2020年。パンを語るには、まず松戸から。

 松戸は「パンのまち」。私たちには、そう言い切れる自信があります。

松戸市には、「パンの聖地」と称されるほど全国的な人気を誇る『Zopf(ツオップ)』(小金原)があります。松戸市内のベーカリーは、少なからずZopfの存在を意識しながら、日々訪れるお客様を満足させるべく腕を磨き続けているでしょう。

その表れか、松戸市内でパンのイベントを開催するにつれ、市内のみならず、市外・県外からも来場者も増えているようです。松戸のパン屋全体で切磋琢磨し、実力が向上している今、パンを語るには松戸を語ることが不可欠と言えるでしょう。2019年度に続くパン特集号で、松戸の最新のパン情報をお届けします。遠方への旅が少し難しい今だからこそ、松戸でパンの旅をしませんか?

 

coffee & bread  JUDO

焙煎士とパン職人の癒し系夫婦が“本気”のパンとコーヒーを提供

JR・新京成線「松戸駅」からバスで約20分、北総線「北国分駅」から徒歩約18分の住宅街にある、30代の焙煎士とパン職人のご夫婦が経営するJUDO。同地にはかつて、コーヒー業界でその名を知らぬ者はいないと言われたスペシャルティコーヒー豆専門店「珈琲屋 めいぷる」の松戸店がありました。

  「自分が納得の行く仕事をしたい」という思いで、テレビ業界からコーヒーの世界に入った異色の経歴をもつ焙煎士のご主人は、焙煎を追究すべく修業先を求めた末、自身が生まれ育った松戸に同店を偶然見つけ、門を叩きました。「いつか自分の店を持ちたい」という夢を抱きながら修業を重ねるうちに一人前の焙煎士として認められ、閉店を考えていたオーナーからその店を譲り受ける形で“自分の店を持つ”という夢が実現。コーヒーだけでなくフードメニューも提供したいと考えていたご主人は、パン教室の講師を長年務め、複数のパン屋でパン作りを学んだ奥様と共に、『coffee & bread JUDO』を2013年9月にオープンしました。

  「コーヒーを提供するパン屋さんは珍しくないですが、両方に本気で取り組んでいる店は珍しいかもしれません」と奥様が語るように、JUDOで提供されるパンとコーヒーは格別の味わい。無添加、国産小麦、産地から直接仕入れられたコーヒー豆の使用など、「自分たちが美味しいと思うもの、良いと思うもの、納得できるものを提供したい」というご夫婦共通の思いは、素材選びの方針にもあらわれています。 平日は50代・60代の男女が、週末は若い人々も足を運ぶ当店で、老若男女に愛される極上のパンとコーヒーを、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

世代を問わない人気No.1は、「まるパン」(110円 ※3個以上購入の場合は1個90円、右)。開業前からのオリジナルレシピとして奥様が大切に作られてきたパン。赤ちゃんの小麦粉デビューの食べ物として買っていく方もいるそう。ほかに人気なのは、洋酒を利かせたクリームを入れたちょっぴり大人の味わいの 「クリームパン」(180円、左)。白あんに自家焙煎コーヒーが練り込まれた「珈琲あんぱん」(100円、中央)も人気。コーヒーもパンも本気なJUDOならではの商品。左のコーヒーは、コーヒーは豆での販売だけでなく、「本日のコーヒー」としてドリンクでも提供。写真左は同店人気No.1の「エチオピア ゴラ コン」(260円)

『coffee & bread JUDO』の川原拓平さんと川原さゆりさん

●住所:松戸市二十世紀が丘梨元町28-3 

●営業時間:10時30分~16時(土・日・祝 10時~16時)

●定休日:月曜・火曜  

●アクセス:北総線「北国分駅」北口から徒歩約18分
●WEBサイト:https://www.judo-coffee-bread.com/ 

●Facebook:https://www.facebook.com/judo920/
●Instagram:https://www.instagram.com/judokun/

 

自家製天然酵母パン工房 パオ

ライ麦使用100%のパンも製造する新松戸エリアの超有名店

1997年にオープンした『パオ』は、20年以上も新松戸エリアで人気を博している名店です。
 パン作りは元々、オーナーの林耕生さん・侑莉子さん夫妻が、自分たちに合った、自分たちが食べる用のパンをつくりたいと考えたところからスタート。レーズンを発酵させた「自家製の天然酵母」と「国産の小麦粉」でつくる林夫妻のパンは、次第に評判となり、法人からの要望に応じる形で卸を開始しました。卸は順調でしたが、「顔の見える人たちとコミュニケーションをとりながら、パンの良さを知ってもらいたい」と思うようになり、卸から個人への販売へ方針を転換。パン工場のような設備だった店舗を、現在のように改装しました。
 パオのイチ押しは、種類豊富なライ麦パン。ライ麦パンは、「個性的な味で、必ずしも万人に受け容れられる味ではありません。何度か食べると次第にハマるお客さんが多いです」(林侑莉子さん)という、不思議なパンです。パオで取り扱うライ麦パンの種類は、ライ麦30%、50%、80%、100%、そして100%かつ無塩とバリエーション豊富。小麦と違い、生地の粘りやベタベタ感が強く、ライ麦100%ともなるとこねるのもひと苦労なところ、ご主人・耕生さんの卓越した技術で、見事なパンが完成します。店舗の規模から考えると、ライ麦だけでここまでの種類をつくるのは珍しいようで、Facebookなどで情報を発見し、遠方から訪れる方もいるそう。「腹持ちもよく、食物繊維も豊富。昨今の健康志向に合うパンと言えると思います」(妻・侑莉子さん)というライ麦100%のパンは、中身の詰まったみっちりとした食感とほんのりと感じる酸味がクセになる逸品。ぜひ一度お試しください。

〔上〕ライ麦100%のパン(1/2斤 450円)〔中〕ライ麦は、店内(画像右奥)にある機械で挽いています 〔下〕パオの外観

●住所:松戸市新松戸3-383  

●営業時間:10時~18時30分 

●定休日:木曜・日曜  

●アクセス:JR常磐線(各駅)、武蔵野線「新松戸駅」から徒歩約10分  

●WEBサイト:http://www.pao-net.jp/

●Facebook:https://www.facebook.com/naturelpao/

 

ぱん工房桜道

米油と昆布水で作った菓子パンはいかが?桜咲く道に佇む、和テイストなベーカリー

閑静な住宅街に位置する、外観も店内も和のテイストが印象的なベーカリー。店主の鴻巣邦治さん曰く、和をお店のコンセプトにしたのは、お店が春はソメイヨシノに染まる“さくら通り”に面していることや、あんぱん、クリームパンなど日本独自のパンを提供したかったからだそう。店名は、通りの名前にちなんで「桜」を、そしてお客さんの散歩道の途中にありたいという想いから「道」を、さらには「“ぱんの道”を究めたい」という思いを込め、『桜道(おうどう)』と命名しました。
 幼少の頃から自分の手でものを作ることが好きだった鴻巣さんは、大学卒業後に建築の道へ。一級建築士として建設会社に勤務するも、やがて「もっと自分の手で何かを生み出したい」という思いが募り始めます。そんなとき、偶然手に取ったパン屋開業の本をきっかけにパンに魅了されます。「食べることさえできれば、どんなものでも作れる」パンの自由さにおもしろさを見出し、パン職人を、それも自由なパン作りを実現するための独立開業を目指し始めました。
 複数の店舗での修行を終えた2007年、ついに自身が生まれ育った街・松戸で夢を実現。「美味しくて、体に良いと感じられるものを提供したい」という思いから、鴻巣さんは素材にこだわり、ショートニングの代わりに米油を使い、昆布水を生地に練り込むことで砂糖と塩の使用量を1割減らすことに成功しました。鴻巣さんからあふれるオリジナリティとパンへの愛情は、数々のコンクールでの受賞として結実。さらに“ぱん道”を究めることが期待される、今後注目のお店です。

女性人気No.1は「自家製カスタードのクリームパン」(150円、中央)。No.3は米油酒種生地の「つぶあんぱん」〔左〕、「こしあんぱん」〔右〕(いずれも140円)。写真にはないものの、人気No.2は「しょうが入り食パン:(角食260円/山型270円)。“医食同源”の考えのもと作った食パンで、生姜の辛さはなく、トーストした時にほのかに香る逸品。

『ぱん工房桜道』の店主・鴻巣邦治さん

●住所:松戸市小金原8-28-20  

●営業時間:10時~18時  

●定休日:水曜(年末年始、ゴールデンウィーク、お盆は休み)
●アクセス:新京成線「常盤平駅」北口から徒歩約18分 

●WEBサイト:http://pain-odo.jp/

 

石窯ピッツァとパン工房 フォルナイオ

豊富な種類の本格ピッツァとパンを楽しめる、上本郷の名店

松戸駅から新京成線で1駅となりの「上本郷駅」の駅前、徒歩1分という好立地にある『フォルナイオ』。地元の人々にオススメのパン屋を尋ねると、必ず名前が挙がる、多くの人々に愛されている名店です。元々はある企業が経営していた同店。 2017年に現在のオーナー・廣瀬英俊さんが独立に際し経営権を取得し、現在に至ります。
 「石窯ピッツァとパン工房」とあるように、フォルナイオの2本柱は「ピッツァ」と「パン」。しかも、ピッツァは店内にドンと据えられた石窯で、注文のあとから焼き上げる本格派です。「マルゲリータ」「めんたいマヨネーズ」「マリナーラ」「きのこのチーズ」など、定番メニューは9種類と豊富です。
 さらに、毎週月曜日は「ピッツァの日」を開催。通常時は797円(税込860円)のナポリピッツァLサイズ各種を、全品463円(税込500円)のワンコインで提供しています。前会社が運営している頃から実施している恒例のイベントはお客さんから大好評。ピッツァを求めるお客さんがひっきりなしに訪れ、「1日中ピッツァを焼く手が止まらない」(廣瀬さん)そうです。ピッツァの日は定番メニューのほか、「ジェノベーゼ」や「ツナキノコ」「チョコバナナのドルチェピッツァ」など、この日だけのスペシャルメニューも登場するそう。必ずしも同じものを複数つくるわけではないとのことなので、ピッツァとの一期一会を楽しんでみてはいかがでしょうか。
 もちろん、パンも美味しいものばかり。人気のツートップは、バターの風味とほんのり塩味が特徴の「塩バターパン」(120円、画像下段左)とスパイシーなルーがぎっしり詰まった「カレーパン」(200円、画像下段右)。イートインの場合、パンを2個以上購入するとドリンクが無料になります。また、注文されてからつくる「できたてBIGバーガー」(550円)もおすすめ。BBQ、マルゲリータ風、ベーコンレタス、てりやきと種類も豊富です。

毎週月曜「ピッツァの日」は、Lサイズ(直径28~30cm)が500円(税込)

ピッツァは店内の石窯で焼く本格派。「ピッツァの日」はフル回転。

●住所:松戸市上本郷2648-13  

●営業時間:8時~19時30分  

●定休日:第1・3・5 水曜  

●アクセス:新京成線「上本郷駅」南口から徒歩約1分  

●WEBサイト:https://srt2017.com/  

●Instagram:https://www.instagram.com/fornaio.srt/

 

Cafe Tom Diner

パンのざっくり食感が楽しいホットドッグを提供する注目の新店

 2020年8月1日にJR馬橋駅から徒歩7分の住宅街にオープンした新店の専門は「ホットドッグ」です。
 店主の網野正樹さんは、もともと建築の世界で従事。しかし、膝などの身体の痛みを理由に飲食業の世界に飛び込む決心をしました。当初想定していたのはキッチンカーでの営業。大手町で働く奥様からの「お昼時にはキッチンカーがたくさん出店しており、需要がある」という提案があったそう。事業の計画を進めるなかで、キッチンカーで営業をするにも仕込み場所が必要であることが判明。物件を探していたところ、現在の店舗と出会いました。「2つ前はラーメン屋、1つ前はパン屋だった」という店内に備え付けられていたカウンターなどを見て、「キッチンカー用の仕込み場所にするのはもったいない」と思い、自らDIYをし、実店舗のオープンを決断しました。
 同店のホットドッグの特徴は、ソフトタイプではなく、ざっくりとした堅めのパン生地を使用している点です。緊急事態宣言中の自粛期間に、様々な材料を取り寄せ、試作を積み重ねました。その中で、ザワークラウトの水分をしっかりと受け止めてくれること、食感が楽しく、自分が一番美味しいと思ったことが採用理由でした。
 切れ目を入れたパンの底に、柔らかい酸味の自家製ザワークラウトを敷き、その上にジューシーなフランクフルト、特製ソースを載せたホットドッグをがぶりと噛んだ時の食感は格別。現在は「サルサソース」、「ワカモレソース」、「カレーミート」、「プレーン」の4種類。研究熱心な店主によって開発される今後の新メニューが楽しみです。

〔上〕一番人気の「サルサソース」(550円)。と水出しアイスコーヒー(300円)の相性はピッタリ。 ※価格は税込。イートイン、テイクアウトともに同一価格。 〔左〕店内の内装は主に奥さんがディレクション。木目調の床やテーブル、天井の中で、パステルカラーの壁面がアクセントになっています。

『Cafe Tom Diner』の店主・網野正樹さん。後方のジャングルをモチーフにしたような壁紙も奥様がチョイス。「一見派手かなと思った壁紙も、いざ貼ってみたらしっくりくるし、かわいいと好評です。妻にこんな隠れた才能があったとは」と嬉しい発見があったそう。

●住所:松戸市馬橋3323  

●営業時間:8時30分~16時(平日)、11時~15時(土・日・祝日) 

●定休日:火曜  

●アクセス:JR常磐線(各駅)、流鉄流山線「馬橋駅」東口から徒歩約7分 
●WEBサイト:https://tomdiner.shopinfo.jp/
●Instagram:https://www.instagram.com/cafe_tomdiner_official/

Backstube Zopf (バックシュトゥーベ ツオップ)

「パンの聖地」は、松戸にある

”パンラバー(パン愛好家)”から「聖地」と呼ばれている名店。最寄り駅から徒歩約27分の場所にあるものの、平日でも行列が絶えません。1日に300種類ものパンを焼きたてで用意されており、「必ずお気に入りのパンが見つかるでしょう」をコンセプトに掲げています。また、「日差しはパンにとって良くない」という理由から、店の窓を封鎖。暖色系の照明にパンが照らされている店内は、とても幻想的です。「“最高の状態(焼きたて)” と“最高の環境”で提供する」というツオップのこだわりの強さが、日本中、そして世界中のパンラバーから愛される所以です。
 松戸産の食材を使用したパンも製造しており、今年も加藤ぶどう園(松戸市金ケ作)で生産されたぶどうを使った商品を発売。11月初旬には松戸産キウイを素材にしたパンも発売予定で現在開発中とのこと。期待が膨らみます。

店内の品ぞろえは、画像には収めきれないほどたくさん。圧巻です。

人気No.1
カレーパン(240円)

1日に約700個が売れる超人気メニュー。ほんのり甘いモチモチ食感の生地の中に、牛肉を使って、スパイシーに仕上げたカレーフィリングをたっぷりしのばせています。昨年7月には、このカレーパンの専門店がJR東京駅グランスタにオープンし話題となりました。

●住所:松戸市小金原 2-14-3 1F  

●営業時間:7時~17時  

●定休日:無休(夏季冬季休業あり) 

●アクセス:JR常磐線(各駅)「北小金駅」南口から徒歩約27分  

●WEBサイト:http://zopf.jp/  

●Facebook:https://www.facebook.com/Zopf-108344505917116/  

●Instagram:https://www.instagram.com/zopf_b.r.l/  

●Twitter:https://twitter.com/iharaya