これからの車内インフォテイメントのスタンダード 「DA (ディスプレイ オーディオ)」を実現する半導体の力

 


■カーナビからDAへ

 いま、DA (ディスプレイ オーディオ) が注目を集めています 。ご存知のように、DAはスマートフォンと連携する車内インフォテイメント システムです。スマートフォンに入っている個人情報を活かして、車内でシームレスにエンターテインメントが楽しめるという特徴は、カーシェアリングが進むトレンドにもマッチしていますから、ますますDAが増える傾向にあります。従来のカーナビゲーション システムからシフトするというのがトレンドです。グローバル市場でのディスプレイ サイズは5〜7インチ級がトレンドですが、10インチクラスの大画面も増えています。DAにシフトすることで、これまでのカーナビゲーション システムに比べて、ユーザーの金銭的な負担は軽くなりますし、ナビゲーションとしても最新のマップデータが使えるなどメリットが多く、すでに欧州や北米ではクルマのヘッドユニットとしてDAが主流になっています。

 

■無線通信ファームウェア アップデートも可能なDAのシステム制御を司るマイコン

 DAというのは単にスマートフォンの画面を映しているだけのシステムではありません。DAが車内インフォテイメントとして機能するためには、そのシステムを動かすメインのマイコンが必要です。我が社のTraveo™/Traveo II Cluster MCUファミリは多くのDAで採用されています。このマイコンでスマートフォンとの接続やディスプレイ出力のシステム コントローラーとして動作できることが評価を受けている理由と考えています。大きなディスプレイ表示には専用コントローラーが必要となりますが、その場合もTraveo II Body MCUファミリで対応可能です。
 また、DAにおいてはマイコンのアップデートも重要なファクターとなります。スマートフォンのOSアップデートに対応して接続性を維持するためには、マイコン側ファームウェアのアップデートも必須です。Traveo/Traveo II Cluster MCUファミリにおいては出荷時に最新ファームウェアとなるようにしていますが、出荷後のアップデートにも対応することが可能です。車載の通信機能を利用したFOTA (Firmware Over The Air) と呼ばれる無線アップデートにも対応できるよう設計してあります。


■​車載ディスプレイならではの技術で実現するスマホライクなタッチ「フォース&ホバー」

 さて、DAについて我が社が貢献しているのはシステム制御を担当するマイコンだけではありません。ユーザー インターフェースの基本となるタッチパネル コントローラーや、スマートフォンと接続するインターフェースでも大きなシェアを持っています。
 まずはタッチパネルからご説明しましょう。
 DAではこれまで以上にスマートフォン ライクな操作感が求められています。そこでポイントになるのはフォース (押し込む操作) とホバー (指を浮かした操作) への対応です。我々の提供するタッチパネル コントローラー、Automotive TrueTouch®はこうした操作をワンチップで実現します。さらに画面の振動などのフィードバック機能も実装可能です。しかしスマートフォンと同じ手法を取っているわけではありません。車載機器というのは温度やノイズといった面で厳しい環境に置かれていますし、画面サイズもスマートフォンより大きくなります。そのため車載ディスプレイならではのノウハウが必要となります。さらにクルマではグローブをしたまま運転することもありますが、そうした状態でもしっかりとタッチパネルが操作できるよう感度を上げるなどの工夫をしています。DAなど車内で使うタッチパネルには特有のアプローチが必要なのです。そうした部分も評価され、車載用タッチパネル コントローラーでは我が社の世界シェアは50%に達しています。

■車とスマホとの接続、インターネットのアクセスにも欠かせない車内Wi-Fi技術

 続いて、DAとスマートフォンの接続についてお話します。
 現在はUSBケーブルによってDAとスマートフォンをつなぐというイメージをお持ちだと思います。我々としても最新のUSB Type-Cに対応した基盤を用意していますが、第二世代のApple® CarPlay®などはWi-Fiによる接続が主流になるといわれています。そうした次世代の接続に対応するソリューションとして、我が社ではワイヤレス接続を可能にするチップを用意しています。そのキーワードは「RSDB(Real Simultaneous Dual Band)」です。2.4GHzのWi-Fiと5GHz帯のWi-Fiを同時に使うことでストレスなくリッチ コンテンツを流すことができます。このカテゴリーにおいて、我が社のコンボチップ「CYW89359」のシェアは広がっています。2020年には50~60%のシェアを占めると予測しています。
 車内エンターテイメントにおいてWi-Fiの活躍はスマートフォンとDAの接続だけではありません。リアシート用のエンターテインメント装置(大型ディスプレイ)の映像もWi-Fiで送っているケースがありますし、バックカメラなどの映像もWi-Fiを使うというアイデアは生まれています。また、車内をホットスポットとすることでドライバー以外の乗員はスマートフォンやタブレットでのインターネットアクセスに利用することが可能になります。
 将来的には車両同士がWi-Fiで通信し合う時代がやってくるとも予想されています。そうしたWi-Fi時代においても我が社のソリューションは自動車社会に貢献できると考えています。

 このように最新トレンドであるDAをサイプレスのテクノロジーが支えています。ご関心のあるメディアの方には、もっと詳しく説明いたします。是非ご連絡ください。

 

□サイプレスについて

サイプレスは、車載や産業機器、スマート家電、民生機器および医療機器など世界的な革新的製品向けに、最先端の組み込みシステムソリューションを提供するリーディングカンパニーです。サイプレスのマイクロコントローラーや、アナログIC、ワイヤレスおよびUSBベースのコネクティビティソリューション、高い信頼性と高性能を提供するメモリ製品は、各種機器メーカーの差異化製品の開発と早期市場参入を支援します。サイプレスは、ベストクラスのサポートと開発リソースをグローバルに提供し、ユーザー企業が従来市場を破壊する新しい製品カテゴリを歴史的なスピードで市場投入できるよう支援します。詳細はサイプレスのウェブサイト (japan.cypress.com) をご覧ください。

 

田子 (たご おさむ)

サイプレス セミコンダクタ 自動車事業部 マーケティング部 シニアマネージャー

 

□サイプレス についての詳細

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