2020年11月16日 12:00

松戸のインテリア・ファッション・雑貨店

都内に負けない こだわりのセレクト !

松戸にもたしかな審美眼をもつ店主が、こだわりのアイテムをセレクトするお店があります。厳選された品を購入できることから、市外からも来客があるほどです。本号では、いま注目したい4店をご紹介します。松戸に“オシャレ”というイメージのない方ほど、ぜひご覧ください。 ※掲載情報は2020年11月12日時点のものです。

<インテリア>

PADDINGTON HOME DECORATION(パディントン ホーム デコレーション

大手企業やセレブも御用達!現代人の日常に“ストーリー”を添えるフレンチアンティーク家具専門店


店内には、ところ狭しと年代物のフレンチアンティーク家具が並んでいます。

市川市との境に位置する住宅街・二十世紀が丘に、全国からの注文が絶えないフレンチアンティークのお店「パディントン ホーム デコレーション」はあります。20世紀に生まれた街並みから一歩店内に入ると、目の前に広がるのは19世紀のフランスの世界。アンティーク家具の美しさを堪能できるだけでなく、往時の暮らしの中で実際に使われていた食器やキャンドル、さらにはかつての人々のやり取りを示す直筆の封筒や請求書までをも見ることができ、お店はさながら美術館や博物館のようです。

このような非日常の空間を生み出したのは、店主の嶌根淳子さんです。美大生の頃からアンティーク好きでしたが、大学生にとってそれらは手が届かない高嶺の花。「いつかそのようなものに囲まれて生活してみたい」という思いを胸にしまいながら、社会人として働き出しました。店舗を開くきっかけとなったのは、デザイナーとして携わったエアロビクス普及の仕事でした。「美を追究する人は、自分がいる空間にもこだわる」と気づいた嶌根さんは、そのような人たちの欲求に応えられる“ストーリーのあるもの”を提供するため、 1991年12月に当店をオープンしました。

当初はエイジングを施したオーストラリアからの輸入家具を扱っていました。やがてイギリスからアンティーク家具を輸入するようになり、その後フランスのアンティーク家具に切り替え、現在に至ります。フレンチアンティークは、脚が細く華奢でいまにも壊れそうな、いわば女性的なイメージです。嶌根さんは「それゆえに愛情が注げます」と、フランスアンティークの人気の理由を教えてくれました。また、「イギリスのアンティークよりも古いものが豊富なため、使用してきた多くの人々の思いが長い歴史の中で受け継がれている」(嶌根さん)ところがポイントとのことです。なお、同店では古いものをそのまま提供しているわけではなく、用途や時代、置く場所などに応じて別の色にしたり、サンドペーパーをかけて色を落としたり、もともと鏡だった部分を棚に替えたりとリフォームも施しています。また、販売だけに留まらず、アンティークの家具や扉などを取り入れた住宅や店舗のデザイン、リフォームも請け負っています。開店当初から抱いていた「いつか家や暮らしのデザインまで手掛けられるようになりたい」という思いも実現させたのです。

100年以上前の人々の生活をありのままに伝えるアンティークの家具や雑貨を、みなさんの日々の暮らしにアクセントとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

[左]店主の嶌根淳子さん
[右]棚やテーブルなどの大型家具や食器のほか、電気用のスイッチや伝票まで、多様なアンティークグッズが勢ぞろい。

【Information】
住所:松戸市二十世紀が丘中松町31-1
電話番号:047-392-5755
MAIL:info@paddington.gr.jp
営業時間:10時~18時
定休日:日曜
アクセス:北総線「北国分」駅から徒歩約15分、JR常磐線(快速・各駅)・新京成線「松戸」駅東口からバスで約10分
Webサイト:https://www.paddington.gr.jp/ ※オンライン購入可能
Instagram:https://www.instagram.com/paddington_home_decoration/
Pinterest: https://www.pinterest.jp/jshimane/
Facebook:https://www.facebook.com/paddingtonhomedecoration/

 

<ファッション>

QUARTER PAST FIVE(クオーター パスト ファイブ)

高い審美眼がコアなファンを魅了!東欧の古着と民族衣装のセレクトショップ

手の込んだ刺繍や色づかい、テキスタイルが特徴的な東欧の古着と民族衣装をメインに取り扱っているセレクトショップ、『QUARTER PAST FIVE』。2019年3月のオープン以来、店主・五十嵐さんのたしかなチョイスに惚れこんだ多くのファンが、逸品を探しに市内・市外問わず来店しています。

現在も編集ライターとして活躍している五十嵐さんは、取材を通じて様々な店舗を訪れ、オーナーさんらにインタビューしていくなかで、次第に自分でもお店を運営したい気持ちが高まり、「もともと興味のあった東欧の古着や民俗衣装のオンラインショップを始めてみることにしました」(五十嵐さん)とのこと。

立ち上げ当初から「いつか実店舗も開きたい」と考えていた五十嵐さんは、候補地として「東京から少し距離を置いた、けれどもアクセスできないわけではない、適度にのんびりとした場所」を求めていました。千葉市などいくつかの候補地があったなかで出会ったのが、松戸でした。

来店者の年齢層は幅広く、その中には80代の女性の常連さんも。オシャレな若者だけが集うのではなく、のんびりとした街だからこその現象に、五十嵐さんも「都内に出店していたら、このようなコミュニケーションはなかなか生まれなかったはず」と嬉しかったそうです。

同店で取り扱っている古着と民俗衣装は、全て1点もの。買い付けたものをそのまま販売することもあれば、どうしても抜けないシミのある白いワンピースやブラウスを京都の黒染め専門店に依頼し、黒く染め替えて再生することも。セレクトされたアイテムのデザインは魅力的で、種類も豊富であることから、都内から来店する人も多いとのことです。通販も展開しており、Instagramに入荷日時を告知すると、販売開始と同時に即完売になる商品も。ヴィンテージファンからの、五十嵐さんのセレクトに対する信頼度が、その様子からもうかがえます。

東欧の古着・民族衣装(画像1,2)のほか、トータルコーディネートのための東欧の靴(画像3、セルビア伝統のラバーシューズ「OPANAK」)や、シロップアーティスト・高橋友香さんが作るシロップ「calm」(画像4)、美術家の久芳真純さんが手がけるドライフラワーを軸に据えたプロダクト「Kuba for QPF」(画像5)なども取り揃えています。

【Information】
住所:松戸市本町5-3 building C 2F
電話番号:050-5532-0515
MAIL:info@quarterpastfive.shop
営業時間:平日14時~19時、土日12時~18時
定休日:不定休 ※営業時間・店休日についてはInstagramアカウントを参照
アクセス:JR常磐線(快速・各駅)・新京成線「松戸」駅西口から徒歩約3分
Webサイト:https://quarterpastfive.shop/ ※オンライン購入可能
Instagram:https://www.instagram.com/qpf.shop/

 

<インテリア>

ITSUKA DESIGN(イツカ デザイン)

“人々の暮らしを彩るモノづくり”を追求、若手デザイナーの終わりなき挑戦

『ITSUKA DESIGN』は、松戸を拠点とする若手デザイナー・加藤敬さんによる“暮らしに彩りを添えるデザイン”がテーマのオンラインショップです。

宮城県出身の加藤さんは、東北随一の芸術系大学・大学院に在籍中、TOKYO DESIGNER’S WEEKやテント・ロンドンなど、世界有数の展示会に作品を出展していました。やがて世界トップクラスの家具・デザイン系見本市「ミラノサローネ」への参加を打診されましたが、実力不足で畏れ多いと感じ、断ってしまいました。その後加藤さんは、伝統工芸やインテリアデザイン、フラワーショップやジュエリー会社などで、製品そのもののデザインだけでなく、製品が最も魅力的に見える空間をもデザインできるようになりたいという意思のもと、経験を積み重ねました。

そんな彼の視線の先にいつもあったのは、かつて登頂を諦めた世界最高峰のミラノサローネです。背水の陣であらためて出展を目指し始めた加藤さんは、自らを「使う人が目的に応じて変形させることができる物を提案したり、ユーザーと一緒に物を作ったりするデザイナー」として確立させるため、自身の名前に愛する“花”の字を加え、“ITSUKA DESIGN”のプロジェクトを立ち上げました。

希望に満ちていた最中、新型コロナウイルスによる感染症が全世界で猛威を振るい始めました。ミラノサローネは中止となり、学生時代からずっと見据えてきた目標があっけなく失われた喪失感は、とても大きいものでした。しかし、加藤さんは、状況が落ち着いたり、誰かがこの状況を改善してくれたりするのを待つのではなく、コロナ禍での生活に少しでも彩りを添えられるプロダクトを提案したいと思い立ち、プロジェクト名と同名のオンラインショップを立ち上げました。

『ITSUKA』は、漢字で“敬花”と記します。自分の名前である“敬”に、加藤さんが昔から好きな“花”をつけたことが成り立ちです。また、この言葉には「モノづくりやデザインに終わりはなく、完成したその瞬間、それまで全く考えていなかったアイデアが生まれる。それを実現した!と思うと、またさらに新たなアイデアが生まれてくる。“いつか“これを改善させよう、解決させようとか、少し考え方を変えて、こうしてみても面白いのかもしれない、という思いが無限にあふれてくる」(加藤さん)という意味も込められています。加藤さんのモノづくりへの思いが続くならば、ミラノサローネへの出展、そしてさらにその先までも、きっと見えてくるでしょう。

「東北で生活していた大学時代は、自然の中にいるとアイデアがとても湧きやすかったです。松戸市も自然が多いので、私にとって創作に向いている場所だと思います」と語る加藤さん。松戸でのさらなる活躍が楽しみです。


加藤さんの作品『daily jungle 01』(左)、『daily jungle 02』(右)。大きな植物の形を模した、表面が樹脂ミラー製のウォールアート。ミラーに映し出されるものや風景によって、その空間は様々な彩りを見せます。モダンでクールな雰囲気を暮らしに取り入れたい方や、子供部屋の飾りとして人気です。

【Information】
MAIL:itsukanodesign@gmail.com
Webサイト:http://www.itsuka-design.com/
Instagram:https://www.instagram.com/itsukanodesign/
オンラインショップ:https://itsukadesign.thebase.in/

 
<雑貨>

Plaisier(プレジエール

北欧好きからの熱い支持を獲得、ほっこり夫婦が営む日々を潤す雑貨店


店内に並んだ多種多様な北欧デザイン雑貨は、眺めているだけでも楽しくなります。

「シンプルだけど日々の生活が楽しくなる」をコンセプトに、北欧デザインをモチーフにした品々を取り揃えている『Plaisier』は、2019年11月に八柱にオープンしました。かつて女性向けの家具・雑貨・衣料品などを扱う大手通販会社で商品企画を担当していた後藤大太郎さんは、一日何万点もの商品が購入される中で、「購入からお届け後のやり取りまでがとても冷たかった」という購入者の声を耳にしました。やがて「“人のぬくもりが感じられるオンラインショップ”を自らの手で作りたい」という思いが募り、自身の日々の生活に潤いを与えていた北欧デザイン雑貨を集めたオンラインショップを2015年に開店。「みんなが集まる楽しい場所でありたい」という思いを込め、フランス語の「Plaisir(楽しみ・快楽・気晴らし)」と「Atelier(アトリエ・工房・集まる場所)」を組み合わせ、『Plaisier』と名付けました。

オンラインでありながらも丁寧な対話と対応で高い評価を受けるまでに至ったものの、購入者の声を聞けるのは買物後のレビューのみ。「来店者との世間話を通じて商品をご購入いただく」という、オフラインならではの体験を求め、ご夫婦の地元である松戸に実店舗をオープンしました。  

『Plaisier』には、都内の雑貨店でも手に入らないものだけでなく、日本中でここだけというグッズまであり、「探していた商品がここにあった!」と歓喜の声を上げるコレクターさんもいるそう。「私の欲しいものがあるから、もう都内に行かなくていい」と、松戸の北欧ファンからも熱い支持を受けています。「八柱にお店を構えて、地元の人たちと繋がれたことがとても楽しい」と語る後藤さんの目標は“松戸エリアで一番楽しい気持ちになれる雑貨店”。「日々の暮らしがもっと楽しくなるものが揃っている店”と評されるような場所にしたい」と目を輝かせています。 

〔左〕後藤大太郎さんと妻の貴栄さん。大太郎さんが仕入れを、貴栄さんが店内のレイアウトを主に担当。商品企画は、2人で話し合う決まりとのこと。
〔右〕店舗のロゴ

【Information】
住所:松戸市金ヶ作36-7
電話番号:080-9879-6429
MAIL:bonheulier@gmail.com
営業時間:11時~17時
定休日:日曜、祝日
アクセス:JR武蔵野線「新八柱」駅、新京成線「八柱」駅から徒歩約4分
オンラインショップ:https://store.shopping.yahoo.co.jp/plaisier/
Instagram:https://instagram.com/takae05/
Facebook:https://www.facebook.com/Bonheulier/