努め、およそ1年後に復帰しました。復帰戦となった2021年6月の青森山田高校戦ではいきなり2ゴールを叩き出し、「柏レイソルU-18に真家あり」を強く印象付けました。

その活躍と将来性が買われ、同年10月にトップチームへの昇格が内定。プロサッカー選手になるという小さい頃からの夢の1つを叶えました。また、12月にはU-18日本代表候補のトレーニングキャンプにも招集されています。

真家さんは、「トップチームに上がり、国籍も年齢も異なる選手たちと厳しい競争をすることになる。まずは自分のプレーを見せてスタメンを取り、ファンがたくさんいるスタジアムでゴールを決めて、喜びをチームメイトと分かち合いたい。誰よりも点を取り、柏レイソルの勝利とタイトル獲得に貢献したい」と柏レイソルでの活躍を誓いました。さらに「1人の選手として人間として成長し、自分が目指す憧れの場所へと突き進んでいく」と続け、その先には世界をも見据えているようです。

2月下旬に開幕した2022年のJリーグでは、初戦の湘南ベルマーレ戦でベンチ入り。3日後のカップ戦・ルヴァンカップの京都サンガF.C.戦ではスタメン出場を果たし、同点弾となるプロ初ゴールを決めました。リーグ戦の第2節では途中出場するなど、チームから高い評価を受けている様子がうかがえます。クラブと日本代表、両方での活躍に期待しましょう。


真家英嵩さん