見えないAI活用:企業がAI利用を推奨する一方、トレーニング不足による従業員の「隠れたAI利用」が存在

現代の業務においてAIが急速に普及する中、活用促進につながる指針やトレーニングが十分に提供されていない実態が調査で明らかに

ワークフォース・アジリティ(組織の即応性)におけるソリューションのリーダー企業であるコーナーストーンオンデマンド(以下コーナーストーン)は、業務におけるAIの利用実態と、従業員がその利用をどの程度周囲に共有しているかを調査した結果を発表しました。

ワークフォース・アジリティ(組織の即応性)におけるソリューションのリーダー企業であるコーナーストーンオンデマンド(以下コーナーストーン)は、業務におけるAIの利用実態と、従業員がその利用をどの程度周囲に共有しているかを調査した結果を発表しました。主な結果によると、AIが現代の業務にとって不可欠な存在となりつつあり(米国と英国では従業員の約80%がAIを利用)、その多くが「静かに」使われていることが分かりました。

従業員の多くが、AI利用について開示したくないと回答しています。米国では57%、英国では51%の従業員が、上司や同僚にAIを使っていることを伝えることに消極的であり、上位の役職者とAI利用について話す米国の従業員は54%にとどまりました。この「AI沈黙」は、気まずさや恥ずかしさ、失業の不安だけが原因ではありません。米国では76%、英国では38%の従業員が、業務におけるAI利用について「気まずく感じたことはない」と回答しています。いずれの国の従業員も、AI利用については一定の組織的な後押しを感じており、米国では64%、英国では62%の従業員が業務におけるAI活用を「おおむね推奨されている」と回答しています。

AI利用を公にしない大きな要因として調査結果で示されたのは、「トレーニングや指針が広範囲にわたって不足していること」でした。米国でAIトレーニングやAIツールを提供されたことがあると回答した従業員は44%にとどまり、トレーニングが頻繁に提供されていると答えたのはわずか16%でした。英国ではトレーニングをまったく、またはほとんど受けたことがない従業員が51%でした。従業員は、組織にもっと明確な方向性を示してほしいと回答しています。米国では65%の従業員がAIスキルや自信を構築するためのトレーニングを求めており、英国でも65%がAIトレーニングを求めています。

コーナーストーンの戦略イニシアチブ担当副社長マイク・ボリンジャー(Mike Bollinger)は次のように述べています。「組織も個人もAIによる効率化のメリットを活かしたいと考えていますが、AIツールに重点的に投資するだけでは解決策になりません。うまく導入するためにはトレーニングやガバナンス体制が欠かせないからです。今回の調査では、従業員が特にAIに関するトレーニングを求めていることが示されましたが、AIトレーニングは従業員のあいだで公平に提供されておらず、その機会がどの従業員に提供されているかには明らかな偏りがあります。また、企業としてどのようにAI利用をガイドし、どの層にどのトレーニングを提供すべきかという全社的な方針や整合性も不足していることが明らかになりました」

本調査の主な結果は以下のとおりです。

・平均にして約73%のAI利用者が、AIを利用していることを必ずしも上司や同僚に話していない。AI利用が広がる一方で、その実態は共有されにくい状況が浮き彫りに。
・業務におけるAI利用を「頻繁に推奨されている」または「常に推奨されている」と回答した従業員は33%にとどまった。AI利用を促す取り組みが、従業員からは十分に認識されていない。
・英国ではAIトレーニングやAIツールを提供されたことがない、またはほとんど提供されていない従業員は51%で、常に提供されている従業員はわずか8%である。米国では業務におけるAI利用を推奨されている従業員のうち、33%が利用を支援するトレーニングを提供されていないと回答した。米国・英国ともに、AI利用は推奨されつつある一方で、必要なトレーニングやツールの提供が十分ではなく、AI教育の機会に大きな不均衡が生じている。
・英国では年収によるトレーニング格差が存在し、AIトレーニングを常に、または頻繁に提供されていると回答した従業員は、年収15,000ポンド以下では16%であったのに対し、年収55,001ポンド以上では47%だった。年収によってAI教育機会に大きな差が存在している。

  • コーナーストーンではお客様の社内人財のAIスキル向上を支援しています。詳しくは、Cornerstone Galaxyの詳細と合わせ、以下をご覧ください。https://www.cornerstoneondemand.com/jp/platform/
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この調査について
米国での調査は、米国を拠点とする18歳以上の一般消費者1,000名を対象とし、Dynataにより2025年10月に実施されました。回答者は雇用状況により分類し、さまざまな年齢層、性別、既婚/未婚、子供の有無、世帯年収で分析されています。英国での調査は、英国の従業員2,000名を対象とし、Censuswideにより2025年10月に実施されました。CensuswideはMarket Research Society(MRS)の規約を遵守し、MRS会員を雇用しているほか、MRSの行動規範およびESOMARの原則に従って調査を行っています。また、British Polling Councilの会員でもあります。

コーナーストーンについて
コーナーストーンは、変化する世界で成功するために、組織と従業員のポテンシャルを最大限に引き出します。AI搭載のプラットフォームであり、組織が必要としているワークフォース・アジリティ(組織の即応性)を実現するCornerstone Galaxyは、組織がスキルギャップや能力開発の機会を特定し、優秀な人財を引き付けると共にエンゲージメントを高め、現代の組織における多様なニーズに応える多面的な学習体験を提供します。世界180カ国以上、7,000を超える組織と1億4,000万人以上のユーザーが、Cornerstone Galaxyを利用して、ハイパフォーマンスで未来に対応できる組織と能力構築を進めています。