2021年11月12日 11:00

指定文化財を全国で初めてホテルに活用した 「NIPPONIA播磨福崎 蔵書の館」 兵庫県の「人間サイズのまちづくり賞」を受賞

取り組みについて解説する視察プログラムを実施

株式会社レック(神戸市)が運営する県指定文化財を活用したホテル「NIPPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」が、優れたまちづくり活動などを表彰する兵庫県の「人間サイズのまちづくり賞」まちなみ建築部門で、知事賞に選ばれました。

建物の趣を残しながら、暮らしを体験する場として活用することで、現代の人に文化財の価値を伝える取り組みが評価されました。受賞を記念して当ホテルの取り組みを知っていただく機会として、事業担当者が案内する施設の視察プログラムを企画・開催することに致しました。日本で初めて県指定文化財をホテルに活用する改修プロジェクトを進めた事業担当者が、開発手法や事業スキーム、文化財改修方法などについて解説いたします。

◆「NIPPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」とは

「NIPPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」は、江戸時代に姫路藩の大庄屋を務めた三木家の邸宅を活用したホテル。明治期、日本民俗学を確立した柳田國男が11歳の時に過ごした家としても知られ、大量の書物を読みふけって学問の基礎を築いた場所でもあります。そんな柳田の幼少期を追体験してもらえるよう、全部屋に蔵書を設え、読書が楽しめる工夫をしています。

兵庫県指定重要有形文化財「大庄屋(おおじょうや) 三木家住宅」

客室 料理(朝食)イメージ 蔵書イメージ 婚礼イメージ

 

◆人間サイズのまちづくり賞とは

 兵庫県では、県民の参画と協働による“人間サイズのまちづくり”を推進するため、平成11年度に「人間サイズのまちづくり賞」を創設し、安全・安心のまちづくり、環境と共生するまちづくり、魅力と活力あるまちづくり、自立と連携のまちづくりに寄与する優れたまちなみや建築物及び優れた功績のあった団体等を顕彰しています。

◆宿泊オプション「視察プログラム」について

受賞をきっかけに当ホテルに興味を持ってくださった方を対象に、1泊2食付宿泊プランのオプションとして視察プログラムを企画、開催致します。日本で初めて県指定文化財をホテルに活用する改修プロジェクトを進めた事業担当者が、開発手法や事業スキーム、文化財改修方法などについて解説いたします。

<スケジュール>
・14時  
NIPPONIA播磨福崎 蔵書の館でチェックイン
・14時20分~15時50分(約1時間半)
県指定文化財「大庄屋三木家住宅」(主屋以外)を改修した当ホテル全5室を見学
(連泊のお客様がいらっしゃる場合は、ご見学いただけないお部屋が出る場合がございます。予めご了承ください)
事業担当者が、開発手法や事業スキーム、文化財改修方法などについて説明

<オプション料金>
・1組様5,500円(税込)
*この視察プログラムは、1泊2食付宿泊プランのオプションプログラムです。
  視察プログラムのみの参加はできませんので、ご了承ください。

<対象者>
建築やまちづくりに携わるなど、古民家改修やまちづくりに関心のある方で、当ホテルに1泊2食付プランで宿泊される方
・最低催行人数 1組4名様以上

※お申込みはお電話のみで受付けております 
電話:0120-293-958
0790-24-3565

事業担当者との日程調整が必要なため、お電話でのみ申込を受け付けています。ご希望のお日にちが、当ホテルの空室状況と事業担当者と合わない場合は別の日程での調整となりますこと、予めご了承ください。可能であれば、複数日程候補を頂けますと幸いです。

◆全国初の施設活用例 約300年前の貴重な建築様式が残る屋敷に宿泊

「大庄屋 三木家住宅」は約300年前、江戸時代中期に建築された、兵庫県指定重要有形文化財です。主屋(表座敷)、副屋、離れ、内蔵、酒蔵、角蔵、など9棟の建物から構成され、主屋は宝永2年(1705)に建てられたことが判明しています。建築当時の姿をよく残した、建築学的にも貴重な文化遺産です。国及び都道府県の指定文化財がホテルや旅館に活用されるのは、全国初です。福崎町は、自然豊かな風土と歴史の遺産に恵まれ、観光スポットとしても魅力を集めています。

「NIPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」は、当時の趣をそのままに、宿泊、レストラン、などさまざまな業態をもつ複合型ホテルです。敷地面積1861.18㎡(約563坪)で、副屋などの部分(約680㎡)をホテルにリノベーションし、客室5室、レストラン8卓から構成されています。現存を維持した主屋部分は、通常は三木家や地域の歴史を紹介する展示施設として公開していますが、ウェディング会場などとしての利用も可能です。約300年の歴史を静かに味わいながら、さまざまな体験をご提供。懐かしい風景を眺めながらお気に入りの本を読みふけり、シェフ自慢の料理を一品一品心ゆくまで味わって特別な時間をお楽しみいただけます。

◆客室(副屋) 中庭を望む落ち着いた客室。懐かしい景色を眺めながら、お気に入りの本を片手に読みふける。
“大切な人と語らう”特別な時間をお過ごしいただけます。◇宿泊人数:2~4名 / 45.89㎡

◆客室(離れ) 昔懐かしい、縁側のある客室。チェアに体を預け、心地良い風を感じながら、ゆったりと寛ぐ。非日常のひとときを味わえます。
◇宿泊人数:2~6名/109.69㎡

◆客室(米蔵)天井の高いダイナミックな空間に、高さ一杯の壁面本棚が圧巻の米蔵。ソファで美味しいコーヒーを飲みながら、お気に入りの本を片手にのんびりとした時間をお過ごしいただけます。
◇宿泊人数:2名/29.65㎡

◆客室(内蔵)壁面本棚に並ぶ、数々の蔵書。本好きにはたまらない、心躍る魅力のライブラリー空間。時間を気にせず、ゆっくりと読書を楽しみたい、そんなゲストにオススメの空間です。◇宿泊人数:2~3名/48.25㎡ ◆客室(角蔵)エントランス前には中庭が広がる角蔵。懐かしい風景を眺めながらソファでゆっくりとした時間を過ごす等、気分や時間に合わせて過ごし方を変えられるお部屋です。◇宿泊人数:2名/38.78㎡

■柳田國男・妖怪の世界観をテーマした「妖怪BOOK CAFE」、旧・辻川郵便局舎をリノベーション

三木家住宅に隣接する国登録有形文化財「旧辻川郵便局」の局舎(約170㎡)をリノベーションした「妖怪BOOK CAFE」。柳田國男は、近代化、西洋化で失われた日本人の心を後世に残そうと、岩手県遠野地方に伝わる逸話、伝承等を説話集『遠野物語』として残したことで知られています。2階は客室部分として、旧郵便局の歴史を感じる洋館風な客室にリノベーションいたしました。1階は、天狗、河童、座敷童などの妖怪にまつわる書籍400冊をお楽しみいただけます。

◆柳田國男が耽読した体験をなぞる全500冊の蔵書

日本民俗学の父・柳田國男が幼少期に三木家の大量の書物と出会った体験を再現できるよう、本施設には時計やテレビを配置せず、本を各部屋に配置しました。「日本を知ろう!」をコンセプトに、民俗学や空想の生き物、都市伝説や怪談、妖怪、おばけ、日本の伝統的な暮らしや山の暮らしなど、全500冊をセレクトしました。事典や図鑑、評論、小説、絵本など老若男女にお楽しみいただける構成で、都会の喧騒から離れてゆったりお過ごしいただける空間を提供いたします。

【県指定文化財をホテルに活用した背景】
国及び都道府県・市町村指定の文化財(建造物)は、全国に1万4,967件あります(文化庁HPより)。
これらを後世に継承していくには、継続的に膨大な修理コストと維持管理コストが必要となります。
それらすべてを行政が担うことには限界があり、文化財をどう後世に残していくのかは、社会的課題となっています。
過疎化や少子高齢化を背景に、文化財の継承が課題となるなか、2019年4月に改正文化財保護法が施行され、保存のために活用することの必要性に重きが置かれるようになりました。そのような社会背景を受け今回、県指定重要有形文化財「大庄屋 三木家住宅」をホテルとレストランに活用することとなり、(株)レックが運営を担っています。
この建物は、もとは三木家の人々が寝起きし、食事をしていた生活空間でした。お客様にこのホテルで寝起きし、お食事をしてもらうという「暮らしの体験」を提供することで、この空間の文化財的価値を現代に伝えてまいります。
兵庫県福崎町は、神戸(年間観光客2,205万人)、大阪(宿泊者数3,375万人)など近隣の大都市圏から車で1時間、電車で1時間半圏内にあります。岡山(年間観光客683万人)から車で1時間半、姫路(同914万人)からは電車、車も30分圏内です。歴史を生かしたホテルを運営することで、滞在型観光を創出し、地域活性化に貢献していきたいと考えています。

<ご参考>「指定文化財を全国で初めてホテルに活用」について
・「全国初」の対象は、国及び都道府県の指定文化財です(市町村が指定する文化財は調査対象外)。
・国の重要文化財を「民泊」に活用した事例は1件あります。ただし「民泊」は、旅館業法に定められた「旅館」「ホテル」ではないため、本報道資料では「旅館並びにホテル」としては「初の活用事例」としています。
・もともと旅館・ホテルが、後になって指定文化財となった事例はあります(東京ステーションホテルなど)。

 

【複合型ホテル「NIPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」概要】

◆施設名:NIPPONIA 播磨福崎 蔵書の館
(にっぽにあ はりまふくさき ぞうしょのやかた)
◆所在地:兵庫県神崎郡福崎町西田原1106
◆延床面積:約680㎡
◆業態:ホテル、レストラン、セレモニー会場、BOOK CAFEなど
◆構成:フロント、客室7室、レストラン8卓ほか
◆宿泊料金:大人20,000円~40,000円
◆レストラン価格帯:ランチコース(3,300円・4,400円)
◆Webサイト:https://nipponia-fukusaki.jp/
◆アクセス:JR播但線 福崎駅下車タクシー約10分、
播但連絡道路・中国自動車道で福崎ICから約5分
◆備考:もっとも古い建物が1697年築の内蔵、
他の建物は江戸時代中期以降。
県指定文化財、第一種住宅地域
◆所有:福崎町
◆リノベーション・管理:株式会社PAGE
◆運営:株式会社レック

◆会社概要

会社名 株式会社レック(KSGグループ)
代表者 高橋 泉
所在地 兵庫県神戸市中央区東川崎町1丁目3-3 神戸ハーバーランドセンタービル18F
事業内容 写真事業(ラヴィ・ファクトリー)、結婚式事業(小さな結婚式)、通信事業(e-denpo)
広告事業、輸入事業、アルバム事業、美容事業、葬儀事業(ファミリー葬)等
HP http://www.lec-net.com/