松戸市立松戸高等学校 弓道部男子が全国選抜大会で千葉県勢初の優勝!

松戸市立松戸高等学校(以下「市立松戸高校」)の弓道部男子が、第41回全国高等学校弓道選抜大会2022(期間:2022年12月23日~25日、開催地:熊本県、以下「全国選抜大会」)で、千葉県勢初となる団体戦での優勝を果たしました。

※本資料内の情報は、2023年2月7日現在のものです。

12年生の精鋭4名で全国選抜大会へ

市立松戸高校弓道部は千葉県内の強豪校で、これまでも様々な大会で活躍してきました。

全国選抜大会は3年生の部活動引退後初となる大きな大会で、その出場対象選手は1・2年生です。弓道部男子は、昨年11月に開催された千葉県高校弓道新人大会の団体の部で優勝し、初めて全国選抜大会への切符をつかみ取りました。

メンバーは、昨年度のインターハイや今年度の国体にも出場した2年生の井上涼月(いのうえりょうが)さん〔個人戦にも千葉県代表として出場髙木明日馬(たかぎあすま)さん、冷静な自己分析で力を磨いている1年生の佐藤優真(さとうゆうま)さん、そしてサポートメンバーの1年生・藤巻元佑(ふじまきもとすけ)さんです。中学時代からの弓道経験者※1である精鋭4名で、次年度以降の高校弓道界を占う前哨戦とも言える全国選抜大会に臨みました。

※1:井上さん、佐藤さん、藤巻さんは松戸市立栗ケ沢中学校の弓道部、髙木さんは松戸市立第六中学校の弓道部出身。

調子が上向かずとも「楽しむ」ことを忘れずに

全国選抜大会の団体戦は3人1組で行われます。メンバーが1射ずつ順にそれぞれ4射ずつ引き、合計12射中の的中数で勝敗を争います。12射中の的中数の多い上位32校が予選突破となり、決勝トーナメントからは学校同士の対戦形式となります。

予選を12射7中で辛うじて突破した弓道部男子は、決勝トーナメントに入ってもなかなか調子が上向きません。1回戦の沖縄県立小禄(おろく)高等学校には8対6、翌日に行われた2回戦の延岡学園高等学校には7対5のロースコアで勝利し、低調ながらも準々決勝へと駒を進めました。

出足はよくなかったものの、顧問の秋葉久尚(あきばひさなお)先生は「練習ではうまく当てていた。波に乗り始め、普段通りの実力を発揮できれば優勝できると思っていた」と部員を信じていました。

すると、準々決勝ではこれまでのような重苦しさから一変し、メンバーは次々に矢を命中させます。対する愛媛県立松山南高等学校も負けじと的中を続け、最後の1射を残してスコアは10対10となりました。手に汗握る接戦の勝敗を決める勝負矢を引いたのは、落ち(3番目)の髙木さんでした。「全国大会の舞台で自分の1本が勝負を決めるというのは大きなプレッシャーだった」と振り返った髙木さんは、見事に命中させ、11対10で準決勝進出を決めました。

「試合を楽しむという気持ちを忘れないで臨めていたから、自然にリズムを整えられた」という井上さんのコメントのように、白熱した展開を乗り越えたチームの勢いは加速し、準決勝でも12射11中で静岡県立小笠(おがさ)高等学校を破り、遂に決勝の舞台へと立ちました。

1年生の冷静な1射がチームを救う

決勝戦の相手は、前年度優勝校の山口県立南陽工業高等学校でした。メンバー全員がそれぞれ順調に1本目を引いた後の2本目で井上さんが失敗。そのピンチを救ったのは、大きな大会に参加するのは今回が初めてだった1年生の佐藤さんでした。「弓道の面白さは自分との戦い」と語る佐藤さんが、勝負の分かれ目となる1射を冷静に的中させて流れを取り戻すと、チームは残り全てを決め切って11対9で勝利。準々決勝以降は3試合連続で11本を的中させ、全国選抜大会初の栄冠を手にしました。井上さんは佐藤さんに対し、「肝の据わり方がすごい。あの場面で自分に打ち勝って決めてくれたことに感謝したい」と称賛していました。 

〔左から〕 介添えの袴田航平(はかまだこうへい)さん、井上涼月(いのうえりょうが)さん、
佐藤優真(さとうゆうま)さん、髙木明日馬(たかぎあすま)さん、藤巻元佑(ふじまきもとすけ)さん

目の前の的に、試合に、集中する

その強さを全国の舞台で証明した同校弓道部男子は、次の目標として今夏に北海道で開催されるインターハイ出場を掲げています。4人目のメンバーとしてチームを支えた藤巻さんは、「今回出場した3人に負けないよう練習を重ね、インターハイで弓を引けるよう頑張りたい」と情熱を燃やしています。インターハイ出場を視野に入れつつも、まずは「目の前の的に集中して、一つひとつクリアしていく(髙木さん)」ことが大きな目標につながることを信じて、同校弓道部男子はこれからも研鑽を続けます。

市立松戸高校弓道部の皆さん

市立松戸高校の最寄り駅・北総鉄道「東松戸駅」の改札内には、
今回の優勝を祝うバナーが掲示されています。