専修大学 ネットワーク情報学部 准教授 小田切健太開発 感染症拡大を学ぶシミュレーションサイト公開

専修大学生が感染症の拡がりを学ぶ簡易ツール 文系学生でも自分で試して理解できる学習用教材 「SIRモデルによる感染症拡大のシミュレーション」を開発

PR TODAY

2020.5.14 17:00

専修大学(所在地:東京都千代田区、学長:佐々木 重人、以下本学)では、ネットワーク情報学部の小田切健太准教授が、感染症の拡がり方を学べるシミュレーションサイト、「SIRモデルによる感染症拡大のシミュレーション」を開発し、5月10日に公開いたしました。これは本学文系学生でも自分で試して理解できることを目的としています。

当サイトでは、感染拡大防止策実行中における人との接触割合や、対策期間の開始日と終了日など、様々な条件を直感的な操作で設定することにより、感染者数の推移や累計死亡者数をグラフで表示することができます。ここでは、SIRモデルと呼ばれる感染症流行の数理モデルを用いて感染者の推移を計算しています。SIRモデルでは、ある集団内の人口を、感染する可能性のある人口、感染者の人口、回復して免疫を得た人口の3つにわけて、それぞれの人口の推移を計算します。当サイトでのシミュレーションは、学生たちが今まさに経験している状況について、シミュレーションを通して分かりやすく理解してもらえるようにデザインしました。

入学したばかりの1年生のオンライン講義で試してもらったところ、「研究者になったみたいだ」、「自分の手で動かすことで外出自粛の重要さを改めて理解した」など、自分で試しながら現在の状況について学びを深めている様子がうかがえました。当サイトを通して、現在本学が実行している感染拡大防止策の意味や、長期戦略の必要性について、実感してもらえる機会となれば幸いです。

シミュレーションサイト概要

サイト名:

SIRモデルによる感染症拡大のシミュレーション

URL:http://www.isc.senshu-u.ac.jp/~thn0889/class/SIR.html

シミュレーションの主な条件

・全人口:130,000,000人
・初期感染者数(0日目の感染者数):10人
・平均感染期間(感染してから回復or死亡するまでの平均日数):14 日

変更可能なパラメータ

・感染拡大防止対策しない場合に、1人の感染者が他の人に感染させる平均人数
・感染拡大防止対策中の人との接触割合
・感染拡大防止対策後の人との接触割合
・感染拡大防止対策の開始日&終了日
・感染者の致死率

開発者 小田切 健太 略歴

専修大学ネットワーク情報学部准教授。東京大学総合文化研究科 広域科学専攻 博士課程修了。
博士(学術)。専門は統計物理、生物物理、ソフトマターの物理。

シミュレーション例

変動可能なパラメータを以下の通り設定した場合のグラフ
・感染拡大防止対策しない場合に、1人の感染者が他の人に感染させる平均人数:2.5人
・感染拡大防止対策中の人との接触割合:20%
・感染拡大防止対策後の人との接触割合:50%
・感染拡大防止対策の開始日&終了日:60日目~120日目
・感染者の致死率:2%

※実際の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染状況を反映・予測したものではありません。