【しまねの観光案内書】秋の島根は楽しさ目白押し!伝統芸能「石見神楽」で、神話の世界に浸ってみませんか?

島根県では、「美肌」「歴史・文化」「自然」「伝統芸能」などの魅力や最新情報を発信しています。「し まねの観光案内書-秋編-」では、秋の観光にぴったりな情報を集めました。芸能・食・美肌・紅葉など、4回にわたって魅力をお届けします。第一弾は、秋に最盛期を迎える、伝統芸能「石見神楽」をご紹介します。

夏の暑さも落ち着きはじめ、秋のムードが高まってきたこの頃。「〇〇の秋」という言葉を耳にすることも増えてきたのではないでしょうか。今回のテーマは「芸能の秋」。島根県の伝統芸能「石見神楽」の魅力に迫ります。

「石見神楽」って?

日本神話を題材に、独特の哀愁あふれる笛の音、活気溢れる太鼓囃子に合わせて、金糸銀糸を織り込んだ豪華絢爛な衣裳と表情豊かな面を身につけて舞う石見神楽は、島根県西部の石見地方に古くから伝わる伝統芸能です。そのエンターテイメント性の高さから、日本国内はもちろん、海外でも大きく評価されています。2019年5月には日本遺産にも登録されました。

石見神楽を楽しむなら秋がベストシーズン

地域の例祭(※神社にとって1年で最も重要なお祭り)の前夜祭として奉納されるのが、本来の石見神楽の姿。特に9月から11月にかけて行なわれる秋祭りは、一年の豊作を祝う大切なお祭りです。地域によっては、お祭りの前夜に夜通し神楽が舞われ、大人も子どもも一緒になり、神社の舞座といわれるところで特別な祭りを見届けます。地域の祭りでもあるためマナーはありますが、神楽のルーツを楽しむことができるのが奉納神楽鑑賞の醍醐味です。

どんな演目があるの?

厳かな雰囲気の中で神様をお迎えする「儀式舞」や古事記・日本書紀に伝わる神話を題材にした「能舞」など、演目は約30種類。現在でも130を超える団体が、これらの演目を受け継ぎ披露・奉納しています。今回はその中でも3つの有名な演目をご紹介します。

「鍾馗(しょうき)」
中国、玄宗皇帝の逸話を神楽にしたもので、疫病退散を祈願するものとされています。石見地方では、各地の秋祭りで奉納されてきた格式ある演目です。今年は新型コロナウィルスの早期終息を願い、特別映像も公開されています。

【特別映像 】 https://www.all-iwami.com/feature/detail98.html

「大蛇(おろち)」
古代神話の英雄、須佐之男命(すさのおのみこと)の八岐大蛇退治を伝えるものです。ダイナミックでスケールの大きいこの演目は、世界的に賞賛され、好評を得ており、石見神楽の代表的な演目といえます。

「恵比須(えびす )」
商売繁盛・豊漁の神として日本全国で知られる恵比須様。恵比須様の松江市美保神社でのいわれを神楽として伝えられたものであり、恵比須様の鯛釣りの様子を描いた演目です。

夕暮れの日本海をバックに迫力満点!9 月だけの「海神楽」

年に1度、9月にだけ大田市温泉津(ゆのつ)町の福光海岸で開催される海神楽では、夕暮れの日本海をバックに迫力満点の石見神楽が上演されます。砂浜に設けられたステージで、美しい日本海をバックに舞う海神楽のスタイルは県内でも大変珍しく、当日は地元の人だけでなく、県外はもちろん海外からも神楽ファンが集まります。天候にも左右されるため、関係者やファンからは「奇跡の光景」と呼ばれています。(※本年は9月中旬に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により開催中止となりました。)