2021年5月6日 10:00

【コラム】見た目はキュート(?)、正体はゴキブリ! 本当に怖いシロアリの話~中

  • シロアリは、数万~数百万匹という単位でコロニー(巣)を形成し、高度な社会組織を営んでいます。
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  • 例えば、ヤマトシロアリのコロニーは1~2万匹程度。2万人といえば、東京都台東区の人口!に相当します。

 

コロニーは、1匹ずつの女王アリと王アリを中心に、8%程度の兵アリ、9割以上の職アリで構成されます。

  • このほかニンフや2次女王、羽アリなどが存在します。
  • シロアリの多くの個体には生殖機能がありませんが、ニンフには生殖能力があり、最終的には羽アリか副王・副女王アリとなります。
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  • 生殖機能を持つ女王アリは、10年以上もの寿命のあいだ、職アリに世話をしてもらいながら、ただひたすら卵を産み続けます。
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  • 一般的な生き物は、一度産卵すると次の産卵までに待機期間が存在しますが、シロアリにはそのような存在しません。また、シロアリの王と女王はとても仲良し。一度、ペアになったらほとんどの場合、生涯を共にしますが、王アリの寿命は長く、30年を超える個体もります(ちなみに職アリや羽アリの寿命は約2年ほどです)。
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  • 女王に万一のことが起こった場合に備え、女王が単為生殖(雌が単独で子を作ること)によって誕生した二次女王が控えています。抜け目ありません。

 

アリたちにはそれぞれ役割があります。兵アリは外敵が来たときに守ることだけを仕事にしています。普段は何もしておらず、餌不足の時は真っ先に共食いの対象となります。

職アリの仕事は多種多彩。巣を作ったり、餌をとったり、卵を守ったり、幼虫を育てたりと、文字通りの働きアリです。

人間の住処に害を与えるのは、すべて職アリです。

ニンフは羽が生えるまでは職アリとして活動しますが、やがて成長し、羽のあるシロアリ(羽アリ)になり。コロニーが一定の数に達したときや、時期が来たときには、別のコロニーを形成するために飛び立って行きます。

 

羽アリの、一生に一度だけハネムーン(生殖活動)飛行は、温度20℃以上、湿度80%前後の温暖多湿な日を選んで行われます。4月から6月に、羽アリを見かけることが多くなるのはそのためです。

記事提供:株式会社雨宮(https://www.amemiya.co.jp/company/company.html