全壊家屋から救出した絵画を救え!! 熊本地震被災作品レスキューに、当社“ Viscotecs®(ビスコテックス)”が一役

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2019.10.17 00:00

セーレン㈱(東京本社:港区南青山 福井本社:福井市毛矢/代表取締役会長:川田達男)は、熊本県御船町出身の画家 田中憲一(たなかけんいち 1926-1994)作品レスキュープロジェクトにて、独自のデジタルプロダクションシステム「Viscotecs®(ビスコテックス)」を駆使し、熊本地震により大きく欠損している作品を蘇らせる一助を担います。


このほど、その熊本地震被災作品・公開修復展が、来る 10 月 26 日~11 月 4 日、熊本県御船町恐竜博物館交流ギャラリーにて開催され、初日の 10 月 26 日に、当社が再生させた欠損部分との合体修復を公開形式で行います。2016年 4月 14日から 16日にかけて震度7~6強の地震が複数襲った熊本では、住宅の倒壊や土砂崩れが発生し、多くの方が被災。震源地に近い御船町(みふねまち)も大きな被害がありました。
熊本県御船町出身の画家田中憲一のアトリエも全壊し、保存されていた約 150 点の作品は大きく損壊し致命的なダメージをうけました。作品の被災を調査した熊本県立美術館の学芸員より、熊本出身の絵画保存修復家の岩井希久子(いわいきくこ)氏に情報がもたらされ、日本の震災史上初の規模となる油彩画修復「田中憲一作品レスキュープロジェクト」がスタートしました。


当社は、2017 年に岩井希久子氏と、ベトナム戦争と戦後の管理不足で損傷した近代ベトナム絹絵の創始者グエン・ファン・チャンの作品保存・修復プロジェクト(2017 年 5 月東京 上野の森美術館で保存修復展開催)にて修復の技術支援を行った実績がありました。そのため、今回、岩井希久子氏からの要請にて、油彩画修復「田中憲一作品レスキュープロジェクト」に特別協賛し、再び、Viscotecs®を駆使した絵画修復支援を行うこととなりました。この修復展は、日本初の被災したオリジナル絵画(油彩)の再生を初公開で行うものとなり、復興への願いと基調な美術品を未来につなぐ活動について考えることを目的としています。

 

1.当社協力内容

・田中憲一作品≪海の骸B≫(1967 年 181.8×227.3cm) 欠損部分の Viscotecs®による再生

2.展示会について

展示会名 「岩井希久子・熊本地震被災作品・公開修復展」
開催期間 2019 年 10 月 26 日(土)~11 月 4 日(月)
開催場所 熊本県 御船町恐竜博物館 交流ギャラリー
熊本県上益城郡大字御船 995-6 TEL:096-282-4051
開催時間 午前 9 時~午後 5 時 *最終入場閉館 30 分前まで 観覧料 無料
主 催 「熊本地震 田中憲一の画を救う会」

 

3.公開修復タイムスケジュール

2019 年 10 月 14 日 14:00~16:00 トークショー VOL.1 テーマ:熊本地震被災作品レスキューと「公開修復展」について
当社取組 :10/13.14 Viscotecs®による見本持込み、色確認作業 (熊本)
10/16~23 Viscotecs®による再生作業 (福井)

10 月 26 日 14:00~16:00 トークショー VOL.2 テーマ:田中憲一と「熊本のバルビゾン御船町」

当社取組 :オリジナルと Viscotecs®による再生部分との合体修復 (熊本)
11 月 2 日 14:00~16:00 トークショー VOL.3 テーマ:「田中憲一被災作品レスキュープロジェクト」のこれまでとこれから

 

※ご参考
田中憲一(1926 年-1994 年)
熊本県御船町出身の画家。40 余年間にわたり時代状況の本質を表現するため、全身で格闘した画家。
http://mifune-art.site/kenichi-tanaka/
岩井希久子(いわい きくこ)絵画保存修復家 (コンサヴェター)
(有)IWAI ART 保存修復研究所(イワイアートホゾンシュウフクケンキュウショ)代表取締役
現在 IIC(The International Institute for Conservation of Historic and Artistic Works)、
IPC(Institute of Paper Conservation)、文化財保存修復学会(The Japan Society for the Conservationof
CulturalProperty)、並びに IIC Japan の会員。


1955 年 8 月 15 日(S30 年)熊本市生まれ。父親が熊本県立美術館建設準備室長をしていた関係で、絵画修復の仕事と出会う。80 年に渡英し、ロンドン、ナショナル・マリタイム・ミュージアムで修復技術を学び.84 年に帰国。以後、フリーランスとして、モネ、ゴッホ、ピカソといった名画の修復を手けるほか、現代アートやセル画など多様な表現の修復にも挑む。また、国際巡回展などで出品作のコンディションチェックの仕事も数多く担当。89年有限会社岩井絵画修復(現・有限会社 IWAI ART 保存修復研究所)を設立。93 年小山敬三美術振興財団海外研修を受賞し渡米。「絵にやさしい修復」を理念に、98 年からロンドン、テート・ギャラリー(現テート)に研究を持ち込み、絵画をエイジングさせない「脱酸素密閉」という作品保存方法を開発。このほか日本の職人の技術を生かした修復を行うなど、独自の修復技術をつねに探求し続けている。おもなテレビ出演として 1980年に NHK 教育テレビ『若い広場』「美術の職人たち」、2010 年に NHK プロフェッショナル『仕事の流儀 母の覚悟で、ピカソに挑む』、2011 年に NHKBS プレミアム『旅のチカラ』「幻の絹絵よ!よみがえれ 絵画修復家 岩井希久子 ベトナム・ハノイ」。2012 年 に NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』「言葉のチカラスペシャル」
2013 年に NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』「道を極める心得スペシャル」、2013 年テレビ朝日『徹子の部屋』、テレビ朝日モーニングバード「G ウーマン」、NHK『視点・論点』『私は絵のお医者さん』
2014 年に日本テレビ『未来シアター』。おもな著書として、2013 年美術出版社『モネ、ゴッホ,ピカソも治療した絵のお医者さん修復家・岩井 希久子の仕事』 2014 年 六耀社『ソリストの思考術 修復家・岩井希久子の生きる力』

セーレン㈱ デジタルプロダクションシステム 「Viscotecs®(ビスコテックス)」 とは原糸製造から、織編、加工、縫製までの繊維一貫生産機能を有する総合繊維メーカーのセーレンが、最新の IT技術と繊維一貫生産機能を融合し、独自開発したデジタルプロダクションシステムです。自社開発のインクジェットプリンターを核に、全工程をIT制御し、企画から製造までの短納期化と、多品種・小ロット・在庫レス生産を実現しました。ウール、シルク、綿などの天然繊維をはじめ、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維や複合素材などの全素材に対応し、1,677万色のフルカラー、かつ繊細なデザイン表現力で、どこにもない高付加価値の差別化商品を生み出します。さらに、従来の繊維加工手法に比べ、水やエネルギーの使用量を 1/5~1/20に抑えつつ、無駄な在庫を作らない、環境配慮型の地球に優しい生産システムです。1990年から操業スタートした世界一のインクジェット量産工場では、世界に 1 着のオーダーメイドから、グローバルオーダーの大量生産まで、あらゆるプロダクションニーズに対応しています。

*「熊本地震 田中憲一の画を救う会」
事務局 井上正敏氏 TEL/FAX 096-364-4665
*同リリースのお問い合わせ
セーレン株式会社 総務部広報担当
東京本社 TEL 03-5411-3411
福井本社 TEL 0776-35-2111
soumu@seiren.com