わかめの摂取が食後血糖値およびインスリンの上昇を抑える

ヒト試験で実証:日本農芸化学会 2019 年度東京大会にて発表

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2019.3.19 00:00

ふえるわかめちゃん®や、わかめスープ、リケンのノンオイルを販売する理研ビタミン株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山木一彦)は、わかめを摂取することにより食後の血糖値の上昇とインスリンの分泌が抑えられることをヒト試験で確認しました。

本研究内容は、3 月 24 日より開催されます日本農芸化学会 2019 年度大会(演題番号1B1a09)にて発表いたします。

研究の背景と目的

海藻は日本食を代表する食材であり、「健康的である」というイメージがあるにもかかわらず、その健康効果については未解明な部分が多い食べ物です。
理研ビタミンはこれまで、わかめの健康効果を明らかにすべく研究を重ね、血圧やコレステロール、整腸作用に対する影響などを発表してまいりました文献 1, 2)。近年、糖尿病予防やダイエットとの関わりから、食後の血糖値をコントロールする食事術などが注目されています。そこで、わかめの摂取が食後血糖値に与える影響をヒト試験で調べました。

方法

被験者 健常成人男女 26 名の方
対照食 米飯 200g
試験食 米飯 200g+乾燥カットわかめ※ 4g
※5分間、十分量の水で戻し、その後 2、3回水ですすぎ水切りしたものを摂取。
※米飯摂取 5 分前よりわかめは摂取を開始した。
調査項目 米飯摂取前、摂取 30、60、90、120 分後の血糖値および血中のインスリン値

結果

わかめの摂取による食後血糖値の上昇抑制(図 1)

わかめを食べていた場合は食べていない時と比較し、食後の血糖値の上昇が著しく抑えられました。特にその効果は食後 30 分で著しく(図 1A)、食後 2 時間を通じた血糖値の変化量の合計も、わかめの摂取により著しく低下していました(図 1B)。

 

わかめ摂取によるインスリンの節約(図 2) 

わかめを食べていた場合は食べていない時と比較し、食後のインスリンの上昇が著しく抑えられました。特にその効果は食後 30 分で著しく(図 2A)、食後 2 時間を通じた血中のインスリンの変化量の合計も、わかめの摂取により著しく低下していました(図2B)。

 

食事をして炭水化物をとると、消化によってブドウ糖となり、小腸から吸収されて血液のなかに入るため、食後は血液中のブドウ糖の量(血糖値)が高くなります。健康なヒトの場合、血糖値が上がるとその変化を膵臓が感知してインスリンというホルモンを分泌し、ブドウ糖が筋肉に取り込まれてエネルギーとして使われます。余った分は肝臓、脂肪細胞などの組織に脂肪などとして蓄えられて、適度な値に血糖値はコントロールされます文献 3)。

食後の急激な血糖値の上昇は動脈硬化をまねき、糖尿病の進行にもつながるため、上手にコントロールすることが大切です。

また、インスリンの作用は血糖値の制御だけでなく、脂質の代謝などにもおよび、過剰なインスリンは糖分を脂肪に変えてからだに貯めるようにも働きます文献 4, 5)。そのため、
食後の過剰なインスリンの分泌を抑えることも大切です。

理研ビタミン株式会社は、今後とも天然物の有効利用について研究を進め、食を通じてお客様に健康と豊かな食生活を提供してまいります。

文献 1)Hata Y., Nakaima K., Uchida J., Hidaka H., Nakano T. Clinical effects of brown seaweed, Undaria pinnatifida
(wakame), on blood pressure in hypertensive subjects. J. Clin. Biochem. Nutr. 2001; 30: 43-53.
文献 2)Yoshinaga K, Maruya R, Koikeda T, Nakano T. Effect of Undaria pinnatifida (wakame) on the human
intestinal environment. Functional Foods in health and disease 2018; 8(10): 477-493.
文献 3)糖尿病治療の手びき 2017(改訂第 57 版) 日本糖尿病学会編・著 南江堂
文献 4)糖尿病診療ガイドライン 2016 日本糖尿病学会編・著 南江堂
文献 5) 益崎裕章 肥満症の内分泌学的解析 日本内科学会雑誌 2011; 100(9): 2638-2645.

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経営企画部 広報・IR 室 相原・井上
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