金城学院大学 花粉症シーズン到来…飛散量が例年の7~9倍の地域も!? でも大丈夫! 花粉症は治る時代に。 金城学院大学の“アレルギー博士”こと 薬学部 福石 信之教授が花粉症治療の最新研究を伝えます!

福石 信之教授

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2019.2.26 00:00

取材日時:ご都合のよろしいときに(電話・メール取材可) 場所:金城学院大学(名古屋市守山区大森2-1723)

金城学院大学 薬学部 薬学科 教授 福石 信之は、薬学・免疫薬理学を専門としており、あらゆるアレルギーに関する研究を行っています。

本年もついに本格的な花粉症シーズンが到来しました。気象庁の花粉飛散予想では、例年に比べて「やや多め」とされていますが、飛散量が多かった昨年度よりは少ないようです。本年は昨年度と同様、例年よりピークが少し早く、2 月下旬~3 月下旬にスギ花粉、3 月下旬~4 月中旬にヒノキ花粉のピークを迎えます。

全国民の1/4 程度の患者数とも言われる花粉症ですが、福石教授によると、花粉症は2~3 年かければ治せる時代になりつつあるとの事です。ぜひ、毎年花粉症に悩まされている方々に花粉症治療の最新研究をお伝
えさせていただきたく、福石教授へのご取材のご案内を申し上げます。

 

花粉症症状の原因は“肥満細胞”?

花粉症は“肥満細胞”と言われる細胞が原因でアレルギー症状が起こる疾患です。肥満細胞は生活習慣病である“肥満”の元と勘違いをしてしまいそうですが、この細胞が爆発することで体内でヒスタミンが分泌され、涙や鼻水、くしゃみなど花粉症の諸症状を発症します。1800 年代、ドイツのパウル・エールリヒという学者が「マストツェーレン」を発見し、後に、これがアレルギー反応を引き起こす細胞であることが明らかにされました。この「マストツェーレン」を直訳すると“大きな細胞”となり、これが転じて日本では「肥満細胞」と呼ばれているもので、いわゆる“肥満”との関連は一切ありません。

 

目には目を、花粉症には花粉を!? 花粉症が治る「減感作療法(げんかんさりょうほう)」とは?

これまで、花粉症の治療は対症療法がメインとされてきました。しかし、約6 年前に保険適用となった「減感作療法のうち経口免疫療法」で治療を行えば、花粉症をはじめとするアレルギー症状がほぼ出なくなる患者もいると福石教授は指摘しています。

さらに、昨年から液剤だけでなく錠剤も発売され、減感作療法がより身近になってきました。

この「経口免疫療法」は、 アレルギー症状を引き起こす成分を舌の下から少しずつ体内に取り込ませ、体が反応しなくなるようにする治療法です。例えば、花粉症の方には花粉を少量ずつ取り込ませます。

基本的には数か月~3 年ぐらいの治療でほぼ症状が出なくなりますが、治療に要する期間の見定めや、アナフィラキシーショックの可能性があるなど治療に際して重要な注意点があるため、アレルギー学会の講習会を受講した医師に治療をしていただくことを福石教授は推奨しています。

 

花粉症治療の未来

最近では「減感作療法」において「舌下免疫療法」の代わりに、アレルギー症状を引き起こす成分を皮膚から体内に取り込ませる「経皮免疫療法」の研究も盛んに行われています。

しかし、これらの治療法は新しい治療法であるために、認知度の低さや、インフォームド・コンセントに時間を要したり、保険適用内とは言え高額な治療費などの課題も指摘されています。国民病とも言える“花粉症”へ産官学一体となって取り組むため、福石教授は更なる研究を進めていく予定です。

つきましては、『花粉症の新治療「減感作療法」』やその他、花粉症・アレルギーのテーマに関しまして、金城学院大学 薬学部 薬学科 教授 福石 信之へのご取材をご検討いただきますよう、何卒お願い申し上げます。

 

ご金城学院大学 薬学部 薬学科 教授 福石 信之(ふくいし のぶゆき)について

学位 博士(薬学)
所属 薬学部 薬学科
職名 教授
所属学会 日本薬理学会、日本アレルギー学会、日本免疫学会、日本薬学会
専門分野 薬学、生物分子科学、基礎医学
研究課題 肥満細胞の生理的役割の解明
肥満細胞の分化過程に関する研究

 

 

“アレルギー博士”に聞いた!アレルギー小ネタ

「肥満細胞」は太古から生物が持ち続けている細胞

「肥満細胞」は、魚の進化前とされる「ヤツメウナギ」からヒトへの進化に至るまでずっと保有している細胞であるということが確認されています。つまり、「生命活動にとって保有をしていないといけない細胞である」という仮説が立ちます。しかし「肥満細胞」、アレルギーの原因になる以外の働きが現在のところ発見をされておらず、アレルギーの原因以外の働きが判明すると、今後の治療に大きく役に立つ可能性があるそうです。

 

日本人が発見!「ブレーキ細胞」を強化する治療法も

体内にはアレルギーに反応する「アクセル細胞」だけでなく、アレルギー反応を起こさせない作用を持つ「ブレーキ細胞」という細胞があるそうです。実はこの細胞、ノーベル賞にノミネートされるほどの大発見で、大阪大学の坂口教授が発見したそうです。この「ブレーキ細胞」を幼少期から育てることでアレルギー諸症状を出さないようにするという考え方のもと、研究が進められているそうです。

 

薬を飲んだ後の運転は要注意!!

一部の市販薬には、ジフェンヒドラミンという成分が入った薬が販売されていますが、この成分は判断力の低下を誘引する副作用もあります。とあるデータによると、ジフェンヒドラミンによる判断力の低下は缶ビール1 本分を飲んだ時と同程度という結果も出ているそうです。ビールを飲んで車を運転をすると捕まりますが、ジフェンドラミンが入った薬を飲んで車を運転しても捕まりません。中にはそうなりにくい薬もあるので、自分のライフスタイルに合わせて薬を選ぶなど、薬との付き合い
方も大切です。