2021年4月13日 11:00

日本生協連 2020年度 業績発表 全国の地域生協の総供給高が3兆円の大台に

■全国の生協組合員数も2,996万人に。コロナ禍で生協の宅配利用が若年層に広がる ■生協の横断的な取り組み「DX-CO・OPプロジェクト」の検証が4月から順次3生協でスタート

 日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、代表理事会長:本田英一)は、2020年度の業績について取りまとめましたのでご報告します。また、日本生協連が2020年3月からコープ東北サンネット事業連合、コープデリ連合会、東海コープ事業連合と4者共同で組合員の新しいくらしの実現を目指す、生協の横断的な取り組み「DX-CO・OPプロジェクト」の進捗についてもあわせてご報告いたします。

地域生協:全国の地域生協の供給高が3兆683億円に。店舗、宅配ともに前年を超過

 日本生協連が全国120の地域生協の2020年度の供給高(売上高)をまとめたところ、総供給高は3兆683億円(前年比111.8%)となりました。宅配事業が2兆1,170億円(前年比114.9%)、店舗事業が9,513億円(前年比104.3%)と、いずれも前年超過となりました。

要因:コロナ禍で、週1回・決まった時間に届く、生協の宅配ならではの特徴が好意的に受け止められた
 これまでは50代以上の組合員が宅配利用の中心となっていましたが、宅配の新規利用者の年代の内訳を確認すると、6割以上が20代~30代の既婚者となり、コロナ禍で若年層に生協の利用が広がりました。
 週1回、決まった曜日・時間に届く生協の宅配が、予定を立てやすく、食材を計画的に利用できるメリットとして評価され、新規利用者の7割程度が、今後も生協の宅配利用を継続したいと回答しています。
 生協宅配は、食品だけでなく家庭用品から衣料品まで、生活に必要なあらゆるものを扱っていることが強みです。

※「生協・コープの宅配の利用に関するアンケート調査速報 https://jccu.coop/info/up_item/announcement_210209_01_02.pdf
/公益財団法人生協総合研究所(2021年2月1日発表)より調査結果を引用

日本生協連:2020年度(4~3月度)累計実績は4,397億円(前年比1%)に

 日本生協連はコープ商品事業、キャロット事業、カタログ事業、ギフト事業のすべての事業で前年を上回り、4,397億円(前年比112.1%)となりました。
 コープ商品事業は特に農畜産品、冷凍食品が伸長し、3,415億円(前年比109.9%)となりました。またNB商品を主とした家庭用品や消耗品の供給を行うキャロット事業供給高は在宅需要の傾向が継続し、家事調理・洗濯関連の日用品が伸長し405億円(前年比121.7%)、衣料品や家庭用品などの供給を行うカタログ事業供給高は556億円(119.9%)、ギフト事業供給高は35億円(前年比118.6%)となりました。

全国の生協組合員数が2,996万人に。地域生協のWeb加入は下期も前年比2倍を維持

 全国の生協組合員が前年比101.2%の2,996万人となりました。地域生協の2020年度世帯加入率は推計値で38.8%(前年比0.4ポイントアップ)です。
 地域生協のWeb加入数は下期も引き続き前年比約2倍の件数となっています。Web加入の年代内訳は、20代~40代が8割を占めており、これまでより若い世代が加入している特徴がみられました。

  • 「DX-CO・OPプロジェクト」進捗:4月から順次3生協で検証がスタート

  •  日本生協連は、コープ東北サンネット事業連合、コープデリ連合会、東海コープ事業連合と4者共同で組合員の新しいくらしの実現を目指す、生協の横断的な取り組み「DX-CO・OPプロジェクト」に2020年3月から取り組んでいます。

  •  本プロジェクトは、単なるシステムの開発導入にとどまらず、デジタルを活用した組合員の「あたらしいくらし」を実現し、同時に生協職員の働き方も変えていく取り組みです。今年2月に、3つのコンセプトと具体的施策を策定し、プロジェクトを本格始動しています。

     そして2021年4月からは、それぞれのコンセプトに紐づく具体的施策について、3つの連合会下での検証を開始します。これらの検証結果をもとに、成果が確認できた施策から順次、日本生協連を通じて全国の生協へ導入を進めていきます。

ご参考:2021年2月25日発表ニュースリリース
組合員の新しいくらしの実現を目指す、生協の横断的な取り組み「DX-CO・OPプロジェクト」本格始動
https://jccu.coop/info/newsrelease/2021/20210225_01.html

■「DX-CO・OPプロジェクト」のコンセプトに紐づく具体的施策の実証実験について

①レシピ注文の仕組み/2021年4月~みやぎ生協にて検証スタート
おすすめのレシピや一週間分の献立をAIが提案し、一括で必要な食材を注文できる仕組みを実現します。
※コンセプト1:「家族との豊かな関係構築を支援するパートナー」デジタル中心の生活者に向けた、あたらしいくらしの実現 に紐づく具体的施策の検証

②ID管理の仕組み/2021年7月~コープ東北にて実証実験スタート
世帯ごとではなく、個人ごとのID管理で、ひとりひとりに合ったサービス提供を実現する仕組みを作ります。
※コンセプト1:「家族との豊かな関係構築を支援するパートナー」デジタル中心の生活者に向けた、あたらしいくらしの実現 に紐づく具体的施策の検証

③配達コースを最適化する仕組み/2021年5・6月頃~コープあいちにて実証実験スタート
配達コースを最適化するシステムを実現することで、なるべく効率的な配達を行い、職員の負担を減らします。
※コンセプト3:「安心して生協のサービスを利用いただくためのサポーター」配達コースの最適化と組合員へのサービス品質向上 に紐づく具体的施策の検証