BMX世界王者、オリンピック2連覇を目指す女王、 華麗な演技で飛躍を目指す一輪車クラブ これからの活躍から目が離せない「旬の松戸人2023」

松戸市に所縁のある多くのアスリートやパフォーマーたちが、世界や日本を舞台にそれぞれのカテゴリーで輝きを放っています。

今回は、師匠と弟子で2年連続世界王者を勝ち取ったBMXフラットランドのプロライダー、オリンピック2連覇を目指しパリオリンピックへの出場が内定したレスリングの世界女王、松戸をベースに日本一へ挑む一輪車クラブをご紹介します。

※本資料内の情報は、2023年12月8日現在のものです。

本ニュースレターで紹介した方々が出演した松戸市ゆかりのアスリートやアーティストと市民との交流イベント「松戸ファンフェスタ2023」については、レポート記事(https://www.pr-today.net/a00241/opr/1724/)をご参照ください。

BMXフラットランド:充実の1年で初の世界王者に昇りつめた若き俊英・莊司ゆう選手、至高のパフォーマンスへ向けて動き出した前世界王者・佐々木元選手

2年連続で松戸市からBMXフラットランドの世界王者が誕生

松戸市出身・在住のBMXフラットランドプロライダー・莊司ゆう選手が、「UCIアーバンサイクリング世界選手権(今年8月、スコットランド・グラスゴー開催)」のBMXフリースタイル・フラットランド種目で初優勝を飾りました。2022年の同大会で優勝した師匠の佐々木元選手(鎌ケ谷巧業株式会社所属)に続き、2年連続で日本人選手・松戸市在住の選手が世界チャンピオンに輝く快挙を成し遂げました。

BMXを始めた頃の夢「世界一」を叶えた莊司選手

昨年から好調が続いていた莊司選手の快進撃が1つの形になったのは、「FISE WORLD SERIES MONTPELLIER 2023(今年5月、フランス・モンペリエ開催)」でした。前年の同大会で2位となっていた莊司選手に対し、観衆からは昨年を上回る結果への期待が高まっていました。そのプレッシャーを跳ねのけて見事初優勝を果たすと、勢いそのままに臨んだ「UCIアーバンサイクリング世界選 手権」でも驚異のパフォーマンスを披露。「技の精度を高めるため、多くの時間をかけて練習と分析に臨んだり、新技を開発したりした(莊司選手)」甲斐もあり、決勝ではこれまで成功したことのない超高難度の技を成功させるなどノーミスの演技を見せ、2位に約3ポイント差をつけた94.15ポイントという高得点で見事世界一の称号を手にしました。

優勝が決まった瞬間、莊司選手は出場選手たちに胴上げされ、大声援が響く会場に世界王者の体が宙に舞いました。「優勝の実感は全然なかった」と語る莊司選手ですが、「小学5年生でBMXフラットランドを始めた時の目標は世界一になることでした。その夢が叶ってとても嬉しい」と喜びをかみしめていました。

 

新たな目標である「日本一」へ向けた莊司選手の挑戦

しかし、喜んでばかりもいられません。前年の世界王者・佐々木元選手も発言している通り、BMXフラットランドでは「世界王者になった翌年のパフォーマンスが一番難しい」と言われています。審査員にとって技や構成が見慣れたものになることで、どうしてもそのジャッジが下がってしまうためです。だからこそ、常に新しい技や構成など挑戦が求められます。莊司選手は、「技を全て変えることはできないけれど、新しい技を早めに作り始めようと思う」と来年へ向けての意気込みを語ると、「世界王者になったものの、まだ日本一にはなっていない。来年は日本を制したい」と新たな目標について力強く宣言しました。

 

王者後の難しい1年も高みへの挑戦を続けた佐々木選手

一方、前年の世界王者・佐々木元選手は、「今年は勝てないだろうというのは、昨年優勝した時点でわかっていた」と1年を振り返りました。「そのような状況下でも、さすが佐々木元だなと思わせる1年にしなければいけなかった」と高い意欲でシーズンに臨み、これまで以上に難しい演技構成を採用したり、さらには大会ごとに構成をがらりと変えたり、大きな挑戦を続けました。難易度の上昇により今季はノーミスでのパフォーマンスは1度も披露できなかった佐々木選手ですが、国内の大会では優勝を果たすなど、ミスがあったとしてもジャッジから高い評価を得られる構成力の巧みさを見せつけました。

莊司選手も、「チャンピオンになった次の年が難しいという状況がある中で、元さんは16年近くそれに対峙して良い技と構成を生み出し続けている。一度世界王者になっただけの僕が、師匠越えなんて言えません。まだまだ敵わない」と師匠である佐々木選手の不断の努力に舌を巻いていました。

 新たなやりがい。新技への挑戦も

佐々木選手は、「ずっと技を作り続けて、ベストを見せ続ける。そういう姿勢が多くの人たちに伝わっているから、これだけ長くパフォーマンスできているのだと思う」と、自身が世界最高峰で活躍し続けられる理由を分析しています。

「他の人たちができることに挑戦しても意味がない」と語る佐々木選手は、来季に向けて新たな挑戦を始めていることを、「松戸ファンフェスタ2023」で明かしました。「佐々木元が38歳にしてもなお、進化し続けようとする姿を多くの人たちに見てもらうことが新技挑戦へのモチベーションにもつながるし、やりがいもある」と語ってくれました。来年の目標は「ひたすら上手くなるだけ」と語るベテラン・佐々木選手の、道なき道を切り開き続ける姿に今後も目が離せません。

過去の佐々木選手の記事(松戸市ホームページ)

松戸から世界へ!今注目のBMXプロライダー:https://www.city.matsudo.chiba.jp/miryoku/sports-katsuyaku/sports_2021/BMX-prorider.html

2023年のさらなる大飛躍が期待される「旬の松戸人」:https://www.city.matsudo.chiba.jp/miryoku/miryoku_hito-machi/syun_matsudojin2022.html

"好き"な気持ちを糧に、BMXフラットランドを広めたい」BMXプロライダー・佐々木元選手スペシャルインタビュー:https://www.city.matsudo.chiba.jp/miryoku/sports-katsuyaku/sports_2022/motosasaki.html

 

 

女子レスリング:早くも2024年のパリオリンピック代表が内定!2大会連続金メダルの期待が膨らむレスリング・須﨑優衣選手

2021年に開催された「東京2020オリンピック」にて圧倒的な強さで金メダルを獲得した松戸市出身の女子レスリング・須﨑優衣選手(株式会社キッツ所属)が、2024年のパリオリンピック・レスリング女子50kg級代表に内定しました。

初のアクシデント!大会直前の負傷を乗り越えて掴みとった代表内定

世界選手権(今年9月、セルビア・ベオグラード開催)で3位以内に入ればパリオリンピック代表内定が決まる中、須﨑選手はアクシデントに見舞われます。大会直前に足を負傷してしまい、代表合宿を辞退。歩けないくらいの痛みを抱えたまま本番に臨むことになったのです。大会直前の負傷は初めてでしたが、「絶対にこの大会で代表内定を勝ち取る」という並々ならぬ意気込みは決して折れませんでした。須﨑選手は、負傷を抱えながらも「自分ができることは全てやってきたという思いもあり、不安はなかった。あとは絶対にやりきって、世界選手権を思いっきり楽しもうという気持ち」で試合に臨んだと教えてくれました。

現地で2回くらいしかレスリングの練習ができなかったという状況の中、その想いは結果に表れます。初戦となる2回戦ではコロンビア代表選手に対し、12対1(1分36秒)でテクニカルスペリオリティ勝ち、準々決勝ではルーマニア代表選手に4対0(僅か43秒)でフォール勝ち。そして運命の準決勝で中国代表選手に8対2で勝利して決勝進出を決め、見事に内定条件をクリアしました。決勝ではモンゴル代表選手を10対0のテクニカルスペリオリティで下し、2年連続4度目の世界一に輝きました。これにより、須﨑選手は海外選手に86連勝となりました。

須﨑選手は、「オリンピックでの2連覇を果たすためには、まず出場しないことには始まらない。ようやくスタートラインに立てたという印象」と大会を振り返りました。また、「負傷という試練を乗り越えられたことは、とても自信になる。家族や所属企業のキッツの方々など色々な方々からサポートをいただけて、オリンピックへの切符を掴めた。皆さんに恩返ししたいという気持ちが、オリンピック2連覇の原動力になる」と世界選手権を通じて連覇への気持ちがさらに高まったと語ってくれました。

 

自分はチャレンジャー。思い出の地・パリでの連覇を分かち合いたい

現・世界王者であり金メダリストである須﨑選手は、自身が他の選手から追われる立場であるとは考えていないと言います。「他の選手に追われる立場になったという意識はない。むしろ私がオリンピック2連覇という偉業に挑戦するチャレンジャーととらえている」という考え方で、2連覇と向き合っています。

須﨑選手の所属企業・キッツの特設応援サイトhttps://www.kitz.co.jp/susaki/

須﨑選手Instagramhttps://www.instagram.com/yui106301susaki/

須﨑選手は、「東京2020オリンピックの時よりも、体力も技も今の方が確実に成長している。連覇して、有観客の会場内で家族や応援してくださる方々に金メダルを獲る姿を直接届けて、最高の恩返しをしたい」と支えてくれている人たちと喜びを分かち合うことを誓いました。

パリは、須﨑選手が2017年に初めて世界チャンピオンになった思い出の地です。「運命を感じている。そこでオリンピック2連覇を絶対に果たしたい」と力強く決意しました。

松戸から一輪車の楽しさを発信し続ける松戸一輪車クラブ「MIC」の挑戦

 

「MIC(Matsudo Ichirinsha Club 〔松戸一輪車クラブ〕 の頭文字)」は、2006年の発足以来、松戸市内を中心に練習・活動している一輪車クラブです。一輪車に乗りながら曲に合わせてジャンプや回転技などを行う「一輪車演技」を中心に取り組んでおり、現在は、小学1年生から社会人までの男女約40人が所属しています。

中でも、MICでコーチを兼任している木村柊弥(しゅうや)選手、木村理子(りこ)選手のペアは、2018年に国際一輪車競技大会「UNICON19」のペア部門で4位に入賞したほか、木村柊弥選手は2022年に開催された全日本一輪車競技大会ソロ演技のアーティスティック部門・男子の部で4位に入賞。そして、今年11月に静岡県で開催された同大会・同部門では、準優勝の好成績を収めました。2人は自身の演技を磨きながら、メンバーの指導にも力を注いでいます。

 一輪車でパフォーマンスを行う際の魅力を尋ねると、木村柊弥選手は「音楽に合わせて演技をすることと、支え合うこと」と教えてくれました。「グループ演技では、演者が手をつないでパフォーマンスすることがあります。そのとき、誰かが崩れそうになっても皆で支え合うことができる。そこに魅力を感じる」と演者ならではの視点を教えてくれました。

演技のどのようなところに注目してほしいかを尋ねると、「音楽に合わせた一輪車のコントロールも見てほしいですが、特に手の動きや表情、姿勢といった細かい点にも注目してみてください。実はかなり細かく表現しています」と演技中の見どころを教えてくれました。さらに脚の動きも注目ポイントの1つで、脚の位置と動きで一輪車がどのようにコントロールされるかを観るのも面白いそうです。

「松戸ファンフェスタ2023」でもソロ・ペア・グループと様々な編成での演技を披露し、スピンのスピードや滑らかなフォーメーションチェンジの様子に感嘆の声が上がっていました。 

MICでは、毎年、中学生以上のグループ、小学生グループのそれぞれが一輪車演技部門の全国大会に挑んでいます。また来年3月に開催される舞台演技部門(All JAPAN Uni-dancing Competition、通称「ユニダン」)の全国大会に、チーム一丸となって初挑戦します。これからも魅力的な演技を通じて一輪車の楽しさを伝えていきたいと、クラブとしての今後の目標を掲げていました。

松戸一輪車クラブ「MIC」Webサイト:  https://unicyclemic.grupo.jp/