2022年3月30日 16:00

ウクライナの国営通信事業者Ukrtelecomに対する大規模なサイバー攻撃に関してダークトレース専門家がコメント

AIサイバーセキュリティのグローバルリーダーであるダークトレースより、メディアアラートをご案内いたします。
 
ウクライナの国営通信事業者Ukrtelecomが3 月28日、大規模なサイバー攻撃を受け、インターネットサービスが中断しているという報道について、
ダークトレースで戦術的リスク対応を統括(VP, Tactical Risk and Response)するジャスティン・フィア(Justin Fier)は次のようにコメントしました。

「’World War Wired’ と呼ばれる昨今、ロシアのサイバー攻撃者がウクライナの大手インターネットプロバイダーを標的にしたことは驚くことではありません。しかし、ISPのトラフィックに多少の混乱が生じたものの、インターネット接続と携帯電話ネットワークは、国中でほぼ正常に稼働しています。この攻撃は、期待されたレベルの破壊を達成したわけではありません。

 多くの議論がロシアの攻撃的なサイバーパワーに集中していますが、ウクライナの強力な防衛力については十分な時間をかけて議論されていません。2015年のウクライナの電力網に対する悪名高いサイバー攻撃以来、ウクライナは、特に重要なインフラ周辺のサイバー防御を強化し、将来の攻撃に対する回復力を確保するために多大な努力を払ってきました。この戦略は、世界のサイバーディフェンダーにとって驚くことではありません。一部の情報では、ロシアが支援するプロキシから予想されるサイバー侵入からウクライナを守るために、2021年を通じて米軍の兵士と民間企業のエンジニアが関与した秘密作戦が疑われているほどです。

 Ukrtelecomに対する明らかなDDoS攻撃についてはほとんど情報がないため、このプロバイダーは重要なインフラを優先し、インシデント対応を通じて混乱を管理しているように見えます。2015年以降、ロシアのサイバー攻撃の脅威に直面している他のウクライナの組織と同様に、効果的なサイバー防御策を開発する以外に選択肢がなかったのです。」