地元愛が育んだスイーツの街・熊本県水俣市|特産のみなまた和紅茶と共にたのしむスイーツの魅力をご紹介

- スイーツ巡りの合間に開湯100周年の「湯の児温泉」で癒しの旅へ -

 熊本県の県南に位置し、穏やかな不知火海(しらぬいかい)を臨む水俣市。豊かな自然と歴史を持つこの街の隠れた魅力は、地元愛と熱意が生んだ「スイーツのまち」としての側面です。
 水俣では、平成20年(2008年)に「スウィーツのまち水俣実行委員会」が発足して以来、ライバルである菓子店同士が手を取り合い、地元食材を生かした新商品開発や、イベントを通じた賑わい創出に取り組んできました。
この取り組みによって、水俣は県内でも「スイーツ」がイメージされる街へと進化を遂げ、訪れる人々を甘く温かく迎えています。

 

本ニュースレターでは、そのスイーツの取り組みの背景と、スイーツのお供にぴったりの特産「みなまた和紅茶」、そして開湯100周年を迎えた「湯の児温泉」の癒やしの魅力をご紹介します。

「スイーツの街」誕生の背景と取り組み内容について

 <取り組みに至る背景・目的>

 この活動は、平成19年に水俣市役所の若手職員による自主研究グループ「勝手にまちづくり委員会」が、新たなまちおこしを模索する中で、市内に多数存在する和洋菓子店に着目したことから始まりました。この気づきから、すぐに市内の菓子店経営者へ「水俣市のお菓子をみんなでPRしましょう」と呼びかけ、組織やジャンルを超えた横の連携がスタートしました。

 <取り組みの具体的内容と成果>

 連携を深めた実行委員会は、これまでにない交流を通じて、各店舗の魅力を再認識する「お店のあるものさがし」を実施。高校生も参加して絵地図を作成するなど、地域を巻き込んだ活動を展開しました。
 イベントとしては地元の特産である和紅茶のイベント「九州和紅茶サミット」でのスイーツ提供など、街の活性化にも貢献しています。
 これにより、これまでライバルだった店同士がお互いを紹介しあい、お客様が街を回遊するようになり、「スイーツによって人がつながり、地域がにぎわい、経済も活性化」するという好循環を生み出しました。

<地産地消へのこだわり>

 さらに、スイーツの食材の一部を、地元でとれる生産者の顔の見える安心安全な食材に代え、地元の新しい食材を使った新商品開発にも積極的に取り組んでいます。これは、地域の魅力を高め、地産地消を推進する大切な工夫です。

おすすめ店舗/スイーツ紹介

地元の菓子店経営者の熱い想いが詰まったスイーツの中から、市の担当者が特におすすめする逸品をご紹介します。

鬼塚日昭堂   

                 

カリッとした外側の生地と、しっとりとしたこしあんの2種類の食感が楽しめる「かりんとう饅頭」は、水俣スウィーツの中でも人気の高いお菓子です。また、やわらかいお餅とこだわりのクリームの相性が絶妙な「生クリーム大福」(1個170円・税込)も人気。地域に根差したお店にしたいという思いで作られるお菓子は、和洋問わず、地元の方々に長く愛され続けています。

所在地:熊本県水俣市百間2丁目1-6
営業時間:月曜~土曜 8:00~19:00、日曜・祝日 8:00~18:30
定休日:不定期
電話番号:0966-62-2611

SWEET SHOPみむら
 

創業100年を超えて、地元・水俣で愛され続ける老舗洋菓子店。看板商品のシュークリームは全12種を揃え、王道のカスタードから薔薇の香りが広がる個性派まで、多彩なラインナップが魅力です。また、水俣銘菓の「白亀伝説」や自然薯を使った風味豊かなかるかん、バターの香りが際立つアップルパイなど、どの商品も素材へのこだわりと丁寧な手仕事が息づいています。

所在地:熊本県水俣市大黒町1丁目1-1
営業時間: 9:00~19:00
定休日:不定休
電話番号:0966-63-2275

モンブランフジヤ

地域の生産者とともに、季節の恵みを生かしたスイーツを届ける水俣市の洋菓子店。全20種を超える生ドーナツをはじめ、マロンパイやバラジャムなど、県産素材にこだわった優しい味わいの商品が並びます。中でも人気の「みなまたちーず」は、国産クリームチーズに新鮮卵、阿蘇産ジャージー低温殺菌牛乳を合わせて焼き上げた一口サイズのチーズケーキ。ふんわりと溶けるような口どけが特長です。

所在地:熊本県水俣市大黒町1-3-10
営業時間: 10:00~19:00(ただし、店休日前日は、18:00まで)定休日:月曜定休日(月曜が、祝日のときは、火曜が店休日)
電話番号:0966-63-1179

蜂楽饅頭 水俣店

熊本県民なら誰もが知っているスイーツ。その発祥が、水俣だと知っている人は少ないかもしれません。また、餡子も黒と白があり、人気を二分します。小豆の風味と深みのある甘さが楽しめる黒となめらかクリーミーで上品な甘さの白。年代問わず愛されるご当地スイーツです。

所在地:熊本県水俣市旭町2丁目1-1
営業時間:9:00~17:30
定休日:火曜日
電話番号:0966-63-2673

 

スイーツのお供に欠かせない『みなまた和紅茶』

水俣のスイーツの味わいをさらに引き立てるのが、この地で大切に育まれている特産の和紅茶です。
水俣・芦北地域におけるお茶の歴史は古く、明治時代から栽培されてきたといわれています。紅茶作りも盛んで、海外の紅茶と比べて渋みが少なく優しい甘さの紅茶は、『みなまた和紅茶』と呼ばれています。

<「和紅茶」とは>

和紅茶は、日本で育った茶の木を使い、日本で紅茶に加工された国産の紅茶のことです。全国の緑茶の産地で作られており、約8割が緑茶の品種で作られているのが特徴です。そのため、渋みが少なく、和食や和菓子にもよく合います。

水俣・芦北地域雇用創造協議会提供

 

<みなまた和紅茶の特長>

「みなまた和紅茶」には、この地域ならではの特別なこだわりがあります。
・環境への配慮:農薬や肥料をできるだけ使わない栽培方法に取り組む茶農家が多く、環境に負荷をかけないやさしいお茶づくりに取り組んでいます。
・希少な茶葉:茶葉は昔ながらの希少な在来種でつくられているものが多く、樹齢90年以上の茶の木も大切に育てられています。
・独特の風味:茶畑は山間地で傾斜が多く、海岸近くの爽やかさと山間地域独特の香りを兼ね備えた、温暖な気候を生かしたお茶を味わうことができます。

この上品な味わいと香りが、水俣の和洋スイーツの甘さを邪魔することなく、贅沢に引き立てます。
みなまた和紅茶HP:https://www.minamata-wakoucha.jp/wakocuha

スイーツの街を巡る旅で「押さえておきたいスポット」

 スイーツと特産品を探すなら「道の駅みなまた」

水俣の魅力を一度に味わいたいなら、まず訪れたいのが「道の駅みなまた」。地元で人気の洋菓子や和菓子、そして水俣特産の「和紅茶」など、お土産にぴったりの商品が一堂に会する、”美味しい”を探す拠点として最適です。 

 

道の駅みなまた

環境と健康をテーマにした「エコパーク水俣」内にあり、春と秋には美しいバラ園が楽しめます。メイン施設「Shop&Cafeミナマータ」は、水俣・芦北エリアの「良いもの」を集めたセレクトショップです。カフェでは、特製スイーツやみなまた和紅茶などを味わえるほか、家族で楽しめる「木のおもちゃ館きらら」など、スポットが満載です。

所在地:熊本県水俣市月浦54-162 エコパーク水俣内
営業時間: 9:00~17:00/定休日:毎週第1水曜日、12月31日
電話番号:0966-62-2003


■スイーツ巡りの疲れを癒やす「湯の児温泉」

甘いものを堪能した後は、水俣のもう一つの魅力、美しい不知火海(しらぬいかい)の絶景を望む「湯の児温泉」で旅の疲れを癒やしましょう。

歴史と名の由来>

湯の児温泉は、風光明美なリアス式海岸が続く芦北海岸県立公園内に位置しています。
その歴史は古く、約1900年前、景行天皇の九州平定の折に発見されたという伝説があります。海岸に湧き出るぬるい湯を指して「まだ湯の子(児)じゃ」と言われたことが、そのまま名の由来となりました。本格的な温泉郷として発展したのは、大正15年(1926年)に50度を超える温泉掘削に成功してからで、2025年8月24日をもって開湯100周年を迎えた歴史ある温泉地です。

泉質と効能>

湯の児温泉の泉質は含食塩重曹泉です。塩分と重曹成分をバランス良く含むこの温泉は、湯冷めしにくい上、肌を滑らかにする効果も期待できます。主な効能として、リューマチや神経痛などにも効果があると言われ、現在、温泉街には8軒ほどの旅館や温泉施設があり、静かで穏やかな海を眺めながら、心身ともにリフレッシュできます。

熊本県では、開湯100周年の湯の児温泉をはじめとする10スポットを巡る「くまモンと温泉めぐり デジタルスタンプラリー」を現在開催しています。
特設サイト:https://sites.google.com/view/kumamon-onsen-stamp/