体温計の「予測」と「実測」って?

体重計と並んで一家にひとつありそうなもの、体温計。ここ最近は体温計を使う機会が増えた方も多いのではないでしょうか。そんな身近な体温計、「接触の有無」や「測定値の出しかた」など、種類や特徴があるのをご存知でしょうか。今回は知っているようで意外と知らない「予測」と「実測」についてのお話です。

■タニタ電子体温計 BT-471

今回は2017年に発売したタニタの電子体温計を例にします。現在タニタが販売しているのは、わきに挟んではかる「接触型」の商品です。体温をはかり始めてから約20秒で「予測検温」の測定結果が表示されます。「実測検温」は、予測検温開始から約10分間、ブザー音がするまでわき検温を続けることではかれるようになっています。

▲「BT-471」 ※一部販売店のみでの取り扱いとなります

▲「BT-471」 ※一部販売店のみでの取り扱いとなります

 

■「予測」は推測値、わきで「実測」には約10分かかる

さて、ここからが本題です。「予測」と「実測」の違いってどこにあるのでしょうか。この商品の取扱説明書を見てみると…ここにヒントがありました。それによると、

「わきはある程度外気に触れているため、体の内部と同じ位の温度(平衡温)になるには、わきをしっかり閉じて約10分間程度かかります。」

「検温開始からの温度変化を演算することで10分後の平衡温を予測します。」

▲「BT-471」取扱説明書より

 

とあります。わきで計測するとき、正確に体温をはかるには本来約10分かかるんです。

▲「BT-471」の体温計測イメージ

▲「BT-471」の体温計測イメージ

 

「予測検温終了後、そのままはかり続けると約3分後に予測マークが消え実測検温に移ります。検温開始から約10分後に「ピー」と5回ブザーが鳴り、バックライトが点灯し実測検温の終了をお知らせします。より正確な検温が必要な場合は実測検温をしてください。」

▲「BT-471」取扱説明書より引用

 

よく考えれば「予測」「実測」の文字通りなのですが “約10分後の実測検温の推測値を算出すること”が「予測検温」、“からだの内部に近い温度(平衡温)”を実際にはかることが「実測検温」、となります。

 

■「はかりかた」にもポイント

最後に、「はかりかた」について補足します。測定する部位によって異なりますが、わきで検温するときにもポイントがあります。

 

「わきの下の汗をよく拭き、わきの中央に体温計の先を下から押し当てます。 体温計を下から押し上げるようにして、わきをしっかりしめ、体温計が動かないよう軽く腕をおさえます。」

▲「BT-471」取扱説明書より引用

 

検温中に「まだかなぁ、いま何度くらいだろう」と気になる人もいると思います。「ちょっとだけなら…」と体温計をずらしてチラ見したい気持ちはわかりますが、正しく検温するためにも少しだけ我慢しましょう。また、測定する時間(朝、夜)等でも測定値は異なりますし、運動後、入浴後、食事後は、体温が若干上がる傾向があります。

 

「実測」と「予測」の数値差は人によって異なる場合があります。医療機関を受診するときなど、正確な検温が必要な場合は「実測検温」をするようにしてください。出勤前や、時間がないときは目安として「予測」を使うなど、場合によって「予測検温」と「実測検温」を上手に使い分けるのがおすすめです。

 

そして何より、普段から検温する習慣づくりが大切です。自分の普段の体温を知っておくことで、「ちょっと熱っぽいかも…」と思ったときに気づきやすくなります。正しくはかって、健康維持に役立てましょう。

 

 

タニタ電子体温計BT-471

https://www.tanita.co.jp/product/g/_BT471GY/

医療機器認証番号:229AFBZX00027000

 

参考:

http://www.tanita.co.jp/cms/common/pdf/support/bt_series/bt470_471.pdf