知れば知るほど欲しくなる。日本が誇るタンナーの世界

2019.11.18 09:00

長きにわたり、年齢性別をこえて愛される革製品。

その”素材”となる「革」をつくる職人たちがいることを知っているだろうか?

そもそも革を作る、とはどういうことなのか。

「皮」から「革」へ  ——

動物から採取した状態のものが「皮」、製品として使える状態に加工されたものが「革」。

生身の「皮」を職人の技を使い、新たな命を吹き込み「革」に変化させる。

その技術を持つ職人はタンナーと呼ばれる。

日本のタンナーならではの職人技

タンナーは「鞣し(なめし)」という技術を使い、「革」をつくりあげていく。

四季のある日本は、気温や湿度の変化が複雑で均一な品質の革づくりには厳しい環境。

日本のタンナーはその季節の変化をつぶさに感じ取り、繊細になめしを調整するという。

日本人ならではのきめ細やかな手仕事と感性、粘り強い探求心が、質の高い革づくりへとつながっている。

また、気温や湿度などにおいては厳しい環境におかれる日本の革づくりだが、日本の「水」は革づくりに良い影響を与える。

一枚をつくりあげるのに約2トンもの水を消費する必要があるそうだ。

含有鉱物の少ない日本の水は「軟水」で、彩色の際にも余計な化学反応がおこりにくく美しい発色を生む。

清らかな水が豊富にある環境とタンナーの技術が交わり、日本ならではの職人技がうまれているのかもしれない。

世界に誇るジャパンレザー

そんな日本のタンナーたちが作る革を証明するためのタグがある。

「ジャパン・レザー・プライド・タグ」だ。

日本で作り上げた革の証であると同時に、日本が誇る技術をアピールすることができる。

 

また、日本が世界に誇る技術で仕上げたこの革を、実際に触ることができるイベントがある。

全国の百貨店などで順次開催中の「日本革市」だ。

素材としての「革」の展示もあり、重さや肌触り、色合いなどをじっくり見ることができる。

私たちは実際には革製品として目にすることが多いが、ジャパン・レザー・プライド・タグを探したり、

タンナーに思いをはせながら革製品を選ぶのも、新たな革の楽しみ方になるかもしれない。

日本革市:https://www.kawa-ichi.jp/index.html

提供:一般社団法人タンナーズ協会