2020年9月24日 12:00

指定文化財を全国で初めてホテルに活用 約300年前の建築美を残す屋敷に宿泊 日本民俗学の父・柳田國男の耽読を追体験 「NIPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」11月1日開業

株式会社レック(兵庫県神戸市、代表取締役:高橋 泉)は、日本民俗学の父・柳田國男が11歳のときに書物を耽読し、学問の基礎を築いた地といわれる、兵庫県福崎町の「大庄屋(おおじょうや) 三木家住宅(兵庫県指定重要有形文化財)」を、「なつかしく、あたらしい、日本の暮らしをつくる。」をコンセプトに、宿泊、レストラン*、BOOK CAFE*、ウェディングなど複合型ホテル「NIPPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」として11月1日にオープン(宿泊受付は9月中旬)いたします。

*レストラン・BOOK CAFEは来春から営業します。

国および都道府県の指定文化財が、ホテル・旅館に活用されるのは全国で初めてです(注:ご参考)。

    兵庫県指定重要有形文化財「大庄屋(おおじょうや) 三木家住宅」

   客室      料理(朝食)イメージ  蔵書イメージ      婚礼イメージ

◆全国初の施設活用例 約300年前の貴重な建築様式が残る屋敷に宿泊
「大庄屋 三木家住宅」は約300年前、江戸時代中期に建築された、兵庫県指定重要有形文化財です。主屋(表座敷)、副屋、離れ、内蔵、酒蔵、角蔵、など9棟の建物から構成され、主屋は宝永2年(1705)に建てられたことが判明しています。建築当時の姿をよく残した、建築学的にも貴重な文化遺産です。国及び都道府県の指定文化財がホテルや旅館に活用されるのは、全国初です。福崎町は、自然豊かな風土と歴史の遺産に恵まれ、観光スポットとしても魅力を集めています。 
今回の「NIPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」は、当時の趣をそのままに、宿泊、レストラン、などさまざまな業態をもつ複合型ホテルです。敷地面積1861.18㎡(約563坪)で、副屋などの部分(約680㎡)をホテルにリノベーションし、客室5室、レストラン8卓から構成されています。現存を維持した主屋部分は、通常は三木家や地域の歴史を紹介する展示施設として公開していますが、ウェディング会場などとしての利用も可能です。約300年の歴史を静かに味わいながら、さまざまな体験をご提供。懐かしい風景を眺めながらお気に入りの本を読みふけり、シェフ自慢の料理を一品一品心ゆくまで味わって特別な時間をお楽しみいただけます。

◆客室(副屋) 中庭を望む落ち着いた客室。懐かしい景色を眺めながら、お気に入りの本を片手に読みふける。
“大切な人と語らう”特別な時間をお過ごしいただけます。◇宿泊人数:2~4名 / 45.89㎡

◆客室(離れ) 昔懐かしい、縁側のある客室。チェアに体を預け、心地良い風を感じながら、ゆったりと寛ぐ。非日常のひとときを味わえます。◇宿泊人数:2~6名/109.69㎡

◆客室(米蔵)天井の高いダイナミックな空間に、高さ一杯の壁面本棚が圧巻の米蔵。ソファで美味しいコーヒーを飲みながら、お気に入りの本を片手にのんびりとした時間をお過ごしいただけます。◇宿泊人数:2名/29.65㎡

 

◆客室(内蔵)壁面本棚に並ぶ、数々の蔵書。本好きにはたまらない、心躍る魅力のライブラリー空間。時間を気にせず、ゆっくりと読書を楽しみたい、そんなゲストにオススメの空間です。◇宿泊人数:2~3名/48.25㎡

◆客室(角蔵)エントランス前には中庭が広がる角蔵。懐かしい風景を眺めながらソファでゆっくりとした時間を過ごす等、気分や時間に合わせて過ごし方を変えられるお部屋です。◇宿泊人数:2名/38.78㎡

 

◆地産地消の料理

酒蔵をリノベーションしたレストランでは、フレンチのシェフが地産地消をコンセプトに、地元の極上素材をふんだんに使い、素材の持つ味わいを最大限に生かした料理を提供いたします(宿泊のお客様に提供。レストラン単独営業は来春予定)。

料理長 堂瀬 亮

1974年、大阪府出身。神戸の洋菓子メーカーに勤務時、手づくりの魅力にはまり、自ら料理をつくりたいと思うように。25歳で退職後単身渡仏し、食事の時間を大切にする食文化に深く共感。フレンチの技法を習得し32歳で帰国後、【ラ・ロシェル大阪】で坂井宏行氏に師事し、同店料理長、京都のレストランウェディングで総支配人等を歴任する。現在全国に拠点を構える小さな結婚式の料理長として采配を振りながら、フレンチを通して食卓の団欒を提供し続けている。

◆柳田國男が耽読した体験をなぞる全500冊の蔵書

日本民俗学の父・柳田國男が幼少期に三木家の大量の書物と出会った体験を再現できるよう、本施設には時計やテレビを配置せず、本を各部屋に配置しました。「日本を知ろう!」をコンセプトに、民俗学や空想の生き物、都市伝説や怪談、妖怪、おばけ、日本の伝統的な暮らしや山の暮らしなど、全500冊をセレクトしました。事典や図鑑、評論、小説、絵本など老若男女にお楽しみいただける構成で、都会の喧騒から離れてゆったりお過ごしいただける空間を提供いたします。

◆300年以上の歴史を持つ日本家屋で執り行う和装人前式85,000円(税抜)

*洋装での結婚式 67,000円(税抜)もございます。

【概要】
◆施設名:NIPPONIA 播磨福崎 蔵書の館 (にっぽにあ はりまふくさき ぞうしょのやかた)
◆所在地:兵庫県神崎郡福崎町西田原1106
◆延床面積:約680㎡
◆業態:ホテル、レストラン、セレモニー会場、BOOK CAFEなど
◆構成:フロント、客室7室、レストラン8卓(単独営業は来春予定)ほか
◆宿泊料金:大人20,000円~40,000円
◆レストラン価格帯:地産池消の食材でのディナーコース(5,000円~)
◆Webサイト:https://nipponia-fukusaki.jp/
◆アクセス:JR播但線 福崎駅下車タクシー約10分、
播但連絡道路・中国自動車道で福崎ICから約5分
◆備考:もっとも古い建物が1697年築の内蔵、
他の建物は江戸時代中期以降。
県指定文化財、第一種住宅地域
◆所有:福崎町
◆リノベーション・管理:株式会社PAGE
◆運営:株式会社レック 

<ご参考>「指定文化財を全国で初めてホテルに活用」について
・「全国初」の対象は、国及び都道府県の指定文化財です(市町村が指定する文化財は調査対象外)。
・国の重要文化財を「民泊」に活用した事例は1件あります。ただし「民泊」は、旅館業法に定められた「旅館」「ホテル」ではないため、本報道資料では「旅館並びにホテル」としては「初の活用事例」としています。
・もともと旅館・ホテルが、後になって指定文化財となった事例はあります(東京ステーションホテルなど)。

兵庫県指定重要有形文化財「大庄屋 三木家住宅」とは
「三木家」は明暦元(1655)年に飾磨津から辻川に移り、姫路藩の大庄屋※として福崎町の地域政治、文化の中心を担ってきました。松岡家の六男として誕生した柳田國男は、代々、学問的交流のあった三木家に11歳の時に預けられました。
歴代の三木家当主が収集した大量の書物と出会い、日本民俗学の基礎を確立した地。それが「大庄屋(おおじょうや) 三木家住宅」です。柳田國男は著書『故郷七十年(幼時の読書)』で以下のように語っています。
「同家の裏手にいまも残っている土蔵風の建物の2階8畳には、多くの蔵書があった。(中略)読み放題に読んだのだが、私の雑学風の基礎はこの1年ばかりの間に形造られたように思う。」
※大庄屋とは、代官の下で、数か村から二十数か村の庄屋を統括し、領内の行政に当たった。

 

柳田國男・妖怪の世界観をテーマした「妖怪BOOK CAFE」、旧・辻川郵便局舎をリノベーション

三木家住宅に隣接する国登録有形文化財「旧辻川郵便局」の局舎(約170㎡)をリノベーションした「妖怪BOOK CAFE」も宿泊部分を先行オープンします。
柳田國男は、近代化、西洋化で失われた日本人の心を後世に残そうと、岩手県遠野地方に伝わる逸話、伝承等を説話集『遠野物語』として残したことで知られています。
2階は客室部分として、旧郵便局の歴史を感じる洋館風な客室にリノベーションいたしました。1階は、天狗、河童、座敷童などの妖怪にまつわる書籍400冊をお楽しみいただけます(カフェ営業は来春予定)。

【概要】
◆施設名:妖怪BOOK CAFE (ようかい ぶっくかふぇ)
◆所在地:兵庫県神崎郡福崎町西田原1022-1
◆延床面積:約170㎡
◆業態:ホテル(客室)、カフェ(来春から営業予定)
◆構成:ブックカフェ(1階)、客室(2階)
◆アクセス:JR播但線 福崎駅下車タクシー約10分、
播但連絡道路・中国自動車道で福崎ICから約5分
◆備考:大正12年築といわれる。国登録有形文化財、第一種住宅地域
◆所有:福崎町
◆リノベーション・管理:株式会社PAGE
◆運営:株式会社レック