<2022年、日本が向き合う12のくらしの不調>花粉症の季節にますます気を付けたいマスクネなどの肌荒れ!「花粉症とマスクの長期使用が引き起こす肌トラブル」を漢方視点で解説
~「花粉症の季節に肌トラブルの増加」を40代女性の55%が実感~
2022.3.30 13:00
主なトピックス 1.肌トラブル実態調査:花粉症季節の肌トラブルは増加傾向に 2.肌トラブル回避には「気」と「血」が鍵 3.おすすめの漢方薬を解説
漢方薬を中心とした一般用医薬品と医療用医薬品を販売するクラシエ薬品株式会社では、「2022年、日本が向き合う12のくらしの不調」と題し、1年間を通して季節や流行に応じた漢方情報を発信してまいります。3月は「マスクネなどの肌荒れ」をテーマに、肌トラブルの実態調査(※1)の結果やおすすめの漢方薬などについてご紹介します。
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コロナ禍での花粉症時期の肌トラブルが増加?
コロナ禍以降、マスクを屋外だけに限らず、屋内でも外さずに過ごすことが増えましたが、マスクの長期間着用により、 摩擦による刺激や乾燥の悪化、 蒸れによる細菌の繁殖など、 肌へのトラブルが増加しています。さらに、花粉症の季節は肌荒れリスクのダブルパンチとなるため、要注意です。
体内に花粉などのアレルゲンが入ると、体はくしゃみや鼻水などで排除する反応が起きますが、花粉が肌へ付着することにより肌荒れやかゆみを感じることも多いのです。
当社が今回行った調査によると、40代女性の55%が花粉の季節に肌トラブルを最も感じたと答え、その次に30代女性の45%、20代女性の40%と続きました。
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5割の20代女性が「肌荒れ・ニキビ」症状を実感
さらに症状別の調査によると、若年層の方が肌悩みの症状として「肌荒れ・ニキビ」に敏感という傾向が分かりました。
20代女性の5割に続き、20代男性の4割も「肌荒れ・ニキビ」の症状に悩んでいると回答しました。
コロナ禍における花粉の季節、マスクネ(※2)などの肌荒れリスクにはさらなる対策が必要です。
※1 調査概要
○調査対象:全国の20代~70代200名(有効回答数)
○調査期間:2022年1月28日~31日
○調査方法:インターネットアンケート
※2 マスクによってできたアクネ菌(ニキビの原因菌)のこと。
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野本真由美クリニック銀座の野本真由美先生より 一言アドバイス
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大がなかなか収まらない現在、マスクの着用はニューノーマルになっています。又、この時期に増える花粉症患者さんにとっては、マスクは鼻や口を覆い隠すことで粘膜に花粉が触れるのを防ぐため、対策として有効ですが、一方でマスクの着用による肌トラブルに悩む患者さんも増えています。
マスクで覆われた部位の角層水分量、経皮水分蒸散量(TEWL)は上昇し、これは赤ちゃんのおむつの中と同じような状態と言われています。マスクの着用は、皮膚バリアの低下や皮脂分泌量の増加など、ニキビが生じやすい環境を作ります。
ニキビは多因子疾患であり、食生活や外的刺激、ストレスなど個人によって悪化要因が異なるため、自分に合ったニキビの悪化因子と正しい対処法を知り、マスクによる肌荒れを防ぎましょう。
①皮膚バリア機能の低下
皮膚バリアが低下すると皮膚炎やニキビが発症しやすくなります。皮膚のpHは皮膚バリア機能の維持に大切です。洗浄剤は弱酸性のものをおすすめします。漢方薬は体の内側から皮膚バリア機能を改善するものをおすすめします。
②皮脂分泌の過剰
男性ホルモンであるアンドロゲンが高まるとニキビが悪化します。脂性肌の改善には過剰な皮脂分泌を抑制する漢方薬がおすすめです。
③性ホルモンバランスの乱れ
ニキビはホルモン病でもあり、月経前に悪化するという訴えが多いです。月経前に悪化するニキビには、血の巡りをよくする漢方薬がおすすめです。
④胃腸の不調
皮膚と胃腸は密接に関係する臓器です。ニキビが治りにくい場合は食生活に問題がないかも考えましょう。「食べ過ぎ」「早食い」「遅い時間の食事」は肌トラブルの原因です。胃腸を整える漢方薬と共に食生活を是正しましょう。
⑤ストレス過剰
ストレスも肌荒れの大敵です。ストレスをためこまないように、1日の中でリラックスできる時間を確保することもポイントです。外側からのスキンケアと、内側からの漢方・食材によるケアを上手く組み合わせるのがおすすめです。
マスクによる摩擦も肌トラブルの原因となりますので、マスクを外す際は耳から外したり、不織布のマスクの中にインナーを付けることをお勧め致します。皮膚表面からのアプローチだけではなく、ビタミンや漢方薬などによる体の内側からのアプローチも必要です。漢方薬の種類によっては、長期服用をお勧めできないものがあります。難渋するニキビや肌荒れの場合は、医師・薬剤師にご相談ください。
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肌トラブルの回避には「気」と「血」が鍵
漢方では「気(き)・血(けつ)・水(すい)(※2)」の3つが体の中をバランス良く巡り、健康を保っていると考えます。このうちのどれか1つが乱れると、体はさまざまなトラブルを起こすとされています。このうち、「気」「血」の異常がニキビの肌悩みの鍵となっており、特に注意すべきポイントとなっています。
・「気」の異常
「気」は人間の体を活動させる根本的な生命エネルギーを指し、元気の素と言えるものです。「気」が滞った状態(「気滞」)になってしまうと、全身にエネルギーが行き渡らなくなり、肌にも不調症状を引き起こします。
・「血」の異常
「血」は血液そのものだけでなく、血液が体中を回り酸素や栄養分を巡らせる働きを指します。「血」の異常にはそれぞれ「瘀血」(血の流れが滞った状態)、「血虚」(血が不足した状態)があり、この異常が起こると、さまざまな不調が現れます。
※2 体の血液以外の体液のこと。
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肌荒れにおすすめの食養生
ファストフードやコンビニのお弁当などは野菜が少なく、油っこいメニューが多く、偏よった栄養バランスになりがちです。脂肪分や糖質の多い食生活は、皮脂分泌が過剰になり、ニキビのできやすい状態になりがちです。バランスの取れた食事をよく噛んで食べましょう。
・おすすめの食べ物
ニキビなどの肌荒れには、特に「冷え」に注意して体を温めるように意識することが重要です。「気」「血」の巡りを促す「熱性」や「温性」の性質を持つ食材をたくさんとるように心がけると良いでしょう。温野菜や鍋料理などの「温かい料理」も全身を温めてくれる役割を果たしてくれます。
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おすすめの漢方薬
肌トラブルには漢方薬もおすすめです。漢方は、肌のトラブルに対しても治療をしてくれます。化粧品や西洋薬(外用剤)は体の外側から肌に働きかけるのに対して、漢方は体の内側に働きかけ、肌トラブルを起こさない体質づくりをサポートします。
<ニキビなどの化膿性皮膚疾患におすすめのお薬>
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
患部が湿潤型でじゅくじゅくしているときに、たまっている「水(すい)」や熱を発散させ、肌を改善していく処方です。膿が出るような皮膚症状に効果があるため、マスクネや湿疹、蕁麻疹、にきび、水虫などの肌トラブルがある方におすすめです。
<漢方セラピー>
十味敗毒湯エキス錠クラシエ[96錠]
【第2類医薬品】
希望小売価格:2,598円(税込)
効能:体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの次の諸症:化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、湿疹・皮膚炎、水虫
<ニキビ・蓄膿症(副鼻腔炎)におすすめのお薬>
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
首から上の炎症に効果がある処方です。体の中の余分な熱を冷やし追い出すとともに、「気」を巡らせることで炎症を改善していきます。ニキビのほか、鼻づまりや濃い鼻水、扁桃炎などにも効果が期待できます。眠くなる成分が入っていないので、薬の服用によって眠くなっては困る方におすすめです。
<漢方セラピー>
荊芥連翹湯エキス錠Fクラシエ[96錠]
【第2類医薬品】
希望小売価格:2,075円(税込)
効能:体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症:蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび
<肌荒れにおすすめのお薬>
ヨクイニン
消炎作用や体の水分バランスを整える処方です。肌が荒れがち、肌のキメが乱れている、イボが気になるといった方などにおすすめです。
<漢方セラピー>
ヨクイニンエキス顆粒クラシエ[24包]
/「クラシエ」ヨクイニン錠[300錠]
【第3類医薬品】
希望小売価格:[24包]1,540円(税込)
[300錠]3,080円(税込)
効能:いぼ、皮膚のあれ
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クラシエ薬品について
クラシエ薬品は漢方のプロフェッショナルとして、半世紀以上にわたり日本に暮らす人々の健康で豊かな暮らしをサポートしてきました。漢方薬を中心に一般用医薬品から医療用医薬品まで自社一貫体制の下で幅広く提供しています。
近年、健康の価値や暮らしのあり方が大きく変化している社会の状況を受けて、クラシエ薬品は漢方事業における医療用分野と一般用分野の連携を強め、「クラシエの漢方」として事業一体で漢方薬を通じた健康価値の提供を高めていくことに挑戦していきます。
漢方を通じて、日本に暮らす人々が自らの健康を総合的に見つめ、理想とする健康的な暮らしをつくることをサポートしていきます。