<食養生の認知度・イメージを調査>冬の季節の寒さに負けない体づくりへ“食養生”を解説!

~食養生は「体に良さそう」前向きなイメージが最多~

主なトピックス 1.食養生を知っていると回答した方の86.4%が漢方の考え方のひとつであることを認知 2.食養生のイメージは「体に良さそう」が最多 3.おすすめの漢方薬を解説

 漢方薬を中心とした一般用医薬品と医療用医薬品を販売するクラシエ薬品株式会社では、1年間を通して季節や流行に応じた漢方情報を発信してまいります。11月は『食養生の基礎』をテーマに、実態調査(※1)の結果やおすすめの漢方薬などについてご紹介します。

  • 食養生を知っていると回答した方は11%/20代の認知度が最多

 現代社会では、飲食物をいつでも簡単に手に取ることができるため、冬の季節でも冷たいアイスや飲み物を摂取する機会が増えています。また、飽食や食文化の変化により、旬の食材を取り入れない食事や加工食品の摂取など、自然の流れに則さない食生活が一般化しています。病気を未然に防ぐためには、季節や自分の体に合った食事を摂ることが大切です。漢方では、日頃の食材や食事の仕方によって健康を保とうとする「食養生」という考え方があり、食養生を生活に取り入れることにより、病気の予防を目指します。

 また、漢方には、食べるものと、薬になるものの源は同じという意味を持つ「薬食同源」という考え方もあり、自分の体調に合わせた食材を摂ることで体の調子を整え、病気になりにくい体質へ導きます。

 当社が行った調査では、「食養生」を知っていると答えた方は、わずか11%と、日常生活においてまだあまり馴染みのない言葉であることが分かりました。一方で、知っていると回答した方の内訳では、20代が最も高く、次いで30代が続くことから、意外にも年齢が低い方が食養生の認知が高い結果となりました。

  • 食養生を知っている方の86.4%が漢方の考え方のひとつであることを認知

 前問で食養生を知っていると回答した方(11%)のうち、食養生が漢方の考え方のひとつであることを知っているか尋ねたところ、86.4%の方が知っていると回答し、漢方とのつながりについては高い認知度であることが分かりました。

 食養生の基本である漢方では、人の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つで構成されていると考えられています。この3つは、お互いに影響しあっているため、十分かつバランス良くめぐることが大切です。これらの乱れを改善するために、体全体のバランスを整える=養生が重要になります。

※1 調査概要
○調査対象:全国の20代~60代の男女200名(有効回答数)
○調査期間:2023年10月30日 
○調査方法:インターネットアンケート/クラシエ調べ(クロス・マーケティング QiQUMOを利用した調査)

  • 「食養生」と聞いて、思いつくイメージは「体に良さそう」が最多

 続いて、「食養生」と聞いて、思いつくイメージを尋ねたところ、「体に良さそう」が最も多い回答となり、言葉からはポジティブなイメージを抱く方が多いことが分かりました。次いで、「野菜中心」「質素」「精進料理」のイメージが上位を占めています。

 また、「お金がかかりそう」「続かなさそう」「料理の際に手間がかかりそう」を回答する方は1割程度であり、食養生に対してネガティブなイメージを持っている方は多くはない様子がうかがえます

 性別では、全体的に見るとランキングの推移に大きな差は現れませんでしたが、「体に良さそう」のみ、男性が17.5%であるのに対して、女性は22.5%であり、5ptも差が広がる結果となりました。

  • 地球上のあらゆるものから成り立つ陰陽五行説とは?

 漢方は、「陰陽五行説」と呼ばれる思想に沿った考え方から養生を取り入れています。陰陽五行説は、古代中国に生まれた「陰陽説」と「五行説」の2つの説が結合して成り立っています。

■陰陽説
 陰陽説とは、「太陽と月」、「春夏と秋冬」といった地球上のあらゆるものが「陰」と「陽」から成り立っている考え方のことです。これは身体にも当てはまり、太陽が出ている間(陽)は積極的に行動し、太陽が沈み暗くなると(陰)睡眠に備えて体を休めることで健康が維持できるように、陰陽のバランスを保つことが大切になります。「陰」と「陽」を示したシンボルマークは陰陽太極図で、白色は「陽」、黒色は「陰」をイメージし、互いに共存している様子を表しています。

■五行説
 五行説とは、地球上のあらゆるものは、「木・火・土・金・水」の5つの要素から成り立っていると考える思想のことを指し、身体の働きを五行説に当てはめたものが五臓「肝・心・脾・肺・腎」です。5つの要素が、お互いに助け合ったり抑制したりすることによってバランスを保っています。

●木=肝
肝は、自律神経や情緒などをコントロールする臓腑で、気を巡らし、血を蓄えます。

●火=心
心は、精神や意識をコントロールし、血液循環を支える役割を担っています。

●土=脾
脾は、食事を消化吸収して気血水を作り出し、四肢や筋肉などに影響を与えます。

●金=肺
肺は、全身の気と呼吸をコントロールし、水分代謝にも影響を与えます。

●水=腎
腎は、人の成長や発育に関わりのある臓腑で、生まれながらに持っているエネルギーを蓄えています。

  • 約3,000年前から存在していた食養生!

 約3,000年前の中国には、「食医」と呼ばれた食物で病気を治療する医者がいました。他にも薬で治す「疾医(内科医)」、手術で治す「傷医(外科医)」、動物を診る「獣医」とよばれる医者がおり、そのうち最も高い位で重要とされていた医者が食医であったと言われています。
 中国の経書の一つ「周礼」では、日々の食事を通して皇帝の健康管理をすることで、病気と健康の間の状態である「未病」を発見したり、病気の治療や予防を行っていたことが書かれています。このように、食養生の考え方は昔から存在しており、身近に行うことができる健康管理法なのです。

  • 冬の季節の不調におすすめの漢方薬

漢方は、身体の中のバランスを整え、症状を改善するはたらきがあるため、不調にしっかり向き合いたい方におすすめです。食養生で予防し、漢方薬で治療をしてみてはいかがでしょうか。

<冷たい飲食物の摂り過ぎで、お腹を壊してしまった方向けの漢方薬>
胃苓湯(いれいとう)
「胃苓湯」は冷飲食の摂り過ぎで胃腸の働きが乱れ、冷えによる腹痛や消化吸収障害による吐き下しでお困りの方にお勧めの漢方薬です。お腹を温めながら、消化吸収の働きを正常な状態へ整えることで、腹痛や吐き下しといった症状を改善します。

<漢方セラピー>
胃苓湯エキスEX錠クラシエ
【第2類医薬品】
希望小売価格:1,100円/3日分(税込)
効能:体力中等度で、水様性の下痢、嘔吐があり、口渇、尿量減少を伴うものの
次の諸症:食あたり、暑気あたり、冷え腹、急性胃腸炎、腹痛

<普段からお腹が冷えやすく、痛んだり下痢になりやすい方向けの漢方薬>
桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
「桂枝加芍薬湯」は、普段から胃腸が弱っているために消化吸収機能が衰えて下痢しやすく、また普段より胃腸が冷えているため、腸が痙攣して腹痛を起こしやすい方にお勧めの漢方薬です。胃腸を温めて、消化吸収機能を高めることで腹痛・下痢を改善します。

<漢方セラピー>
「クラシエ」漢方桂枝加芍薬湯エキス顆粒
【第2類医薬品】
希望小売価格:1,980円/8日分(税込)
効能:体力中等度以下で、腹部膨満感のあるものの次の諸症:しぶり腹、腹痛、下痢、便秘
※「しぶり腹」とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すものを指します。

<普段から胃腸が弱く食欲のない方向けの漢方薬>
六君子湯(りっくんしとう)
「六君子湯」は普段から胃腸が弱く、胃腸の蠕動運動や消化吸収能力が衰えて、消化不良や食欲不振でお困りの方にお勧めの漢方薬です。弱った胃腸の機能を高めることで、消化を促し、食欲を増進します。

<漢方セラピー>
「クラシエ」漢方六君子湯エキス顆粒
【第2類医薬品】 
希望小売価格:2,640円/8日分(税込)
効能:体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐

クラシエ薬品について

クラシエ薬品は漢方のプロフェッショナルとして、半世紀以上にわたり日本に暮らす人々の健康で豊かな暮らしをサポートしてきました。漢方薬を中心に一般用医薬品から医療用医薬品まで自社一貫体制の下で幅広く提供しています。
近年、健康の価値や暮らしのあり方が大きく変化している社会の状況を受けて、クラシエ薬品は漢方事業における医療用分野と一般用分野の連携を強め、「クラシエの漢方」として事業一体で漢方薬を通じた健康価値の提供を高めていくことに挑戦していきます。
漢方を通じて、日本に暮らす人々が自らの健康を総合的に見つめ、理想とする健康的な暮らしをつくることをサポートしていきます。