2022年3月30日 14:00

神戸市 都心・三宮再整備 ~人が主役のまちづくり~

 神戸市は、海と山が育むグローバル貢献都市を実現するため、「人が主役のまち」「居心地の良いまち」をテーマとして、便利で快適な、そして新たな神戸の象徴となる玄関口の創出に向けて、都心・三宮の再整備を進めています。

1. 阪神・淡路大震災から20余年。動き出した神戸のまち

 阪神・淡路大震災から二十余年が経過し、新たなステージを歩み始めた神戸市は、市民と民間事業者、行政が協働で都心の再生を実現し、世界に貢献できる都市として発展していくことを目指して、2015(平成27)年9月に神戸の都心の未来の姿[将来ビジョン]と三宮周辺地区の『再整備基本構想』を策定しました。
神戸・三宮の大きな特徴は、海と山と都心が近いことと、鉄道、地下鉄、バスが交差する発達した交通網です。都心・三宮の再整備では、この地理的条件と交通利便性、美しい景観を活かし、「人が主役」の居心地の良いまちが姿を現し始めています。

2.ポストコロナを見据えた「新たな日常」に対応したまちづくり

 2021(令和3)年4月、神戸三宮阪急ビルの開業にあわせて、隣接するサンキタ通りを再整備しました。歩道と車道を一体化してフラットな歩道とし、神戸三宮阪急ビルやさんきたアモーレ広場と調和したデザインに、歩行者を中心とした空間に生まれ変わっています。また、道路占用許可基準の緩和措置であるコロナ占用特例※を活用し、沿道の飲食店はテラス席を歩道に設け、開放的な屋外でゆったりと飲食を楽しまれている様子が見受けられます。

※令和4年4月より歩行者利便増進道路(ほこみち)制度の運用開始予定

サンキタ通り整備後の様子

 また、三宮駅前では、人と公共交通優先の空間「三宮クロススクエア」を整備していきます。まず三宮交差点の東側から整備を行い、第1段階として、2029(令和11)年予定のJR三ノ宮新駅ビルの開業に合わせ、車道を現在の10車線から6車線まで減らし、広場空間を創出していき、最終的には3車線まで減らす予定です。密を避けながら安心して駅から周辺エリアへ回遊していただき、芸術家やアーティスト、美味しい食べ物に出会えるまちを創出していきます。

三宮クロススクエア東側(第2段階)イメージ

3. 新たなバスターミナル・駅周辺デッキの整備

 三宮駅周辺では、1日あたり約1,700便の中・長距離バスが発着しています。JR三ノ宮駅東側に建て替える再開発ビルには、これらを集約する西日本最大級の中・長距離バスターミナルを整備します。さらに、ビルにはオフィスやホテルといった都市機能の集積を図り、都市の国際競争力強化を図る拠点としていきます。
 また、地上レベルの三宮クロススクエアに加えて、乗換動線の円滑化や新たなバスターミナル周辺でのバスと歩行者の分離、「えき」と「まち」との回遊性向上を目的として歩行者デッキを整備します。

新たなバスターミナルが入る再開発ビル
(イメージパース)


三宮駅周辺歩行者デッキ イメージ

4. 都心・ウォーターフロントのにぎわい創出と回遊性向上

 

 歩くことが楽しく、巡りたくなるまちを目指し、ウォーターフロントのにぎわいづくりと、駅からウォーターフロント・周辺のまちへの回遊性の向上を進めていきます。
 ウォーターフロントでは、水族館とアートが融合した劇場型アクアリウム「átoa(アトア)」を核とした複合施設「神戸ポートミュージアム」や、オフィス棟が順次オープンしており、今後も一万人規模の最先端アリーナが整備される予定です。三宮とウォーターフロントの動線上に位置する市役所本庁舎2号館や都市公園の東遊園地では、新たなにぎわい機能を導入するなど、都心の活性化や回遊性向上の拠点として、本格的な再整備に取り組んでいます。2022(令和4)年3月25日には、東遊園地内の南側に「こども本の森 神戸」が開館したところです。
 また、都心からウォーターフロントの回遊性の向上を目指して、連節バス「Port Loop」を運行しており、2022(令和4)年4月には新神戸駅への延伸を予定しています。他にも新型モビリティの活用実証実験を行っており、多様な移動手段の検討を進めています。
これらの取り組みに先立ち、都心をタワーマンションの乱立で住宅エリアとせず、持続可能な商業と賑わいの中心としての機能を維持するため、条例を一部改正し、大規模マンションの新規開発を市独自に規制しています。