「フィジカルインターネット実現会議・化学品ワーキンググループ」が共同鉄道輸送を実証、同一コンテナでの往復・連続運行の可能性を確認

 経済産業省・国土交通省が主導する「フィジカルインターネット実現会議」内に設置されている
「化学品ワーキンググループ」(座長:流通経済大学 矢野裕児教授)は、2025 年 8 月から 2026 年 1月の期間で東海・中国地区における鉄道輸送による共同物流実現に向けた実証実験を行い、同一コンテナを用いた往復の連続運行が可能であることを確認しました。あわせて、モーダルシフトにより CO₂排出量 57%削減などの顕著な効果を確認することができました。

 「化学品ワーキンググループ」には、現在、荷主事業者、物流事業者を中心とする 81 企業・1 大学、日本化学工業協会、石油化学工業協会、経済産業省・国土交通省の関連各部署等が参加しており、三菱ケミカル株式会社は、三井化学株式会社、東ソー株式会社および東レ株式会社とともに事務局を務めています。
詳細につきましては、添付資料をご参照ください。

■ご参考
2026 年 2 月 19 日付「フィジカルインターネット実現会議・化学品ワーキンググループ」がパレチゼーション推進(パレット積み輸送)に関わるガイドライン作成に着手 https://www.mcgc.com/news_release/pdf/02560/02802.pdf

2025 年 7 月 29 日付 化学業界における物流の課題解決に向け、東海・中国地区での鉄道輸送による共同物流の実証実験を開始
https://www.mcgc.com/news_release/pdf/02406/02660.pdf

2025 年 6 月 25 日付「フィジカルインターネット実現会議・化学品ワーキンググループ」が 2025
年度の活動方針を報告
https://www.mcgc.com/news_release/pdf/02353/02628.pdf

2024 年 12 月 23 日付「フィジカルインターネット実現会議・化学品ワーキンググループ」による共同物流の実証実験結果について~共同物流の実証実験による効果を確認、DX を用いた共同物流プラットフォームを構築~
https://www.mcgc.com/news_release/pdf/02156/02457.pdf

2024 年 6 月 11 日付「フィジカルインターネット実現会議・化学品ワーキンググループ」による関東・東海地区での共同物流の実証実験開始について https://www.mcgc.com/news_release/pdf/01978/02288.pdf

2023 年 12 月 20 日付「フィジカルインターネット実現会議・化学品ワーキンググループ」によ
る「物流の 2024 年問題」に対する自主行動計画の発表について
https://www.mcgc.com/news_release/pdf/01804/02089.pdf

2023 年 6 月 13 日付「フィジカルインターネット実現会議」における「化学品 WG」の設置につ
いて~“2024 年問題“に向けて化学業界の共同物流を加速~
https://www.mcgc.com/news_release/pdf/01619/01862.pdf

以上

お問合せ先
三菱ケミカル株式会社
コーポレートコミュニケーション部 メディアリレーショングループ
TEL:03-6748-7140

共同鉄道輸送を実証、同一コンテナでの往復・連続運行の可能性を確認
~モーダルシフトによる CO₂排出量 57%削減、ドライバー拘束時間の大幅削減を実現~

 
 経済産業省・国土交通省が主導する「フィジカルインターネット実現会議」※1 内の「化学品ワーキンググループ」※2では、「物流の 2024 年問題」を象徴する物流の輸送・保管能力不足等、個社では解決が困難な物流課題に対し、化学品ワーキンググループ参加企業と共に化学業界全体で取り組んでおります。
 今回、化学品ワーキンググループ内の三菱ケミカル、東ソー、三井化学、JR貨物、日本通運は、モーダルシフトによる化学品の輸送能力向上のため東海・中国地区における鉄道輸送による共同物流実現に向けた実証実験を、 2025 年 8 月から 2026 年 1 月にかけて、愛知県名古屋市~広島県広島市・大竹市の貨物駅を中継地点として実施いたしました。複数荷主による共同鉄道輸送の実現可能性を検証した結果、同一コンテナを用いた往復の連続運行が可能であることを確認しました。あわせて、モーダルシフトにより CO₂排出量 57%削減などの顕著な効果を確認することができました。


スキーム概要図

■ 実証実験の概要
<実施期間>
2025 年 8 月から 2026 年 1 月まで
<取り組み概要>
◇単発トライアル
作業面・運用面の課題確認のため各社の各輸送ルートを単独で運行しました。
◇ラウンドトライアル
同一コンテナを用いて各社の輸送ルートを連続で往復運行しました。
◇机上検証
実務への織り込みを想定した業務フローや代替輸送への切替を含む判断基準の作成、過去実績から輸送カレンダーを作成し、最適な輸送スケジュールを確認しました。

■ 実証実験の成果と課題
1. 化学品業界で前例のない、複数荷主・複数物流事業者間での共同鉄道輸送の実現可能性の検証荷主 3 社で同一コンテナを利用して往復輸送を連続運行できることが確認できました。
2. 鉄道輸送によるモーダルシフト効果の定量的評価

KPI

効果

CO₂排出量

57%削減

トラック輸送距離削減

74%削減

トラックドライバー拘束時間削減

64%削減

3.31 フィートコンテナを使用した共同物流の標準スキーム構築に向けた課題抽出
実務への落とし込みを見据え、実地輸送と机上検証を組み合わせ実施することで、輸送遅延等のイレギュラー対応も想定した標準的なスキームを構築できました。一方で、これらスキームの実装に向けてはいくつかの課題があることも明らかになりました。
1)31 フィートコンテナで貨物を輸送する場合、使用できる貨物駅の立地制約によりドレージ距離(大型トレーラーによる貨物駅から納入先までの陸上輸送)が長くなってしまい、鉄道輸送のメリット(定量的効果)を十分に受けることができませんでした。したがって、31 フィートコンテナを取り扱える貨物駅を基点としたスキーム作りが課題となります。
2)汎用の 12 フィートコンテナと異なり、31 フィートコンテナは私有の位置づけであるため、往復での使用が前提となっています。コンテナの稼働率を高く保つためには、往復の安定した貨物の確保が必須条件になります。この枠組みづくりが課題となります。適当な貨物を探すことに加えて、貨物量の平準化や物流条件の緩和など荷主側における複合的な取組が課題となります。

■ 今後の予定
上記に掲げた 2 つの課題に対する取組として、以下の検討を進める予定です。
1)31 フィートコンテナの取扱いが可能な貨物駅が限定されているため、20 フィートコンテナの選択肢を増やしてスキームの検討を続けます。
2)業界内外に拘らず、各種マッチングサービス等を通じて復路貨物の確保を進めていきます。
化学品ワーキンググループは、2023 年 12 月に公表した自主行動計画に従い、アクションプランの実行を進めていきます。政府が進めている物流革新の各施策や新モーダルシフト構想を念頭に、持続可能な物流モデルの構築を目指すことで、日本の化学産業のサステナビリティに貢献していきます。
※1 フィジカルインターネット実現会議
日本におけるフィジカルインターネットの実現に向けたロードマップを策定することを目的に、2021 年 10 月に経済産業省と国土交通省によって設置された組織。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/physical_internet/index.html

※2 化学品ワーキンググループ
座長:流通経済大学矢野裕児教授/事務局:三菱ケミカル、三井化学、東ソー、東レ
荷主事業者、物流事業者を中心とする参加 87 団体(86 企業・1 大学、2026 年 2 月末時点)、一般社団法人日本化学工業協会、石油化学工業協会、経済産業省・国土交通省の関連各部署等が参画。
2023 年 12 月 20 日発表:化学品に関する物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/jk_pdf/28.pdf

■ご参考
2025 年 7 月 29 日付 化学業界における物流の課題解決に向け、東海・中国地区での鉄道輸送による共同物流の実証実験を開始
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2025/2025_0729/index.html