~約6年間で刑法犯認知件数4割減の加古川市~ 最新技術のAIでまちの安全を守る 加古川市の「見守りカメラ・見守りサービス」とは

 兵庫県加古川市は、現在、通学路や学校周辺を中心とした市内全域に1,571台の見守りカメラを設置しています。全国屈指の見守りインフラが整備されている加古川市。市民団体や民間企業などと協働し、見守る”目”を増やすことで安心・安全なまちを目指しています。

●加古川市の刑法犯認知件数が4割減!
 市民を守る「見守りカメラ」

 犯罪及び交通事故の未然防止を目的として、平成29年度から通学路や学校周辺を中心に900台の見守りカメラを設置し、翌年度には公園周辺や駐輪場周辺、主要道路の交差点などを中心に575台を追加で設置しました。さらに、AIを搭載した「高度化見守りカメラ」も設置しています。
 また、すべての見守りカメラには「ビーコンタグ(BLEタグ)検知器」が内蔵されており、こどもや、認知症により行方不明の恐れがある方の位置情報履歴を保護者やご家族にお知らせする見守りサービスの普及にも取り組んでいます。

[見守りカメラの種類]

(a) (b) (c)
(a) 見守りカメラ

主な設置場所:通学路や学校周辺、駅周辺、公園周辺、駐輪場周辺、主要交差点など
目的:犯罪・交通事故の未然防止の仕組みを強化
設置台数:1,418台
基本機能:見守りカメラにビーコンタグ検知器が内蔵されており、ビーコンタグ情報を検知することにより、位置情報履歴をお知らせするシステム

(b) 高度化見守りカメラ(Ⅰ型・Ⅱ型)

主な設置場所:通学路や学校周辺、駅周辺、公園周辺、駐輪場周辺など
目的:犯罪・交通事故の未然防止の仕組みを強化
設置台数:150台(うちⅠ型100台、Ⅱ型50台)
特化機能:
Ⅰ型 AIが悲鳴などの異常音を検知し、カメラ付近にいる人にスピーカーの音声と回転灯で危険を知らせる。
Ⅱ型 AIが車両の接近を検知し、歩行者にスピーカーの音声と回転灯で注意喚起を行う。また悲鳴などの異常音を検知し、カメラ付近にいる人にスピーカーの音声と回転灯で危険を知らせる。

(c) 高度化見守りカメラ(危険運転検知特化型)

主な設置場所:信号のある交差点
目的:歩行者等と巻き込み事故を未然に防ぐ
設置台数:3台
特化機能:AIが車両の接近を検知し、歩行者にスピーカーで注意喚起を行う。

●近年、増え続ける児童誘拐や認知症行方不明への一手として

 警察庁が発表した2024年の13歳未満のこどもが被害者となった刑法犯認知件数のうち、最も多かったのが略取・誘拐(50.8%)でした。こどもの被害件数は全国的にも近年上昇傾向にあります。(※1)
 また、兵庫県が抱える問題が認知症の行方不明者。都道府県別でも認知症患者の行方不明届出件数がトップで、2023年には県内だけでも2,094人にのぼりました。
全国的にも11年連続で最多となっています。(※2)
 そこで、加古川市では、見守りカメラを活用し、こどもや認知症高齢者をはじめとする市民の「見守りサービス」にも力を入れています。

※ビーコンタグを利用する高齢者の家族のアンケートでは、64%の方がビーコンタグを使って居場所を発見できたと回答。

 

(※1)警察庁―第1項 子供の犯罪被害対策
https://www.npa.go.jp/hakusyo/h25/honbun/html/pf221000.html
(※2) 令和5年における行方不明者の状況―警察庁
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/R05yukuefumeisha.pdf

[見守りサービスとは]

加古川市と複数の民間事業者が取り組む官民協働事業です。

見守りカメラには、ビーコンタグ(BLEタグ)検知器が内蔵されており、ビーコンタグを持った対象者が見守りカメラ付近を通過すると、その位置情報履歴が専用アプリを通じて保護者やご家族に通知されます。

 

▼見守りカメラ及び検知ポイントの確認はこちらから
https://www2.wagmap.jp/kakogawa/Map?mid=33&mpx=134.8463010988649&mpy=34.75673813612078&mps=25000&mtp=pfm&gprj=3

 

加古川市では小学1年生および認知症高齢者等にはビーコンタグを無償提供(※3)

(※3) 市内では複数の民間事業者が見守りサービスを提供しています(有償)。

●市民による「ながら見守り活動」でとことん“目”を増やす施策も

 見守りカメラや見守りサービスだけでなく、市民が一体となって創り上げる安全・安心なまちを目指し、「ながら見守り活動(買い物やウォーキング、犬の散歩等の日常生活の中で、少しだけ防犯の視点を持って、地域を見守る取り組み)」にも力を入れています。
 誰もが参加しやすく、参加したくなる施策として、2025年4月から「ながら見守り活動」中にスマホがビーコンタグ検知器になる「みまもりアプリ」を起動し、条件を達成した人に、ウェルピーポイントを付与しています。

▼みまもりアプリの詳細はこちらから
https://www.city.kakogawa.lg.jp/soshikikarasagasu/kikakubu/jouhouseisakuka/ict_1/42116.html

▼かこがわウェルピーポイント制度の詳細はこちらから
https://www.city.kakogawa.lg.jp/soshikikarasagasu/shiminbu/kyoudou/point/1522210591331.html

どなたでも見守りボランティアとして活動することができ、ボランティアが増えれば、見守りサービスの検知率・精度が向上し、見守り強化へとつながります。こうした市民参加型の見守り体制が充実することで、安全・安心のまちづくりが実現します。

●「見守りカメラ」が、災害時に市民を守る重要な役割に

 一部の見守りカメラでは、搭載されたスピーカーから災害情報や緊急情報を発信することができます。また、市役所から高度化見守りカメラにテキストを送信することで任意のメッセージを放送することも可能です。
加古川市の「見守りカメラ」は犯罪や交通事故だけでなく、災害や緊急時にも一役を買っています。