松戸をベースに全国での飛躍を誓う! 松戸市出身の箱根駅伝ランナー・富田峻平選手と ロジスティード陸上部

今年の箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)で明治大学の1区を任され、区間賞の走りを見せた富田峻平(とみたしゅんぺい)選手(松戸市立栗ケ沢中学校出身)が、松戸市に本拠地を置くロジスティード株式会社(株式会社日立物流から2023年4月1日に社名変更)の陸上部に入部しました。

「地元で走りたかった」と語る富田選手と、今春からキャプテンに就任した牟田祐樹(むたゆうき)選手に、個人とチームの再出発についてうかがいました。

※本資料内の情報は、2023年4月25日現在のものです。

(左から) ロジスティード陸上部・キャプテンの牟田祐樹選手と松戸市出身の富田峻平選手

東葛駅伝で発掘された才能の種が、箱根駅伝の区間賞ランナーにまで成長

富田選手

富田選手が陸上競技を始めるきっかけとなったのは、千葉県東葛エリアの中学校が学校全体を挙げて競う東葛駅伝(東葛飾地方中学校駅伝競走大会)のメンバーに選出された中学2年の時でした。バスケットボール部に所属していた富田選手は長距離走が速いことから東葛駅伝のメンバーに選ばれ、中学2年・3年と連続で出場。3年時の栗ケ沢中学校では71校中6位の好成績を収めました※1。「そこで駅伝の楽しさを知った」富田選手は、高校から本格的に駅伝に取り組むことを決意しました。

※1:専修大学陸上競技部で箱根駅伝を走った成島航己(なるしまこうき)選手(栗ケ沢中学校→専大松戸高等学校)も、中学校の同級生でした。

駅伝の強豪校・八千代松陰高等学校陸上部の大塚正人前監督の目に留まり同校に入学した富田選手は実力を伸ばし続け、主力として出場した高校3年時の千葉県高校駅伝で優勝し、全国大会出場の切符をつかみました。この優勝以降、同校は千葉県大会を5連覇中で、富田選手はその礎を作った選手でもあるのです。

大学でも駅伝を続けることにした富田選手は、父・靖宏(やすひろ)さんが競走部OBだった明治大学へ進学。入学1年目から全日本大学駅伝(全日本大学駅伝対校選手権大会)のメンバーに選ばれ、大学2年から4年までの3年間、箱根駅伝を走りました。今年1月の自身最後の箱根駅伝では、「調子の良さは感じていたが、明大の鬼門である1区で失速といったミスを絶対に避けなければならない(富田選手)」という重圧の中で見事な快走を見せ、1時間2分44秒の区間賞でその責務を果たしました。

〔中央〕箱根駅伝を走る富田選手(明治大学提供)

社会人としての進路を考える中で、「競技を続けるならば入社先はロジスティードでと考えていた」と富田選手は言います。「大学3年時にはそう決めていた。ロジスティードが地元の松戸市に本拠地を構えていること、また都道府県駅伝(天皇盃全国都道府県対抗男子駅伝競走大会)でも千葉県代表として走りたかったから」と、地元愛が進路選択の大きな鍵になりました。

大学で磨き続けた“気持ちの強さと継続力”

牟田選手

富田選手がロジスティードを希望した理由を聞きながら、「“明大OBの牟田選手の存在が大きかった”と言ってほしいな」と笑みを浮かべたのは、チームの新キャプテン・牟田選手でした。

幼少期を北海道と埼玉県で過ごし、スキーとテニスに夢中だった牟田選手は、中学から陸上競技(中距離走)に取り組み始めました。西武学園文理高等学校(埼玉県)での活躍もあり、いくつかの大学からスカウトの声がかかったものの、「当時活躍していた鎧坂哲哉(よろいさかてつや)選手に憧れていた」ことから自ら明治大学を選び、入学しました。

新社名の入ったユニフォームを着用した牟田選手

 当時の明治大学競走部は黄金期の真っ只中で、牟田選手を含むおよそ40人の部員が切磋琢磨しながら激しいレギュラー争いを繰り広げていました。牟田選手が初めて箱根駅伝を走ったのは大学3年の時でしたが、直前のコンディション不良から区間13位と不本意な結果となってしまいました。4年になってからもなかなか調子が上がらない状況でも、「気持ちが切れたことはない。やるべきことを継続してきた自負と自信はあった(牟田選手)」と真摯に競技と向き合い続けました。すると箱根駅伝直前にコンディションが上向き、2年連続で7区でのエントリーが決定。当日は8人抜きを果たし、区間3位の好成績で有終の美を飾り、学生競技生活に別れを告げました。

その後、「自分の強みであるトラック競技に対するチームの強化方針が合致していた」ことから、2016年にロジスティード陸上部に入部しました。

不本意だった2023年の始まりと向き合い、覆す

2023年は、ロジスティードにとって巻き返しが求められる年です。ロジスティードは、昨年11月の東日本実業団対抗駅伝で3位に入賞し、同大会で出場権を獲得したニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝競走大会)での活躍が期待されていました。しかし、目標を6位としていたチームは12位に留まり、不本意な結果となってしまいました。別府健至(べっぷけんじ)監督も「それまでは実力通りの堅実な駅伝ができていたが、ニューイヤー駅伝本番ではできなかった」と振り返りました。


別府監督

そんな重要なシーズンを前にキャプテンという大役を与えられたのが牟田選手です。「良い選手は多いので、本来であればニューイヤー駅伝はもっと上位に行けたと思っている。この結果は単純な力不足だけが理由ではない。チームに何が不足しているのかを突き詰めた上で、2024年のニューイヤー駅伝では8位入賞を目指したい」と力強いまなざしで意気込んでいました。

別府監督は、「牟田選手には、新しい変化をもたらしてくれるであろう富田選手をはじめとした5人の新入部員を含めて、チームを良い方向に進めてもらいたい」と期待を寄せていました。

また、別府監督は新たに入部する富田選手に対し、「走りの安定感が強み。トラック競技でのスピードを磨き、長距離、そしてマラソンと歩んでもらえれば」と中長期的な視野で育成していきたい方針を明かしました。富田選手も「大学とは比べものにならない実力者達と同じ土俵で戦うことになるので、もっと成長していかなければならない。秋からの駅伝シーズンには入部1年目からメンバーに選ばれるよう、強い覚悟で取り組む」と活躍を誓っています。

松戸を代表し、松戸から全国に挑む富田選手と牟田キャプテン率いるロジスティード陸上部の今後の活躍にご期待ください。

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パン屋の「Zopf(ツォップ)」です。休日に家族で散歩をしながらお店に向かうことが多いです。
1番好きなのはカレーパンで、食パンもシンプルで美味しいです。