【三菱ケミカルグループ】ニュースレター Vol.1 「三菱ケミカルグループの事業紹介」

日本の化学メーカー最大手の技術力で、世界的に注目される エレクトロニクス市場、ヘルスケア&ライフサイエンス市場に注力 ~ カーボンニュートラルはじめ未来に向けた課題解決に貢献 ~

日本の化学メーカー最大手である三菱ケミカルグループは、2025年度までの期間を対象とする経営方針「Forging the future 未来を拓く」を策定しました。本レターは、当社が注力する事業についてより多くの報道関係の皆様に知っていただきたく、経営方針から具体的な製品までご紹介します。

当社は今後、世界的に注目されている「エレクトロニクス」および「ヘルスケア&ライフサイエンス」の市場において特に力を入れていきます。これらの市場で、日本の化学メーカー最大手としての技術力で素材を提供することにより、カーボンニュートラルをはじめとした、未来に向けた世界的な課題の解決に貢献していきます。

contents 1  三菱ケミカルグループが最も力を入れている市場

三菱ケミカルグループでは、①市場の魅力度 ②グループの強み ③カーボンニュートラルの3つの評価基準に基づき、注力事業を選定しています。
3つの評価基準から、「エレクトロニクス」と「ヘルスケア&ライフサイエンス」の2つの市場を、最重要戦略市場と位置付けています。

contents 2 エレクトロニクス市場:未来の社会をつくる製品

エレクトロニクス市場では、三菱ケミカルグループのコア技術を用いて「EV」と「デジタル」領域をターゲットとしています。この領域内で、①GaN基板 ②炭素繊維 ③植物由来エンプラ ④負極材・電解液を中心とした製品の強化を目指します。未来の社会インフラとも関連している製品です。

contents 3  ヘルスケア&ライフサイエンス市場:生活に身近な製品

ヘルスケア&ライフサイエンス市場では、持続可能な食品供給に向けたイノベーションを牽引、またワクチンをはじめとする医薬品の開発後期段階プロジェクトの達成を図ります。①ハイガスバリア樹脂 ②高機能フィルム ③シュガーエステル(乳化剤) ④医薬品・ワクチンの製品は、食品ロスや新型コロナ等、現代社会の大きな課題と直結し、注目されています。

※本資料に掲示の画像はイメージを含みます。

contents 1  三菱ケミカルグループが最も力を入れている市場

三菱ケミカルグループの新経営方針「Forging the future 未来を拓く」では、市場の成長性、競争力、サステナビリティにフォーカス。評価基準に基づき、注力事業を選定しています。三菱ケミカルグループが競争優位性をもつ成長市場でのポートフォリオ運営によって、企業価値の最大化を目指しています。

【注力事業の評価基準】

三菱ケミカルグループの強み

カーボンニュートラルをベースに、市場の成長性や収益性をふまえ、さらに三菱ケミカルグループの強みが活かせる技術、製品のある「エレクトロニクス」と「ヘルスケア&ライフサイエンス」の2つの市場を最重要戦略市場と位置付けました。

contents 2  エレクトロニクス市場:未来の社会をつくる製品

エレクトロニクス市場では、「EV」と「デジタル」をターゲット領域としています。日ごろの生活で直接目にすることはありませんが、加速度的に変化していく製品であり、環境問題、社会インフラとも関連し、わたしたちの未来の生活を支えていく製品です。

世界的なカーボンニュートラルの動きと連動して、日本政府は、2035年までに乗用車の新車販売を電動車100%とする⽬標を策定。⾃動⾞の素材、EV用リチウムイオン電池の進化が加速しています。また、2022年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」では、「デジタル化やカーボンニュートラルの基盤」として「省電力性能に優れた半導体」の強化が明記されています。

①「GaN基板」〜未来の社会を支える縁の下の力持ち 

「GaN」は、金属の一種である「ガリウム」と「窒素」の化合物で、結晶構造をもつ半導体材料です。その物性から高速動作が可能で、かつ抵抗が小さく電力ロスが少ないパワー半導体の実現を可能とします。さらに、大容量の電力変換に対応することができるため、電力コンバータに使用することで排熱を抑えたより高効率な電力変換が可能となります。EVの非接触充電やインホイールモーター、走行可能距離の延長や再生エネルギー発電の効率改善などへの貢献が期待されています。また、シリコン製と比べて高速に電子を動かすことができることから、大容量データを瞬時に送受信できる高周波・光 通信デバイス等、次世代高速通信 「5G」やポスト5G通信への活用が期待されています。
以前は、高品質な「GaN」基板は製造するのが難しく、製造コストの面などからも量産が困難とされていましたが、三菱ケミカルグループでは、日本製鋼所と共同で世界最大級の「GaN」基板
製造設備を竣工。新たな製造技術を用いて「GaN」基板の量産に向けた実証実験を行っています。この実証実験を踏まえ、「GaN」基板の安定供給体制を構築するとともに、近年需要が増加するパワーデバイス用途に適用可能な6インチ基板の開発にも取り組んでいきます。

②炭素繊維〜EV車体の軽量化を実現 

炭素繊維SMC(Sheet Molding Compound)は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の中間基材の一種で、長さ数センチメートルにカットされた炭素繊維をプラスチック中に分散させたシート状の材料です。炭素繊維SMCは鉄に対し重さが1/3程度のため、車体の軽量化を実現し、CO2排出量の削減に大きく貢献します。航空機でもCFRPの適用が進められるなど注目の素材です。

SMCを採用した「GRヤリス」(写真提供:トヨタ自動車㈱)

③植物由来エンプラ~植物由来のプラスチックで車体を軽く、製造時のCO2削減も 

DURABIO™は再生可能な植物由来原料イソソルビドを使用したエンジニアリングプラスチックです。軽量であることに加え、高い耐衝撃性や耐熱性、耐傷付性をもち、透明性や耐候変色性も優れているため、自動車の内外装意匠部品に用いられています。従来のエンジニアリングプラスチックに比べ、製造時のCO2排出量を削減することができます。発色性がよく、顔料を配合するだけで鏡面のように平滑感・深みのある色合いを表現できるため塗装を省くことができます。さらに塗装やコーティングの作業時に発生するCO2やVOC(揮発性有機化合物)の発生を大幅に削減することが可能です。

上左:DURABIOTM
上右:マツダ「CX-8」内装部品(写真提供:マツダ㈱)
下:マツダ「CX-5」フロントグリル(写真提供:マツダ㈱)

④負極材・電解液〜EVの要であるリチウムイオン電池の素材 

三菱ケミカルグループの負極材は天然黒鉛を使用し、人工黒鉛を使用した製造品よりも製造時のCO2発生量が60%少ないのが特長です。高容量、急速充放電に優れた特性を示し、低温特性にも優れています。自動車用途では、トップクラスのシェア。日本、中国で生産しており、中国の能力増強を予定しています。また、新たに欧米での製造販売も検討中です。
また、電解液は、独自開発の機能性添加剤の使用により、電池性能向上に大きく貢献します。自動車用途では、トップクラスのシェアを抱え、日本、中国、米国、英国で生産しています。EVの需要拡大に伴い、各拠点で生産能力の増強を予定しています。

高性能電解液と負極材

contents 3  ヘルスケア&ライフサイエンス市場:生活に身近な製品 

ヘルスケア&ライフサイエンス市場では、「食品」と「ヘルスケア」をターゲット領域としています。環境の保護や食品ロス問題の解決策、人類を脅かすウイルス対策など、わたしたちの生活に密接に関連している製品です。

ハイガスバリア樹脂酸素を遮断し、加工品の長寿命化で食品ロスに貢献 

高いガスバリア性を有する食品包装材、ソアノールTMは、真空包装や窒素・炭酸ガス等を充填する包装に最適です。品質劣化につながる酸素を遮断するため、マヨネーズ容器などにも使用されています。コンビニでも買えるサラダチキン、ゼリーやレトルトご飯の容器など身近な商品に幅広く使われています。食品ロスのみならずプラスチックの使用量の削減にも貢献します。環境配慮製品ニーズの高まりによる世界的な需要拡大を受け、英国での製造能力増強も予定しています。

②高機能フィルム️〜医薬品にも使われる高機能フィルムでおいしさをキープ 

高性能フィルム包装材、ダイアミロン®️は独自の技術で複数のプラスチックを積層し、酸素バリア性や耐ピンホール性などさまざまな性能を付与した製品で、透明性にも優れています。真空包装などの食品包装用途をはじめ、輸液や薬液バッグなど医薬・医療品の包装としても使われています。

ダイアミロン®️使用製品

食品製造は、加工などの工程にはじまり、廃棄された食品を生ゴミとして処分するところまで、全工程を通じてGHGを排出します。中でも、大きな食料システムにおいて消費者に近い問題が「食品ロス」です。廃棄された食品を生ゴミとして焼却処分することは、GHG排出につながります。世界のGHG排出量のうち、食品の廃棄によるものは、全体の8%から10%を占めているといわれています。

食品の長寿命化を実現する高機能な食品包装材は、食品ロスの発生を抑えるだけでなく、食品の廃棄によるGHG排出量を減らし、カーボンニュートラルに貢献します。おいしさを長持ちさせる包装材を使用した食品は、災害に備えたストックにも最適なほか、コロナ禍においても買い物回数の削減に役立つなど、新しい生活様式を支えています。

シュガーエステル日本から世界に広がる乳化剤 

ショ糖(砂糖)と植物油由来の脂肪酸から作られる食品用乳化剤、リョートー™シュガーエステル(ショ糖脂肪酸エステル)は、40年以上前から食品添加物として認められており、缶コーヒー、ホイップクリームをはじめ、幅広い食品や工業製品等に使用されています。三菱ケミカルグループはショ糖脂肪酸エステルのシェア世界一を誇ります。中国や東南アジアを中心とした需要に応えるための製造能力増強も予定しており、2023年夏に新工場が稼働する予定です。

医薬品・ワクチンと向き合うすべての人に、希望ある選択肢を。 

三菱ケミカルグループの田辺三菱製薬は、前身となる田辺製薬から数えると340年以上の歴史があり、世界で2番目、 日本で最も歴史ある老舗企業の一つです。主に、病院で医師から処方される「医療用医薬品」の研究開発を行っています。現在、社会課題に対応し、阪大微生物病研究会と共同で5種混合ワクチンの開発を進めており、グループ傘下のメディカゴ社では植物を使用したワクチン開発にも取り組んでいます。また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬である「ラジカヴァ」を提供しており、2022年5月にはその経口剤である「ラジカヴァ ORS」が米国で承認され、6月より販売を開始しました。点滴静注製剤である「ラジカヴァ」に加え、経口剤を提供することで、ALS患者さんの負担軽減に繋げています。その他、赤芽球性プロトポルフィリン症やパーキンソン病などの治療薬開発を行っており、難病を抱える患者さんに新しい治療の選択肢を届けるための取り組みを進めています。

植物を使用したワクチンの製造風景

本件に関するお問い合わせ先

三菱ケミカルグループPR事務局〔共同ピーアール株式会社内〕 担当:阿蘇品(あそしな)、大塚

TEL:090‐8035‐1387 FAX:03-4540-8325 MAIL:mchc-pr@kyodo-pr.co.jp 

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