蘇れ!横山大観が描いた光「雲去来」修復プロジェクト|熊本県が県庁初のガバメントクラウドファンディング®に挑戦!

 熊本県(知事:蒲島 郁夫)は、熊本県立美術館が所蔵する横山大観作「雲去来(くもきょらい)」を修復するため、「ふるさと納税」制度を通じて行うクラウドファンディング(ガバメントクラウドファンディング®)を実施します。寄附者はふるさと納税を通じて募集するため、感謝の品(返礼品)(※県外在住者のみ)や各種税控除を受けることができます。受付期間は2023年10月3日(火)から12月31日(日)まで、目標金額は14,602,000円です。
 寄附額が目標金額に達しなかった場合も、本プロジェクトの実施費用の一部として活用します。また目標以上の寄附をいただいた場合、他の細川家ゆかりの美術工芸品等の修復費として活用します。

修復作品「雲去来」について

 「雲去来」は近代日本画の巨匠・横山大観が106年前に雨に煙る琵琶湖を描いた屏風絵の傑作です。墨の濃淡と“ぼかし”によって、雲が行き来する風景が表現されています。
 作品の裏側に金箔を貼り付ける「裏箔」という技法が使用されており、この技法によって水墨画が描かれている絹の織目の隙間から金箔の光が透けて見え、絵の中に柔らかな「光」や「空気感」が生み出されています。
 しかし、現状では経年劣化による全体的な汚れや染みが目立ち、画面にゆがみが生じています。また、屏風のつなぎ目の周辺に亀裂が生じ、屏風縁や屏風裏面にもキズや損傷が見られます。
これらを修復し、横山大観による本来の表現を蘇らせ、多くの皆様に見ていただくことによって作品本来の素晴らしさを後世に伝えていくことを目的としています。

雲去来(横山大観・大正6年 熊本県立美術館所蔵)

熊本県立美術館本館のご紹介

熊本県立美術館本館は、特別史跡「熊本城跡」の二の丸広場の一角に位置し、古代から現代美術までを網羅する総合美術館として昭和51年3月に開館しました。
平成20年4月には「細川コレクション永青文庫展示室」が開館し、熊本ゆかりの永青文庫の名品を常時ご覧いただくことができるようになりました。

■住所:熊本市中央区二の丸2番
■電話:096-352-2111
■休館日:月曜日
■開館時間:9時30分~17時15分

【熊本県立美術館長からのご支援のお願い】

 近代日本画の巨匠・横山大観の代表作である「雲去来」は、日本近代美術の後援者であった細川護立氏が収集し、その後当館にご寄贈いただいた名品の一つです。

 完成から百年を経て、傷みが激しいため、一日も早い修復が必要な状態です。雨に煙る湖と光を表現した作品本来の美しさを取り戻し、後世に伝えるためにも、是非多くの皆様のお力添えをお願いいたします。

熊本県立美術館 館長 早田 章子

ガバメントクラウドファンディング®の概要

 ガバメントクラウドファンディング®とは、自治体がふるさと納税制度を通じて行うクラウドファンディングです。
ふるさと納税制度を通じて募集するため、一定の限度内で寄附を行うと、寄附額の2,000円を超える部分について所得税や住民税の還付・控除が受けられます。
■修復品:雲去来(作:横山大観、熊本県立美術館所蔵)
■目標金額:14,602,000円
■募集期間:令和5年(2023年)10月3日(火)~12月31日(日)の90日間
■修復期間:令和6・7年度の2か年 ※ お寄せいただいた寄附金は、目標金額に達しない場合も、全て「雲去来」の修復に充てられます。また、目標金額を超える寄附が集まった場合には、その他の細川コレクションの修復費に充てさせていただきます。

【感謝の品(返礼品)について】

 熊本県の「ふるさと納税の感謝の品」全てから選ぶことができます。旬のフルーツや馬刺し、あか牛、観光体験や旅行クーポンなど熊本県の魅力あふれる感謝の品を多数ご用意しています。

 また、本プロジェクト限定の感謝の品として、寄附額50,000円以上で「熊本県立美術館学芸員の案内・解説付き特別観覧」をご用意しました。特別観覧は、普段は非公開の美術館のバックヤードや、過去に修復を行った美術館収蔵の細川家ゆかりの美術工芸品をケース越しではなく直に観ることができる特別ツアーを予定しています。また、学芸員の解説を聞きながら展覧会を鑑賞することもできます。(令和6年度実施・30人限定)

 なお、返礼品の贈呈は熊本県外在住者のみに限りますので、ご了承ください。

【寄附の手順】

【寄附の手順やプロジェクトについてのお問い合わせ先】

熊本県教育庁教育総務局文化課文化財活用班
TEL:096-333-2707
FAX:096-384-7220
E-MAIL: bunka@pref.kumamoto.lg.jp