2020年10月23日 11:00

日本生協連 2020年度 上期業績発表:コロナ禍の組合員のくらしに貢献。全国の主要地域生協の総供給高は8カ月連続前年超過

コロナ禍でWeb加入数が急増し、5月以降も前年比2倍程度を維持

日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、代表理事会長:本田英一)は、2020年上期の業績について取りまとめましたのでご報告します。

  • ● 地域生協:全国の主要地域生協の供給高は8カ月連続で前年超過
  •  日本生協連が全国65主要地域生協の2020年9月度の供給高(売上高)の速報をまとめたところ、総供給高は2,409億5,500万円(前年同月比109.4%)となり、2月から8カ月連続で前年超過となりました。
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①宅配事業:組合員のくらしに寄り添い、上期通して供給高、利用人数、客単価が前年を上回る
 コロナ禍で外出が制限される中、地域生協は商品のお届けに徹することで、宅配事業の供給高、利用人数、客単価ともに上期を通して前年を上回りました。
 新型コロナウイルス感染症の流行が始まった2月から受注に変化が生じ、マスクをはじめとした衛生用品が全国的に品薄となりました。2月下旬の一斉休校を受け在宅時間が増えると、米などの買いだめの動きが広がり、その後、カップ麺、冷凍食品、パスタをはじめとした保存ができる商品の需要が多くなりました。4月の緊急事態宣言後は巣ごもり需要が増え、家で料理を楽しめるホットケーキミックスなどの商品が品薄となりました。

②店舗事業:コロナ禍の不安に配慮した様々な取り組みを全国の店舗で実施
 店舗事業では、コロナ禍での組合員の不安に配慮した様々な取り組みが全国で行われました。
 例えば、コープこうべでは「高齢者等専用お買い物時間」(右写真)を設定し、高齢者や障がい者、妊産婦など社会的配慮の必要な方が安心して買い物ができる取り組みを行いました。コープおおいたでは、移動店舗販売や買い物送迎車の取り組みを行い、買い物弱者への支援に取り組みました。さらに福井県民生協では、休校中のお子様がいるご家庭向けに「福井県民生協休校支援宅配弁当」を開始しました。

③Web加入数:3月~8月までの6カ月間の新規加入は56.2万人。現在も前年比2倍程度を維持
 コロナ禍でWeb加入数が急増しました。Web加入数は、4月度の緊急事態宣言発令後にピークを迎え、前年比804%となりました。5月以降は減少傾向にあるものの、前年比2倍程度の件数を維持しています。

  • ● 日本生協連:2020年上期(4~9月度)総供給高は2,260億円(前年比7%)。すべての事業で前年度を上回る
  •  日本生協連はコープ商品事業、キャロット事業、カタログ事業、ギフト事業のすべての事業で前年度を上回る結果となりました。
     コープ商品事業は特に冷凍食品、加工食品が好調となり、1,765億円(前年比114.0%)と伸長しました。NB商品を主とした日用雑貨の供給を行うキャロット事業供給高は、マスクや除菌関連商品のほか、児童書、紙芝居などが好調となり210億円(前年比127.5%)、衣料品や家庭用品などの供給を行うカタログ事業供給高は270億円(前年比117.7%)、ギフト事業供給高は17億円(前年比119.0%)と、通販事業の伸びが大きく貢献しました。

日本生協連 2020年上期(4月度~9月度)累計実績
日本生協連 総供給高  2,260億円(前年比115.7%)
コープ商品事業 供給高 1,765億円(前年比114.0%)
キャロット事業 供給高 210億円(前年比127.5%)
カタログ事業 供給高  270億円(前年比117.7%)
ギフト事業 供給高   17億円(前年比119.0%)

 

● デジタル変革を推進する「DX-CO・OPプロジェクト」を発足
 日本生協連は、2020年6月に採択した「2030年ビジョン」のひとつ、「生涯にわたる心ゆたかなくらし」に向けた具体的なテーマの中に、「ICTによる事業・活動でのデジタル変革の推進」を掲げています。

 日本生協連はこの取り組みを進めるため、「DX-CO・OPプロジェクト」を発足しました。本プロジェクトでは、2030年ビジョンとアフターデジタルの生協の姿を起点に、生協が今取り組むべき問題を明らかにし、デジタルと連帯の力で問題解決に臨みます。

 具体的には、全国の生協と事業が、共通に利用できる基盤を構築し、従来の事業の枠組みを超えた、アフターデジタルな価値の提供を目指します。