神戸の歴史遺産を未来に継承します! 「第1回神戸歴史遺産の認定」及び「ふるさと納税」 による寄附募集を開始

神戸市は、伝統行事の継続と地域の建造物の維持を目的とする独自の文化財保存・活用制度として「神戸歴史遺産の認定」を創設すると同時に「ふるさと納税」で経済的支援を広く求めていきます。

1.制度の背景と経緯

少子高齢化や地域社会の変化等により、これまで地域が支えてきた伝統行事の継続や、地域の拠り所となってきた建造物の維持が危ぶまれています。法や条例によって文化財指定等を受けたものに対する修理等の補助制度はありますが、所有者等にとっては自己負担も大きく、さらに未指定のものには助成はほとんどありません。両者共に、これらを支えてきた関係者の減少により、その認知度も低下し、さらに経済的負担が増加しています。
このような状況に対して、神戸市独自の文化財の保存・活用制度として神戸歴史遺産制度を創設し、歴史遺産に対する認知度の向上や継承意欲の醸成及び経済的支援を広く求める仕組みとしました。

2.第1回認定

5件を神戸歴史遺産として認定します。

  名称 内容 申請者 所在地

1

六甲ケーブル六甲山上駅 六甲山上駅の駅舎 六甲山観光株式会社 灘区六甲山町

2

湯女を起源とする有馬芸妓文化 有馬温泉街における歴史的な文化 有馬伝統文化振興会 北区有馬町
3 「武井家文書」および「武井家伝来絵画資料(粉本)」 武井家の近世近代文書と粉本 一般財団法人武井報效会(百耕資料館) 須磨区板宿町
4 安徳帝内裏跡伝説地 安徳宮 石灯籠 他 一の谷史跡保存会 須磨区一ノ谷町
5 宮野尾神社の獅子舞 中山地区の獅子舞(秋祭り) 中山協議会 垂水区名谷町

3.神戸歴史遺産の認定要件

指定等文化財以外を新たに「神戸歴史遺産」に認定するための要件。
(1)概ね文化財の種類に属するもの(歴史的な伝統行事、建造物等)
(2)神戸市域の歴史的特性を現すもの
(3)概ね50年以上の歴史のあるもので、市民等により継承された実績のあるもの
(4)神戸市内に存在、もしくは神戸市内を拠点とするもの
(5)所有者等が明確で認定の合意が得られたもの

4.認定概要

(1)六甲ケーブル六甲山上駅(ろっこうケーブルろっこうさんじょうえき)
所在地 : 神戸市灘区六甲山町一ヶ谷1番32号
所有者 : 六甲山観光株式会社
昭和7年3月10日六甲ケーブル開通時の建造物で、地下2階、地上3階の鉄筋コンクリート造の駅舎です。アール・デコ風の建築様式を取り込んだモダンなデザインが特徴。昭和初期の山上のハイカラなレジャー文化を感じられる現存建物として貴重な存在で、六甲山観光の玄関口として果たしてきた役割は大きく、六甲山のシンボル的存在です。

現在の様子

当時の様子

 

2)湯女(ゆな)を起源とする有馬芸妓文化(ありまげいこぶんか)
所在地   : 神戸市北区有馬町790番地の3
保存関係者 : 有馬伝統文化振興会
江戸時代には、有馬温泉の名は有馬湯女と有馬節により全国に広まりました。          
明治時代に湯女は廃止されましたが、有馬芸妓はその唄や踊りによって有馬温泉の文化を引き継いでいます。湯女を起源とし、温泉街の歴史的な変遷を文化として体現している貴重な存在です。今後も文化を継承する意欲も強く、有馬温泉街での期待も高く、新たな取組も行われています。

現在の有馬芸妓

入初式に向かう行列(昭和36年頃)

 

(3)「武井家文書(たけいけもんじゅ)」および「武井家伝来絵画資料(粉本:ふんぽん)
内訳 武井家文書:10677点(枝番あり)、武井家伝来絵画資料(粉本):2000 点
所在地 : 神戸市須磨区板宿町2丁目2-1
所有者 : 一般財団法人武井報效会
「武井家文書」 須磨区旧板宿村の庄屋に残された、近世から近代の地域社会の動向と名望家の文化的活動の様子を克明に伝える文書及び絵図などで構成された資料群です。
「武井家伝来絵画資料(粉本)」 絵画資料としてだけではなく、地方絵師の絵画制作の過程について触れることができる貴重な資料です。
昭和63年に開館した百耕(ひゃっこう)資料館において保存・調査・研究・公開が行われています。

板宿村絵図  天保14年(1844)(百耕資料館所蔵)

木槿狗子図(原作者:円山応挙)(百耕資料館所蔵)

 

(4)安徳帝内裏跡伝説地(あんとくていだいりあとでんせつち)
所在地 : 神戸市須磨区一ノ谷町2丁目74-2(約250㎡)
管理者 : 一の谷史跡保存会  
 江戸時代から源平合戦にまつわる伝説地として広く認識されています。
寛文7年(1667)に作成された『摂津名所地図(せっつめいしょちず)』に安徳帝内裏跡の記載があ
ります。
松尾芭蕉の紀行文『笈の小文(おいのこぶみ)』や江戸時代の多くの名所記などに紹介されました。
明治時代以降も、地域住民により石碑や玉垣などがつくられ、現在まで保全活動が続けられており、地域の歴史を伝えるものとして活用を目指しています。

伝説地石碑 

安徳帝内裏跡伝説地 

 安徳宮

 

(5)宮野尾(みやのお)神社の獅子舞
所在地   : 神戸市垂水区名谷町字梨原2349番8、2366番9
保存関係者 : 中山協議会
宮野尾神社を核とした中山地区の10月の秋祭りの行事として、昭和初期頃からほぼ形態を変えずに収穫の感謝と翌年の豊作を祈願する獅子舞が継承されています。地区の若者が、獅子舞を舞う明神講(みょうじんこう)を組織する体制も変わらず受け継がれています。時代にあわせた日程に変更し、年齢制限を緩和するなど柔軟に工夫して続けており、今後も精力的に継承されていきます。

 神社での獅子舞

 

5.神戸歴史遺産全体へのふるさと納税による寄附募集開始

 令和3年7月21日(水) ふるさと納税による寄附募集を開始します。
 詳しくは、下記ふるさとチョイスのページをご覧ください。
 https://www.furusato-tax.jp/city/usage/28100 

6.今後の予定

令和3年7月28日(水)15:30~16:00 第1回神戸歴史遺産認定式(出席は関係者のみ)
場所:神戸市役所1号館14階大会議室
令和3年8月  神戸歴史遺産支援事業助成対象事業申請受付
令和3年10月(予定) ふるさと納税による個別の寄附募集開始

7.第1回認定の詳細と神戸歴史遺産について

  第1回神戸歴史遺産認定概要書、神戸歴史遺産のパンフレット、令和2年度寄附の実績、寄附の活用実績などを掲載しております。下記URLをご覧ください。
https://www.city.kobe.lg.jp/a21651/kanko/bunka/bunkazai/estate/oshirase/koberekishiisan.html

●オンライン上での報道資料公開●
PRTIMES(リリース):https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/78202
PRTODAY(リリース・ニュースレターなど):https://www.pr-today.net/a00424