個人投資家こそETFの活用を! おすすめの活用法と、プロに聞く今注目のETF銘柄3選

 2024年は新NISAのスタートや日経平均株価の史上最高値の更新に始まり、8月上旬には歴史的な下げ幅も記録するなど、資産運用業界にとって話題に事欠かない年になりそうです。
当社の取り扱うETFにおいては、8月上旬の株価の大幅下落までは、個人投資家からの資金流入規模が新NISA前と比較して4.5倍(※)まで拡大していました。
そこで今回は、個人投資家がETFに投資する際に抑えておくべきポイントや、株価下落時の考え方、今注目のETF銘柄について解説します。 

 

※各証券会社への当社ヒアリング

(左から)Global X Japan 株式会社 営業第一部 ディレクター 千田 真/ 部長 長谷川 誠/アシスタント・ディレクター 山田 陽太

 

コア・サテライト投資戦略で、サテライトに旬や気になるテーマを組み入れ

Q、個人投資家が新NISAでETFを買う時のポイントは?

長谷川 

 「コア・サテライト投資戦略」に則って、安定運用する「コア」と、積極的に運用して高いリターンを目指す「サテライト」に分けて考えてみてはいかがでしょうか。
 具体的には「コア」をメインに据えて、「サテライト」にその時々の旬なテーマを組み入れることをお勧めします。

 当社ではコアはもちろん、サテライトとなりうる幅広いラインアップを揃えています。   その上、多くの商品に少額から投資をすることができます。

 資産運用は、資産を増やすことが絶対的な目的ではありますが、自分自身が興味・関心を持っている分野に投資をすることで、生活に彩りを加えるという観点や、視野が広がるという利点もあると考えています。

 例えば半導体関連の商品に投資をしていたとすると、日々の半導体関連のニュースが他人事ではなく自分ごとになる、という具合です。

 個人投資家の方であれば、まずは気になる会社やテーマ(分野)に、少額からでも投資をしてみてはいかがでしょうか。投資を通じて世の中の動きに対する情報感度が高まり、生活にハリが生まれるのではないかと思います。

 初心者こそ、ドルコスト平均法で下落の恐怖に打ち克つ!

Q、直近では8月に日経平均株価の大幅な下落がありました。投資初心者は日々の価格変動に一喜一憂してしまいますが、株価の下落や資産の減少の恐怖に打ち克つコツはありますか?

長谷川 

 正直、我々のような金融機関で働いている人間にも、1週間後や1年後の相場は分かりません。結果として、究極的には誰にも分からない世界です。
 だからこそ、月並みではありますが初心者こそ「ドルコスト平均法」で、常に一定の額を定期的に投資に回すことが大切だと考えます。株価の下落局面では「資産が減ってしまった」という事実はある一方で「今なら安く買える」と、ポジティブに考えることも大切だと考えています。
 また、運用中のリスク資産(株式やETF等)を売るという行為は、「現金が必要だから換金する」という考え方も大切です。「高値で売りたい」という思いが先行すると、後々「あの時、売らなければよかった」と後悔する原因にもなります。家や車など高額な買い物やお子さまの学費など、明確な現金の使い道がある売却であれば、自分自身が納得をすることができます。
 実際、機関投資家のようなプロの投資家も同様です。例えば、事業計画の達成のため利益計上が必要だから株式を売却する、といった具合です。
 個人投資家の皆さんが、その時々の株価だけを見て判断し売買することは難しいからこそ、「今すぐに使わない余剰資金は運用し続ける」という発想が大切です。
 特にインフレ下の経済では物価は上昇し続けます。物価が上がり企業の業績が改善されれば、株価も上昇すると考えられます。こうした流れの恩恵を受けるべく余剰資金は投資に回し、必要な際に現金化をすれば良いと考えています。

プロが語る、注目のETF銘柄3選

Q、今、注目のETFを教えてください。

 山田 

 直近で注目しているのは「グローバルX 革新的優良企業ETF(178A)」です。世界のイノベーションをリードしている優良大型企業15社に集中投資をする、今年の4月に上場したファンドです。個人投資家からの注目度も高く、資金もかなり流入しています。
 15社の内訳としてはGAFAM(Google、Amazon、Facebook(現・Meta)、Apple、Microsoft)をはじめ、以下の4つの分野で代表的な銘柄をピックアップしています。

(1)  半導体
(2)  AI・ビッグデータ
(3)  ヘルスケア・バイオテクノロジー
(4)  次世代モビリティ

 こうした集中投資ファンドは当社のETFを皮切りに、他社も積極的に出していますが、他社との大きな違いは、ヘルスケア関連銘柄の取り扱いです。当社ではヘルスケア分野もイノベーションの1つと捉えており、肥満症治療薬の開発をして注目を集めているイーライ・リリー社も組み込んでいます。今後、人類の生活を豊かにするテクノロジーの1つとして期待できる銘柄です。そのため世界的な優良企業に集中投資できるのが、こちらのETFの大きな魅力です。

 

 千田 

 私からご紹介したいのは、「グローバルX グローバルリーダーズ- 日本株式ETF(2641)」です。例えば日経平均株価の構成銘柄は日本を代表する大企業が中心ですが、225の銘柄で構成されているため業種ごとの浮き沈みもあります。

 その点、こちらのETFは海外売上比率の高い銘柄を中心に厳選した、20銘柄に集中投資をすることができます。日本を代表する企業の中でも、特に海外で強い銘柄に投資をするメリットを享受できます。

 

 

 

長谷川  
 
私からは「グローバルX フィンテック-日本株式ETF(2836)」をご紹介します。その名の通り、フィンテック関連事業を行う日本企業へ投資ができるETFです。
 ここ数年で、私たちの生活を取りまく大きな変化の一つが「お金」です。現金をほぼ使わなくなり、クレジットカードや電子マネーが普及した他、スマートフォンがあれば財布を持ち歩かなくても良い時代になっています。
 貝殻から始まった「お金」が硬貨や紙幣になり、ついにはデジタルになりました。もはや手に触れるものではなくなり、「信用」というお金が持つ究極の価値だけが残りました。お金がここまで進化したのは、有史以来はじめてのことです。
 これほどの大きな変化がありながら、フィンテック関連の銘柄の株価が大きく反応をしていないため、個人的には今後の動きに注目しています。


山田
すでに銀行をはじめとする金融機関関連の銘柄に投資をしている方は、その一部分をフィンテック関連銘柄に置き換えるのも良いかもしれません。

 

Q、新NISAを機に、投資を始めようかと迷っている投資初心者にメッセージをお願いします。

長谷川
 新NISAは世界的に見てもかなり優遇された制度です。例えばアメリカにはIRAという非課税年金口座がありますが、限度額は年間6,000ドルであり、現時点での為替レートに換算すると日本円にして85万円程度です。
 一方、新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠を合わせると年間で最大360万円が非課税になるので、是非とも積極的に活用いただき、その中で当社のETFを活用していただけたらうれしいです。

 (取材・執筆/藤井恵)
 

【会社概要】

◇商号:Global X Japan 株式会社
◇所在地:〒100-6121 東京都千代田区永田町二丁目11番1号 山王パークタワー21階
 03-5656-5274(代表)
◇事業の内容:投資運用業、投資助言・代理業
◇設立:2019年9月
◇資本金:50億円(資本準備金を含む)
◇株主:Global X Management Company, Inc. (50%)
           大和アセットマネジメント株式会社 (40%)
    株式会社大和証券グループ本社 (10%)
◇拠点:東京
◇役員:代表取締役会長 張峯碩
◇代表取締役社長 姜昇浩
◇役職員:69名
◇HP:https://globalxetfs.co.jp/index.html