2021年4月28日 13:01

【コラム】見た目はキュート(?)、正体はゴキブリ! 本当に怖いシロアリの話~上

シロアリなんて鉄筋コンクリートの家に住んでいる私には関係ないわ、そもそも見たこともないし。

 

そんなふうに考えている人は決して少なくないと思います。

 

しかし、最近、シロアリに食べられてしまった薄い本の画像がTwitter(https://twitter.com/sagirizriz/status/1359742823235416065)にあがり、話題を呼びました。裸のまま段ボールに入れ、倉庫に置いておいたそうですが、見事な食べっぷりです! いったいシロアリは何者なのでしょう?

 

シロアリは、ゴキブリ目シロアリ科に属します(ちなみにクロアリはハチ目アリ科)。名前に「アリ」と入っているので、少しキュート(?)な感じがしますが、じつはアリの仲間ではありません。ゴキブリを先祖とした原始的な昆虫です。

 

シロアリの種類は豊富で、世界の熱帯・亜熱帯地域から温帯地域にかけて実に2,900種類以上。このうち日本に存在するのは23種類と言われており、大半は木材の主成分であるセルロースを主食としています。

地球環境という観点でみれば、枯れた木材や落ち葉などを食物とし分解して土に戻すという大切な役割を果たしています。和歌山県の高野山には、「しろあり供養塔」が存在するほどです。

 

しかし、ひとたび街にやってくると人を困らせる害虫に変身してしまうのですから困ってしまいます。木材以外にも、セルロースが含まれている紙、本、畳なども餌にし、被害をもたらします。

また、鉄筋コンクリート製の家でも床材や下地材などには木材を使用しており、断熱材もシロアリの大好物。コンクリート自体をエサにしているわけではありませんが、シロアリはその大きな顎で、コンクリートのような硬い物体もかみ砕くことができるのです。

 

なお、シロアリの主な活動期間は4~6月。

 

シロアリは冬眠することなく、1年中存在していますが、温度の上昇に伴い、シロアリの活動も活発になります。一生に一度、羽アリが生まれ育ったコロニーを飛び出していくのもこの時期です。

 

そんなわけで、今、活動期間が長くなっていることも問題視されています。羽アリが飛んでいるのを見かけたら、それは近くに巣があるということ。専門の業者への相談を検討してみてもいいかもしれません。

記事提供:株式会社雨宮(https://www.amemiya.co.jp/company/company.html