新会社“thousandsmiles(サウザンスマイルズ)”について

弊社公式Twitterで今年の4月1日にこんなツイートをしました。

4月1日という日付けだけに、「エイプリル・フールネタ」と思われた方も多かったと思います。お取引先からお問い合わせをいただいたりもしました。実は、2019年8月にタニタの社内ベンチャー企業として、合同会社thousandsmiles(サウザンスマイルズ)を設立しました。これまでのタニタとは異なる“新しいことに挑戦する土壌”として、弊社社長の谷田がチャレンジする社員を後押しするかたちで誕生した会社です。

 

▲「本当?」と各所から聞かれましたが、本当でした

▲「本当?」と各所から聞かれましたが、本当でした

 

その第一弾として、“体組成計の技術を応用して作ったゲーミングコンソール”を2020年1月にアメリカ・ラスベガスで開催された世界最大規模の家電見本市Consumer Electronics Show 2020(以下、CES2020)で発表しました。

 

■社名thousandsmilesについて

多くの方が気になるであろう「thousandsmiles」という社名について、少しお話します。タニタのスピリットを継承しつつ、覚えてもらいやすくて、チャレンジングなイメージもあって、遊び心もあって、それでいてオリジナリティのあるもので…。理想を挙げていけばキリがないのですが、いろいろと協議した結果、この社名になりました。

 

まず「thousands」には「無数の」や「多数の」、「thousand miles」には「数えられないほどの距離」や「どれだけ離れていても」という意味があります。また「thousand」と「miles」のあいだに「s」を入れてワンワードにすると「thousandsmiles」という造語になります。「はかり」をつくってきたタニタの「はかりきれないものを手がけ」「遠い未来を見据えて先進的な取り組みに挑戦する」、そして「たくさんの笑顔をつくる」会社にしていきたいという思いを込めました。見る人が見ればクスッとなる社名ですが、それもまた良し、ということで。

 

▲ほかの意味もあるんですけどね(笑)

▲ほかの意味もあるんですけどね(笑)

 

■「CES2020」出展

「CES2020」では、世界中のスタートアップ企業が出展する「EUREKA PARK(エウレカ・パーク)」内で、主に日本のベンチャー企業が先進技術などを披露する「Japan Tech(ジャパン・テック)」ブースに参加しました。世界中のIT関係者や投資家などが熱い視線を注ぐ会場にthousandsmilesとして、ゲーミングコンソールのコンセプトモデルを展示しました。お話していくなかで気づかれた方もいらっしゃいましたが、会場ではタニタのもつ「健康」や「はかる」といったイメージが先行しないよう、タニタの子会社であることをあえて伏せていました。

▲CES

▲CES2020での展示の様子

 

「ゲームソフトをつくったの?」という声が聞こえてきそうですが、今回はどちらかというと「ゲーム機」本体、それもインターフェースにフォーカスしてつくっています。具体的には、これまでの体重計、体脂肪計や体組成計開発で培ってきた計測技術を応用した、“プレーヤー自身の生体情報を反映して生成したキャラクターでプレーできるゲーミングコンソール”です。

▲この本体にモニターをつないで遊びます

▲この本体にモニターをつないで遊びます

 

このゲーミングコンソールのいちばんの特徴は「キャラクターの生成方法」にあります。一般的なゲームではあらかじめ用意されたキャラクターのなかから自分で選択をしてプレーしますよね。キャラクターの見た目を細かく設定できるゲームはたくさんありますが、本機では、「プレーヤーの体組成によって決まる」という点が大きなポイントです。

 

ではどうやって体組成を計測するかというと、本体のグリップ部に秘密があります。一般的な体組成計の場合、本体に4か所設けられた電極(わかりやすく言えばシルバーの部分)に裸足で乗り、両脚を通してからだに微弱な電流を流して体組成を計測します。今回のゲーミングコンソールでは、一般的な体組成計でいう“シルバーのあの部分”をこのグリップ部分に取り付けることで、手から電流を流して体組成をはかっているというわけです。

▲計測時間は約10秒ほど

▲計測時間は約10秒ほど

 

事前に本体のテンキーで入力した性別や年齢、身長などの基本情報と、手から計測した体組成データを合わせてキャラクターが決定します。今回は分かりやすいよう、キャラクターは9種類のなかからプレーヤーに近いものが選択されるよう設計しました。

▲開発段階の身体モデル。体組成から人体モデルをつくる技術をゲームキャラクターに応用しています。

▲開発段階の身体モデル。体組成から人体モデルをつくる技術をゲームキャラクターに応用しています

 

▲上記の身体モデルをもとにつくられたキャラクター

▲上記の身体モデルをもとにつくられたキャラクター。今回のゲームでは9種類のなかから選択されます

 

▲キャラクター決定

▲キャラクター決定

 

そしてもう一つ特徴があります。それはプレーヤーの体組成がキャラクターの見た目だけではなく、ジャンプ力やパワーといったキャラクターのもつ“身体能力”にも影響する点です。

▲キャラクターによって隙間の通過しやすさも違います

▲キャラクターによって隙間の通過しやすさも違います

 

ゲーム自体は走っていくキャラクターが障害物を避けたり倒したりしながらポイントを集めて進めていくシンプルな構成になっていますが、体組成計測によって得られた基礎代謝量からファイヤーボールの威力が変わったり、筋肉量によってジャンプ力に変化があるなど、身体能力の細かい設定も行われています。今回のゲームではキャラクターを9種類に設定していますが、同じ見た目のキャラクターでも、身体能力はプレーヤーの体組成によって異なります。“見た目”と“身体能力”の組み合わせによってたくさんのキャラクターを作ることも可能です。

▲ファイヤーボールを出す様子

▲ファイヤーボールを出す様子

 

当然ながら、プレーヤーの筋肉量が上がればキャラクターもそのように変化しますし、基礎代謝量が上がれば強力なファイヤーボールが出せるようになります。プレーヤーがキャラクターに愛着をもってもらえるような工夫をところどころに散りばめており、まさに本当の意味でプレーヤーのアバターとなるのです。

▲最後には獲得スコアとランキングも表示

▲最後には獲得スコアとランキングも表示

 

「健康を意識せずとも、ゲームを楽しむ過程で健康になっていく」。私たちが「健康をはかる」企業としてこれまで培ってきた知見や技術を、これまでにない、もっとほかのかたちに応用したい。そして“楽しみながら健康になれる”仕組みをつくりたい。とってもシンプルですが、大きな野望をもって、まずは一歩を踏み出しました。今後のthousandsmilesの挑戦にぜひご期待ください。

▲いっしょにこの事業に取り組むパートナーも募集中です。

▲いっしょにこの事業に取り組むパートナーも募集中です

 

thousandsmiles(サウザンスマイルズ)HP

https://www.thousands-miles.com/