【タニタこまちを巡る旅①】「アグリフライト大曲」を訪ねて

9月からタニタオンラインショップで販売中の、あきたこまちの新米「タニタこまち」。タニタの契約生産者で秋田県大仙市にある「アグリフライト大曲」にて有機肥料で育てられた特別なお米です。タニタオンラインプレスルームではその美味しさの秘密を探るべく生産地を取材、「タニタこまちを巡る旅」としてお届けします。

■秋田の秘湯でも採用、「指名買い」されるお米

先日、丸の内タニタ食堂でこの「タニタこまち」を使ったメニューを提供したところ、ご飯のおかわりリクエストをたくさんいただくほど好評でした(丸の内タニタ食堂ではご飯のおかわりはお受けしておりません。あしからず)。それもそのはず、「アグリフライト大曲」が生産するお米は、地元秋田でも大人気なのです。「アグリフライト大曲」では、タニタこまちのほか数種類のお米を育てています。ここで生産されたお米は秋田県が誇る秘湯温泉宿「乳頭温泉郷 鶴の湯温泉」のお食事や、秋田県内の複数の焼き肉店でも採用されている、いわばプロの“お墨付き”。その美味しさに、お食事されたお客様から「あのお米、どこで買えますか?」と問い合わせがあることもしばしばだとか…。

わたしも取材前に自宅で「タニタこまち」を炊いて食べてみましたが、柔らかすぎずほどよい硬さと粘度、あっさりした風味が印象的でした。どんなおかずとも合うバランスのとれたお米。冷めても美味しくいただけるので、お弁当やおにぎりにも向いているかもしれません。これはプロが指名買いするのもうなずけます。

 

■いざ、秋田へ!

こんなに美味しいお米って、どんな環境で生まれるんだろう。期待に胸を膨らませて秋田に向かいます。東京から新幹線で約3時間。大曲の花火大会で有名な秋田県大仙市に、タニタこまちの生産者「アグリフライト大曲」はありました。さっそくお邪魔します!

まず、田んぼに案内してもらうと、えっ、広い…! 「アグリフライト大曲」は7人のスタッフが働いているそうですが、田植えの時期など繁忙期は家族総出で行っているそう。それにしても広いです。この広い農地の約3反(約2975平方メートル)分が、タニタこまちの敷地。1反が約300坪(約990平方メートル)なので、タニタこまちだけでもかなりの広さ。「おーい!」って叫んでも届かないくらいでしょう。こんなところで「だるまさんが転んだ」をやってみたい(絶対終わらない)…。

訪問したのは10月中旬。もしかして収穫に立ち会えるかも…?!と淡い期待をもって臨みましたが、秋田では稲の収穫のピークは訪問時にはすでに終わっていました。収穫期には一面、稲の金色の景色が広がるそうです。見たかったなぁ。

▲収穫の様子

▲収穫の様子

 

■タニタこまちの美味しさの秘密は有機肥料にあった

「アグリフライト大曲」の代表取締役を務める大槻四郎さんいわく、大仙市の「水」「土」「気候」が美味しいお米づくりに影響しているそうです。タニタこまちはこの3つの要素に加え、稲の育て方、とくに肥料にこだわっていることが特徴。化学肥料を使わず、玄米から白米に精米する際に出るぬかに水を入れて乾燥させ、ペレット状にした有機肥料で稲を育てています。この日も、来年に使う有機肥料づくりに追われていました。

アグリフライト大曲では、この肥料を自分たちの手で作っています。いわゆる自家製です。ここまでこだわっているのは、このあたりでもここだけだとか。というのも、稲を育てるときは化学肥料を使うことが一般的。即効性が高いものの、一部の化学肥料には精製の際に除去できなかった、必要としない成分が含まれるケースがあるようです。 アグリフライト大曲が時間や手間、人手がかかるこの有機肥料で育てているのはほかでもなく、お客さまに美味しさと安心を届けるため。「手間暇かけないとおいしいお米はできない」と言い切る大槻さん。その言葉にお米づくりにかける“誇り”や“心意気”を垣間見ました。この有機肥料がタニタこまちの美味しさの秘密の一つでした。肥料を初めて見たとき、「鯉の餌のように見える…」と思ってしまった自分を恥ずかしく思うと同時に、猛省しました。

膨大な時間とたくさんの人の手、そしてこの恵まれた風土で愛情たっぷりにすくすくと育ったタニタこまち。美味しさを届けるこだわりはこれだけにとどまりません。それは「精米後2日以内の出荷」です。お米は精米するとすぐに酸化がはじまり、徐々に風味が落ちてしまうんです。タニタこまちはその美味しさを最大限に生かすため、「白米」・「5分つき米」は注文いただく際、精米・出荷の時期を選んでいただけるようになっています。

日頃あたりまえのように食べているお米も、こうして生産に携わる方々の想いや大切に育てられている様子を知ったうえで食べると格段に美味しく感じられることでしょう。私も注文したので、家にタニタこまちが届くのが楽しみです。もちろん、一粒たりとも残さず食べようと思います。こだわりのたっぷり詰まったお米を皆様にもお試しいただきたいです!

■「アグリフライト大曲」の大槻氏に聞く タニタこまちの魅力

タニタこまちの生みの親で、その全てを知る「アグリフライト大曲」の大槻四郎代表取締役(73)に、その魅力とよりおいしく食べるためのコツなどを聞きました。    

 

—今年のお米の出来はどうですか?

「今年は雨が多かったのですが、例年通りよくできました。『あきたこまち』は天候に左右されずによく育ちます。これまで『コシヒカリ』『ササニシキ』『はえぬき』『どまんなか』などさまざまな品種を育ててきましたが、これだけ安定的によくできる品種は今まで出会ったことがありません。

今年は収穫期頃、適度に降雨と晴天があり充実した米に仕上がり豊作基調となったほか、品質・味・光沢とも申し分ありません。

今秋に収穫したお米を見つめながら、「上手くできた」とその出来映えに目を細める大槻氏

▲今秋に収穫したお米を見つめながら、「上手くできた」とその出来映えに目を細める大槻氏

 

―タニタこまちは「白米」「玄米」のほか、ぬかの層を約半分除去した「5分つき米」も用意しました。この「5分つき米」 とはどのようなお米でしょうか?

「5分つき米は玄米と白米の中間という位置づけです。消費者の健康志向の高まりで、玄米のニーズが高まっています。しかし、玄米だけで炊くとボソボソ感があるほか、お米の皮の部分(ぬか)の独特の香りもきつくなります。5分つき米は胚芽はほとんど残るため、栄養価を極力損なわず、玄米よりもクセがなく食べられます。まさに“いいとこ取り”といったところです」

 

―タニタこまちはぬかで作った有機肥料を使って栽培したと伺いました

「有機肥料によるお米づくりはとにかく手間がかかります。肥料は自分たちで作らなければならないし、散布する際にも人手が必要だからです。当社は7人の働き手がいるので有機肥料を使ったお米が作れます。おいしいお米を作るにはやはり手間暇を惜しんではいけません」

 

―タニタこまちをよりおいしく食べるコツはありますか?

「タニタこまちの品種である『あきたこまち』はねばり気が強いため、水は少なめで硬めに炊いた方が、お米が持つ本来の味がよりわかると思います。また、精米後、できるだけ早く食べることもポイントです。できれば精米後、1カ月以内に食べることをおすすめします。タニタこまちは注文を受けてから精米するので、一口食べるだけでスーパーマーケットなどで購入したお米との違いがわかるでしょう」

精米されたお米の袋詰めや温度管理は、もちろんタニタ製の機器で。

▲精米されたお米の袋詰めや温度管理は、もちろんタニタ製の機器で

▲いちごの栽培にも力を入れているそう。暖かくなったらまたお邪魔します!

▲いちごの栽培にも力を入れているそう。暖かくなったらまたお邪魔します!

 

 

タニタこまち

https://shop.tanita.co.jp/shop/e/ekomachi/

 

Text:難波みなみ・梅田キタ