「暑さ指数(WBGT)」と「熱中症警戒アラート」って知ってる?【熱中症に関する意識・実態調査2021】

昨年に続いて、今年も全国的に暑い日が続いていますね。そこで注意したいのが「熱中症」です。総務省の調査によると、コロナ禍となった2020年の熱中症による救急搬送者数は6万4869人でした。前年に比べると2000人の減少となりましたが、依然高い水準で推移しており、なかでも温度変化を感じづらくなるといわれる高齢者の割合が増加しています。総務省の速報値によると、今年の7月26日~8月1日までの全国の熱中症による救急搬送人員は、5,831人。平均すると1日に833人もの人が熱中症で搬送されている計算になります。(参考: https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post3.html

そこでタニタでは昨年、一昨年に続いてアンケート調査「熱中症に関する意識・実態調査2021」を実施。熱中症に深く関係している「暑さ指数(WBGT)」と「熱中症警戒アラート」の認知率について調査しました。

 

※同調査は2021年6月29日~7月1日の3日間に、全国の15歳以上の男女1000人に対してインターネットリサーチで実施しました。調査レポートは以下より参照できます。

https://www.tanita.co.jp/cms/press/pdf/2021/heatstroke_research.pdf

 

■「暑さ指数(WBGT)」って?

暑さ指数「WBGT」とは、wet bulb globe temperatureの略で、熱中症を予防する目的で考案されました。気温だけでなく汗の蒸発に関係する湿度、日射・照り返しなどの輻射熱(ふくしゃねつ)を取り入れた“熱ストレス”を表す指標で、単位は度(℃)です。単位は同じですが、気温の示す数値とは異なりますので注意しましょう。

日本生気象学会「日常生活における熱中症予防試作Ver.3」(2013)をもとに作成

 

■「熱中症警戒アラート」って何?

暑さ指数(WBGT)と並んで、よく聞かれるようになったのが「熱中症警戒アラート」。これは暑さ指数(WBGT)を基準として設定されています。熱中症の危険が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、危険な暑さへの注意を呼び掛け、熱中症予防の行動をとるよう促すために、環境省と気象庁が公開している情報です。2020年7月1日から関東甲信地方を対象に、「熱中症警戒アラート」の試行を実施し、2021年の4月28日から全国を対象に運用を開始しました。熱中症警戒アラートの発表は都府県単位で行われ、環境省が発表している全国の暑さ指数について、33以上になると予測される地点があるときに発表されます。

「暑さ指数(WBGT)」と「熱中症警戒アラート」、同じようなタイミングで耳にすることが多いのでごちゃまぜになりやすいですが「暑さ指数(WBGT)」は熱ストレスの指数、「熱中症警戒アラート」は暑さ指数(WBGT)を基準にした“熱中症予報”のようなイメージが近いかもしれません。

 

■「聞いたことはあるけれども、正しい意味を知らない人が多数」という結果に

そんな「暑さ指数(WBGT)」と「熱中症警戒アラート」、どれくらいの人が知っているのでしょうか。全回答者(1,000名)に、暑さ指数(WBGT)を知っていたか聞いたところ、「知らなかった」は51.6%となったのに対し、「名前は聞いたことがあった」は36.8%、「どのような指標か知っていた」は11.6%で、認知率は48.4%となりました。

過去の調査結果と比較すると、暑さ指数(WBGT)という名前の認知率は上昇傾向(2019年42.0%、2020年45.8%、2021年48.4%)がみられましたが、その意味まで知っている人の割合は横ばいで推移(2019年11.8%、2020年12.2%、2021年11.6%)しています。

暑さ指数(WBGT)を知っていたあ

 

一方で「熱中症警戒アラート」を知っていたか聞いたところ、「知らなかった」は37.0%となったのに対し、「名前は聞いたことがあった」は47.1%、「どのようなものか知っていた」は15.9%で、認知率は63.0%となりました。居住エリア別に認知率をみると、昨年先行実施された地域である関東・甲信(68.6%)が最も高い結果に。

 

熱中症警戒アラートを知っていたか

 

■熱中症にならないためには「気温」だけではなく「暑さ指数(WBGT)」や「熱中症警戒アラート」も参考に!

熱中症にならないために気にしている(注意を払っている)ものを聞いたところ、≪屋内にいるとき≫では「気温」(59.8%)が最も高く、次いで、「自身の体調」(41.4%)、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(37.5%)となりました。一方、「熱中症警戒アラート」(7.3%)や「輻射熱(地面や壁からの照り返し)」(4.5%)、「暑さ指数(WBGT)」(4.0%)は1割を下回る結果となっています。

≪屋外にいるとき≫では「気温」(62.7%)が最も高く、次いで、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(53.1%)、「日差し」(51.8%)となりましたが、「熱中症警戒アラート」(9.6%)や「暑さ指数(WBGT)」(5.9%)に注意を払っている人は少数となりました。

熱中症にならないために気にしている(注意を払っている)もの

熱中症の発症には気温だけではなく湿度、風、日差しなどの環境や行動、体の状態などの条件が複雑に関係しています。どれか一つの要因だけで判断せず、「暑さ指数(WBGT)」や「熱中症警戒アラート」をぜひ参考にしてみてください。「熱中症警戒アラート」の発表状況については、気象庁の発表する様々な気象情報と同様に、テレビをはじめとした各種メディアのほか、環境省からのメール配信サービスやLINEなどでも受け取ることができます。

 

■黒球式熱中アラーム「TC-210」で対策を

タニタでは熱中症の危険度を示す指標である暑さ指数(WBGT)を計測・表示する黒球式熱中アラーム「TC-210」を販売しています。熱中症対策において効果的なのが、熱中症の注意レベルを把握すること。熱中症警戒アラートは都府県単位で行われますが、アラートが出ていない地域であっても油断は禁物です。気温や湿度のほか、道路の照り返し、生活活動強度などのさまざまな条件によって熱中症のリスクは一人ひとり異なるといっても過言ではありません。

TC-210

「TC-210」は屋内外を問わずリアルタイムで暑さ指数を算出し、暑さ指数に応じて熱中症の警戒レベルを5段階(ほぼ安全、注意、警戒、厳重警戒、危険)のイラストで表示するほか、設定した暑さ指数を超えるとアラームで分かりやすく知らせます。

 

また、タニタの熱中症指数計としては初めて、日焼けアラーム機能を搭載。タニタ独自のアルゴリズムにより黒球温度と乾球温度の差から紫外線量を予測し、日焼けが始まる(皮膚が紫外線の影響で赤くなる直前)までの時間をカウントダウンして知らせます。紫外線は日焼けの原因となる一方で、体内でビタミンDを生成するためには適量を浴びることも必要です。日焼けアラーム機能により、日焼けまでの時間の目安が分かることで適切な日焼け対策が可能です。

熱中症は対策することで100%予防できる疾病といわれています。情報や機器を上手に活用して熱中症を予防しましょう。

 

 

黒球式熱中アラーム「TC-210」

https://shop.tanita.co.jp/shop/g/_TC210WH0000JPR/

 

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Text:難波みなみ