神戸の都心から30分で標高931mへ 国立公園・六甲山上が、ニューノーマル時代の 自然調和型オフィス空間に

~観光・ビジネス・ワーケションなど国内で唯一、自然と利便性が融合した環境~

他県にはない都市近接型の国立公園「六甲山」が進化します!

他県にはない都市近接型の国立公園「六甲山」が進化する

神戸の市街地を囲む山、六甲山ほど都市に近接した国立公園は日本全国でもほかにない。

神戸の都心三宮から30分、車やバスだけでなくケーブル・ロープウエイと、気分に合わせたアクセスが揃っていて、自らの足で登るトレッキングはもちろんのこと、最近のロードバイク人気から自転車を漕いで登る人の姿もある。

山上では、歴史あるホテルがリノベーションされ、牧場でのチーズ作りや石窯ピザづくり、日本有数のゴルフ場のほかに、ロッククライミング、スキーやカヌーといったアウトドアスポーツが楽しめる。2021年春には日本最大級のアスレチックフィールド「六甲山アスレチックパークGREENIA(グリーニア)」(六甲山観光株式会社)がオープンし、レジャー地としての魅力が高まっている。

これまで観光地やアウトドアフィールドとして親しまれてきた六甲山であるが、いま、国立公園のポテンシャルをさらに引き出す新たな取り組みが進んでいる。

新型コロナウイルスが猛威を振るうずっと以前から、自然保護のための厳しい規制がかかる国立公園という枠組みの中で、貴重な自然の保全と両立を図る形で新たな取り組みを進めており、withコロナ時代を見据えた先駆的な事業展開に、一層、注目が集まっている。

※ご取材対象については、5ページ下部をご参照ください。

観光だけでなくビジネス拠点、ワーケーションにも

六甲山は、豊かな自然環境に加え、景観とレクリエーション機能の高さから、昭和31年に瀬戸内海国立公園の六甲山地区に指定されたという経緯を持つ。当時、「山上より四周の展望はすこぶる雄大で、全国に比べるものがなく」「利用方法はすこぶる多角的である」と評価された点が特徴的である。

都心からの近さに加え、まちとして郵便局、交番、小学校が山上にあるなど、生活するにも安心で快適な場所であり、戦前から保養所や観光施設が集積している。

最近、各地でも自然調和型のワーケーションの受け入れに向けたキャンプサイトの整備等が脚光を浴びているが、六甲山上は、何時間もかけて訪れて不便な生活も我慢して…という場所ではなく、豊かな自然と利便性が融合した環境となっている。

とはいえ、法律の縛りの中で、自然保全と利用促進の両立を図ることは容易ではなく、時代に合わせた活性化を図ろうとしたとき、国立公園ならではのハードルがあった。

六甲山のポテンシャルを引き出す規制緩和の道のり

六甲山は、自然公園法や都市計画法、森林法、砂防法、建築基準法…その他条例も含め何重にも法令による規制の網がかかっている。

神戸市は、2016年頃から本格的に、自然保全を前提としながらも六甲山の利用価値・付加価値を高めるための規制緩和に向けて、国や兵庫県とともに取り組みをはじめ、地元や民間企業とともに「賑わい創出事業(2017年~)」を展開している。2018年8月には、六甲山上のポテンシャルを引き出せるよう、六甲山を集団施設地区に指定し、利用を推進するエリアを定めた。

また、2019年4月に「六甲山地区における土地利用運用基準」を改正し、六甲山上の既存建築物について、建替・改修に加え観光資源の有効な利用上必要な建築物の新築が可能となるよう基準を緩和した。具体的には、戦前に建てられた個人別荘をカフェ併設の研修施設に建て替えが行われている。

次に、企業保養所やアトリエ等を「新築」できるように都市計画法の建築行為等の基準を緩和した(2019年4月)。これまでの既存建物の建替・改修に加え、「新築」できることで、活用の範囲が広がった。

さらに、これまで公園施設としては認められなかったコンドミニアム型(会員制)のホテル等を一定条件のもと設置できるように、自然公園法の審査基準を緩和した(2019年9月)。

この時期、神戸市内の私立大学のセミナーハウス跡地に新築された「ホテル神戸六甲迎賓館」(株式会社エイム)、国の近代化産業遺産にも認定された「旧六甲山ホテル」を改修した「六甲山サイレンスリゾート」(八光自動車工業株式会社)、安藤忠雄氏が設計する六甲山上の教会三部作のひとつ「風の教会」など、賑わいが創り出されている。

そして、2019年12月からは、クリエイティブな都市型創造産業に関する事務所については、オフィスへの建替・改修が可能となるよう都市計画法の建築行為等の許可基準を緩和した。

この規制緩和を後押しするべく、2020年4月 に新築・建替・改修の補助上限額の増額、6月に都市型創造産業に資する事務所の建替・改修経費の補助の新設など、制度を強化した。クリエイティブな業種のレンタルオフィス等を六甲山上に設置する場合、神戸市が施設の建替や改修費用を最大で3千万円補助する。

これを受けて、「アマデラスホールディングス」(神戸市須磨区)が、六甲ケーブル山上駅北側すぐの場所にある「653(ロッコウサン)カフェ」の自社敷地内にオフィスを増築し、本社機能を六甲山に移転する計画に対して市が補助を行う。
また、「リネスト・ジャパン」(神戸市灘区)が元保養所の建物の内装などの改修工事を行い、レンタルオフィス(4室)とコワーキングスペースに転用する計画に対して補助を行うことが決まっている。
リネスト・ジャパンの代表はシンガポールから来日し、全国の自然調和型環境の中から六甲山を選んだ方であり、オフィス空間としての六甲山の魅力を母国の企業にも届けてくれている。
株式会社アマデラスホールディングス
代表取締役 坂井幸嗣さん
「市街地から30分で、野ウサギが跳ね、フクロウが鳴く六甲山。他では得られないこの環境で仕事ができるのは神戸だけ。オフィスの完成が楽しみです。」

 

ネスト・ジャパン合同会社
代表社員 テン ジン ユさん
「神戸市は六甲山上スマートシティという最先端の計画を始動した。今こそ企業がこの精神を受け継いで、神戸市民の皆様がこの恩恵を受けられるように動き出す時です。」

つながりとイノベーションを生む共創空間へ

相談窓口「森のオフィス」では、山上にて「都市型創造産業に資するオフィス」等を設置・運営しようとする事業者からの物件に関する問い合わせや、山上に有効活用したい物件を所有する皆様からの活用策等の相談に対し、六甲山上の不動産事情に精通する担当者が相談に応じ、六甲山上でオフィス開設を考える企業の方々が利用できる各種の補助金や支援申請のサポートを行う。
2021年3月、交流拠点として六甲山上に共創ラボ「ROKKONOMAD ロコノマド」がオープンした。この建物自体も、大手企業の元保養所であった個人山荘を改修して活用。なお、ROKKONOMAD にはマネージャーが常駐し、神⼾での滞在に関することや⼈脈形成の点から、利⽤者のサポートを⾏う。今後、周辺のワークスペースやホテル、カフェ、市街地のコワーキングスペース等と連携し、ROKKONOMAD を拠点に、六甲⼭に2〜4週間程度滞在し、⾃然の中での創作活動やワーケーション体験を⾏ってもらう「ワーク・イン・レジデンス」や、進出企業や地元クリエイター、周辺住⺠等を対象としたワークショップ等様々な交流⾏事を開催予定。
また、光回線によるブロードバンドサービスの提供や、山上での水道料金体系の値下げなどインフラ面でも快適性を後押しする。

ロコノマドマネジャー ヤンセン 尚子氏

ロコノマドで体験してほしいのは、「仕事の合間を⾃然の中で過ごす」ワークスタイル。ここは「泊まれる森のシェアオフィス」ですが、一過性のワーケーションの場ではなく、集う⼈たちがつながって、ビジネスが生まれていくようなコミュニティーとして進めていきたいと考えています。

さらには、最先端テクノロジーを活用することにより、高度な市民サービスの実装に向けた実証事業を支援している。これまで複数荷主による荷物混載ドローン配送や顔認証技術を用いた子ども見守りサービス、ウェアラブルIoTソリューションを活用したワーケーションプログラム、AIボットを活用した情報発信が取り組まれるなど、六甲山上での市民向けデジタルサービスの実装化に向け、企業側の関心も高まりつつある。
また、神戸市の最高地点である六甲最高峰(標高931m)エリアにおいては、登山や観光で訪れる方がより便利で快適に利用できるよう、六甲山や兵庫県産木材を用い、周辺景観にマッチするデザインのトイレ棟の建設や、周辺の芝生広場、山頂への周遊路などの整備を行うとともに、六甲山上地区における案内板整備を進めている。

神戸市は、withコロナ時代の都市戦略のひとつとして、六甲山上において自然環境を活用した多様な働き方の実現を目指しており、観光地としての六甲山は、いま、新しい相貌を見せようとしている。

【参考サイト】
○六甲山上スマートシティ構想
https://www.city.kobe.lg.jp/a05822/shise/kekaku/kikakuchosekyoku/creative-smart-rokko-mountains.html
○泊まれる森のシェアオフィス ROKKONOMAD
https://rokkonomad.org/

【ご取材について】

実際に「賑わい創出事業」や「都市型創造産業振興事業」の助成を受けて六甲山上に進出している民間企業等への取材が可能です。
○共創ラボ「ROKKONOMAD ロコノマド」(六甲山スマートシティ運営共同事業体(株式会社いきいきライフ阪急阪神・有限会社Lusie))
○株式会社アマデラスホールディングス 代表取締役 坂井幸嗣 様
○リネスト・ジャパン合同会社 代表社員 テン ジン ユ 様
〇ロコノマドマネジャー ヤンセン 尚子氏
○神戸市長や、実際に規制緩和に取り組んだ市職員

●オンライン上での報道資料公開●
PRTIMES(リリース):https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/78202
PRTODAY(リリース・ニュースレターなど):https://www.pr-today.net/a00424