ボルグワーナー、長城汽車とのデュアルインバーター分野での協業を拡大

• 長城汽車から新たに2件のデュアルインバータープロジェクトを受注
• デュアルインバーターは、高度に一体化された設計が特徴
• 柔軟なアーキテクチャにより、多様なハイブリッド用途に対応可能

革新的で持続可能なモビリティソリューションを提供するグローバル製品リーダーのボルグワーナー(NYSE:BWA/本社:アメリカ合衆国ミシガン州アーバンヒルズ、社長兼最高経営責任者:ジョセフ・ファドゥール/Joseph Fadool)は、長城汽車(グレートウォールモーター)との電動パワートレイン分野における協業をさらに強化します。これまでに発表された2件のデュアルインバータープロジェクトに加え、今回新たに2件を受注し、2026年の量産開始を予定しています。

ボルグワーナーのデュアルインバーターは、高度に一体化された設計を採用しており、1つのコントローラーで2つのモーターを同期制御・駆動することが可能です。これにより、パッケージングの自由度と組み付けの容易さが大幅に向上します。この独自のパッケージ技術を活用することで、コンパクトな構造に異なる出力モジュールを組み込むことが可能となり、重量およびコストの両面で削減を実現しています。

また、このデュアルインバーター技術の先進性は、両面冷却構造を採用したパワーモジュール設計にも表れています。このモジュールには最新世代のヴァイパー(Viper)パワースイッチが採用されており、片面冷却方式と比較して最大50%の熱抵抗低減を実現しています。これにより、電力密度が大幅に向上しています。さらに、この技術では同一サイズのモジュール内に異なる種類の半導体ダイを搭載可能なため、厳格化が進む中国のCLTC(China Light-duty Vehicle Test Cycle)効率基準にも対応できます。また、バッテリーのアダプティブ電圧制御により、モーターの定出力範囲および高効率運転領域を大幅に拡大し、システム全体の効率向上を実現しています。

さらに、ボルグワーナーのデュアルインバーターはプラットフォームベースの設計を採用しており、幅広いハイブリッド車に対応しています。今回新たに受注した2件のプロジェクトのうち、ハイブリッド車(HEV)向けデュアルインバーターにはDC/DCコンバーターが一体化されており、昇圧モジュールの追加も選択可能です。一方、プラグインハイブリッド車(PHEV)向けデュアルインバーターでは、昇圧モジュールとDC/DCコンバーターを省略しています。このような柔軟かつモジュール化された設計アプローチにより、顧客は製品の改良サイクルを短縮できるだけでなく、開発および設計コストを大幅に削減することが可能となります。

ボルグワーナーの副社長兼パワードライブシステム事業本部長のステファン・デメール博士は、「ボルグワーナーの電動化およびデュアルインバーター製品に関する技術的専門性が、長城汽車から継続的な信頼を得ています。今回の協業拡大は、当社の製品と技術が高く評価されている証であるとともに、お客様の新エネルギー戦略を支援するという当社の強いコミットメントを示すものです。長城汽車の電動車両ラインアップ拡充を加速させるため、当社は引き続き尽力してまいります」と述べています。

ボルグワーナーについて
ボルグワーナーは、130年以上にわたり、モビリティのイノベーションを成功に導く、変革的なグローバル製品リーダーであり続けています。すべての人にとってよりクリーンで健康的、かつ安全な未来を築くために、世界のeモビリティへの移行を加速させています。
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