日本初の透析の仕組みが 2024年度グッドデザイン・ベスト100および、 グッドフォーカス賞〔新ビジネスデザイン〕に選出
~患者が主体の透析の仕組みで透析患者のストレスを払拭しQOL(生活の質)向上に寄与~
2024.10.16 13:30
日本初の、患者が主体となる透析の仕組みである「セルフ透析システム」は、透析患者の生活を前向きに一変させた新たな透析の選択肢となっています。
alba lab株式会社(東京都北区, 代表取締役 櫻堂 渉)が開発した「セルフ透析システム」が、このたび2024年度グッドデザイン・ベスト100(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)に選出されました。
現在全国の透析患者は約35万人存在します。セルフ透析システムは、透析患者のかかえるストレス(別添え資料)を軽減させ、透析患者のQOL(生活の質)向上を目的に開発されました。利用者の生活を前向きに一変させた新たな透析の選択肢となっています。
今回の受賞が、医療の仕組みとしてグッドデザイン賞の特別賞を受賞できたことは画期的なことであると捉えております。
□ 名称:セルフ透析システム(しくみ)
□ 概要:従来の透析医療の制約によるストレスで悩み、介助なしで通院できる透析患者を対象とした透析医療の仕組み。主に柔軟な透析スケジュール、透析中の心理的安全性の確保、個々に併せた十分量の透析量の確保で患者の体調改善を実現しました。透析が理由でやりたいことを諦めない人生を送るために導入され透析患者の社会活動をサポートしています。
セルフ透析開発者の想い動画
セルフ透析プロデューサー 櫻堂 渉とは (youtube.com)
□ グッドデザイン賞審査委員による評価コメント(全文)
医師主導に偏った透析環境に疑問を抱き、改善すべき課題として捉え、高いレベルで解決した実行力が評価された。優れたシステムの導入により、柔軟な時間調整が可能となり、就労機会の増加や、透析時間を自ら調整することによる健康状態の向上が実現している。また、プライバシーを考慮した、病床感を払拭した書斎のような空間は、透析時間を仕事や趣味に有効活用できるため、患者のストレスを大幅に軽減し、QOL(生活の質)の向上に大きく貢献している。さらに、このシステムは患者に限らず、病院の人的リソースの節約や、医療コストの削減に寄与している点も見逃せない。
□2024年度グッドデザイン賞について
審査対象数:5,773件
グッドデザイン賞受賞数:1,579件
グッドフォーカス賞〔新ビジネスデザイン〕選出数:3件
- 2024年度グッドデザイン賞受賞ギャラリー -
https://www.g-mark.org/gallery/winners
□グッドデザイン・ベスト100とは
その年のすべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で総合的に優れているとして高い評価を受けた 100 点です。
□グッドフォーカス賞〔新ビジネスデザイン〕(経済産業省 商務・サービス審議官賞)とは
2024年度に選ばれたすべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で新たなビジネスモデルや新産業の創出、イノベーションの促進に寄与する優れたデザインとして特に認めるものです。
医療施設で患者さんご自身で透析を行う治療法です。透析を行うための知識習得を含む特別なトレーニングを行います。
【従来の透析とセルフ透析の違いとメリット】
セルフ透析は、QOL(生活の質)を向上する透析の新たな選択肢です。十分な透析量を確保して健康状態の改善、透析中の自由な時間の使い方、ライフスタイルに合せた透析スケジュール管理を可能にしました。
※HDPマネジメント・・・米国スタンフォード大学卒スクリブナー医師が開発した。
透析時間x(透析時間)²=HDP score ≧ 72を目指す事で生命予後が改善する方法。通常の血液透析(週3回4時間)ではHDPスコアが36と、目標(72以上)の50%しか到達しないため、透析時間を伸ばすか透析回数を増やすことで、目標を達成することができる。この考え方は、長時間透析や日本透析医学会のガイドラインの基礎となっている理論である。
【実際にセルフ透析システムを利用する患者さんの声】
なにより普通に生活が送ることができるようになったことがとても嬉しいです。(M.Oさん 女性)
正直、従来の透析を受けているときは、このままだったら死んだ方がマシだと思って
いました。セルフ透析をする前の生活は、寝て過ごすことが大半でしたので。
「自分は身障者だけど、病人ではない」と思うことができています。(K.Kさん 男性)
従来の透析を受けているときは、寝てテレビを見ることしかできなかったので、ベッドにくくりつけられている心境でした。
セルフ透析にたどり着いた今は、透析をしている時間以外、健常者とほとんど変わらない生活ができています。
【今後の展開】
・賛同した企業や団体との協業や、コラボレーションを通じてセルフ透析システムを普及
・2025年、東京都内に国内2施設目となるセルフ透析施設を増設計画中