日立金属 「超極細銅合金線とその応用製品」が 令和元年度 関東地方発明表彰「特許庁長官賞」を受賞

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2019.10.30 00:00

日立金属株式会社(以下、当社)の「超極細銅合金線とその応用製品」(発明者 黒田 洋光、黄 得天、岡田 良平)が、公益社団法人 発明協会主催の関東地方発明表彰において、「特許庁長官賞」を受賞しました。表彰式は11月13日(水)に浅草ビューホテルにて行われる予定です。

1.応募名称

超極細銅合金線とその応用製品(特許第4143086号)

2.受賞

「特許庁長官賞」

日立金属株式会社 機能部材事業本部 機能部材研究所 黒田 洋光
日立金属株式会社 機能部材事業本部 電線統括部 黄 得天
日立金属株式会社 機能部材事業本部 電線統括部 岡田 良平

3.発明の概要

超極細銅合金線とその応用製品(医療機器用のプローブケーブルをはじめとしたケーブル)は、胃カメラや超音波診断装置などの医療分野で使われ、さらなる高精細画質の実現と、人体へのストレス低減が求められています。
 このニーズに応えるため、医療機器用のプローブケーブルを構成する極細同軸ケーブルの導体として、従来品(当社NN合金、線径:0.016mm)よりも細い超極細銅合金線の研究・開発を行いました。
 一般的に、線径が細くなると、破断しやすくなるだけではなく、電気も流れ難くなる傾向にありますが、本発明では、超極細銅合金線の導体において、銅に銀を含有させた銅銀合金を採用しました。そして、銅銀合金を超極細に伸線する過程で、二段階の特殊な熱処理で金属組織を制御することにより、従来では得られなかった高強度と高導電性を兼備する超極細銅合金線を実現しました。
 この超極細銅合金線(線径:0.013mm)を用いた極細同軸ケーブル(本発明品)は、高強度と高導電性を維持したまま従来比で約20%の細径化(例:0.205mm → 0.165mm)を実現しており、低侵襲医療技術の発展へ貢献が期待されています。

超極細銅合金線の外観

単線(直径0.013mm)

より線
(直径0.013mm×7本)

【参考】毛髪

極細同軸ケーブルの断面(従来比で約20%の細径化を実現)

極細同軸ケーブルの断面

導体の特性

導体の特性