2021年7月6日 10:00

マレーシアのトゥンク・アブドゥル・ラーマン大学の学生と 文学部英語英米文化学科の学生がオンラインで交流 コロナ禍でもバーチャルで交流できたと双方の学生から多数の反響

愛知学院大学(所在地:愛知県日進市、学長:引田 弘道)文学部英語英米文化学科の学生とマレーシアのトゥンク・アブドゥル・ラーマン大学(UTAR:以後UTARと記載)の学生が、6月25日(金)にオンライン上で交流イベントを行いました。第1回目の交流を4月23日に実施し、今回で2回目の実施となります。

このオンライン交流イベントは、世界的なコロナ流行により学生間の交流が途絶えていたため、双方の学生をオンラインでつなげ、お互いの文化について発表しあい、相互理解を深めることを目的に実施しました。UTARは本学の提携校であり、本学とUTARの教員同士の個人的なつながりが発展したおかげで実現することになりました。

4月23日に実施された、第1回目の交流イベントでは、UTARの学生たちが、多文化社会の中でマレー文化、中国文化、インド文化の各コミュニティがいかに伝統を引き継いでマレーシアに根づいているのか、そしていかにお互いを尊重しているのかという「多文化共生」のありかたについて発表しました。

第2回目の交流イベントでは、本学の高木眞理子教授の3年ゼミの学生が、2グループに分かれて発表しました。1つ目の発表は、日本において「ハーフ」という、外見の違いで差別されている人々について。2つ目は、日本にはいろいろな「食」があるが、外国にルーツがあると思われている「食」が実は日本で変化し、独特な食べ物に文化変容しているものがあることを説明しました。

第2回目の交流となった今回は、UTARからの参加者が250名となり、UTARの先生も驚くほどの反響がありました。「これはコロナ蔓延のせいで外国にいけなくなっていることで、バーチャルでも外国にいきたい、日本人と交流したいという強い気持ちの現れではないか」とUTARの先生が説明してくれています。

本学学生にとってはバーチャルとはいえ、250名の人々が聞いている中で英語で発表するのは勇気がいることでした。UTARの学生は大学の授業を全て英語で受けていますが、彼らにとっても英語は母語ではないため、日本人学生が外国語としての英語を使って一生懸命発表している姿を見て、「発表からいろいろ学べてよかった」「発表ありがとう。がんばっていたね」「またこういうイベントあるといいね」などたくさんのコメントが寄せられました。

■愛知学院大学の高木ゼミの学生の発表について
1つ目の発表では、日本において「ハーフ」という、外見の違いで差別されてしまっている人々について説明。異人種間結婚から生まれてきた子供たちは「日本人らしくない」と言われ偏見をもたれているが、「日本人らしさ」とは何なのかと問題提起しました。

人間は皆違うのだから、外見などにこだわらず同じ日本人として生きていける社会であるべきだと主張しました。発表内で、マレーシアの多文化共生社会ではミックスの人たちはどのように過ごしているのかと質問をしたところ多くの反響があり、「マレーシアではミックスは普通だから特別に扱われないよ」、「ミックスの方が美しいっていわれるよね」などのコメントが寄せられました。
   
2つ目の発表では、日本にはいろいろな「食」があるが、外国にルーツがあると思われている「食」が実は、日本で変化して日本的な独特な食べ物になっている場合があると説明。日本の焼き餃子が中国の水餃子から変化したものと説明すると、マレーシアの学生たちから「日本の焼き餃子はマレーシアでも食べられるよ」とのコメントがあって日本側でびっくりという場面も。日本の納豆ピザの説明をしたところ、「マレーシアでいえばドリアン・ピザだね」というコメントまでありました。食については誰もが興味を持ち、まだまだ話し足りないようでした。

愛知学院大学 高木眞理子教授のコメント
英語英米文化学科では、英語で自文化や異文化について説明し、自分の意見を述べることができることが一つの目標になっています。今回のゼミの試みはその一環でもありましたが、また純粋に、日本に興味を持っている外国人学生と英語発表を通して交流するいい機会になったと思います。

【オンライン交流イベントの概要】
■日時 :第1回 4月23日(金)15:00〜17:00
■内容 :Theme “When Nasi Lemak Meets Sushi”
     (ナシ・レマクがスシに出会う時:マレーシアと日本の二文化の出会い)
     マレーシアの多文化社会の現状について、UTARの3つのグループが発表 
    1)Malaysian Chinese Culture
2)Malay Culture
3)Indian Culture

多文化社会の中でいかにそれぞれの文化が伝統を引き継いてマレーシアに根付いてい るか、それぞれの文化がいかに他文化を尊重しているのか、といった多文化共生のあ りかたが説明された。

■日時 :第2回 6月25日(金)15:00〜17:00
   Theme “Virtual Tour to Aichi Gakuin University: Unmasking Japanese Culture”
(愛知学院大学へのヴァーチャル・ツアー:日本文化の素顔を見る)

英語英米文化学科の「高木眞理子ゼミ」の3年16人が以下の二つのグループに分かれて発表
   1)Being a “half” in Japan: What We Learned from American Studies
日本で「ハーフ」と呼ばれる人々について:アメリカ研究から学んだことに基づいて
2)Acculturation of Foreign Food in Japan
  外国からやってきた食べ物は日本でどのように文化変容したのか

■参加者:マレーシア トゥンク・アブドゥル・ラーマン大学の教員と学生
     愛知学院大学文学部 英語英米文化学科高木眞理子教授とゼミの学生