「子どもの貧困支援」「生活困窮者支援」に取り組む生協は9割以上

✓支援ニーズが高まり、特に宅配センターでのフードドライブ実施箇所数が 223件(18年比2.5倍)で増加傾向 ✓子ども・多世代食堂は787箇所(18年比2.3倍)に

日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、代表理事会長:土屋敏夫)は、「子どもの貧困支援」「生活困窮者支援」に関する各地の生協の取り組みについて、115日の「フードドライブの日」(※)を前に、2021年度の活動状況を取りまとめました。(※株式会社カーブスジャパンが制定し、日本記念日協会に登録)

昨今、子どもの貧困への社会的関心が高まる中、この問題を子どもだけではなく、社会の問題として捉え、地域の諸団体とも連携し、具体的に取り組む生協が増えています。そして「生活困窮者支援」も「子どもの貧困支援」と連動していることを踏まえ、今回(2021年度活動分)から各生協への聞き取り範囲に「生活困窮者支援」を含め、取り組み事例を共有しています。

支援に取り組んでいると回答した生協は61生協となりました(回答生協数は66)。具体的な取り組み(複数回答あり)では 「フードドライブ」(47生協)、「フードバンク」(48生協)、「子ども食堂・多世代食堂」(42生協)、 「学習支援」(26生協)などがありました。フードドライブ・フードバンクのニーズが高まっており、特に、宅配センターでの実施箇所数が223件(2018年度比2.53倍)で増加傾向でした。前回調査結果を発表した2018年から比較するといずれも全体数が増加しました。

2020年、2021年と新型コロナウイルス感染拡大の影響で全国的に相談件数が増え、生活困窮が広 がっていることが読み取れます。加えて、昨今の深刻な物価高の影響で困窮した家庭からは、フードパントリー(食品支援が必要な時に、誰でも食品が受け取れる場所)などのニーズが高まり、今後さらに支援が必要な家庭が増えることが懸念されています。

日本生協連では、誰も取り残されることのない社会の実現に向けて、全国の生協とともに子育て支援・生活困窮者支援活動に引き続き取り組んでまいります。

<子どもの貧困・生活困窮者支援に関する活動の内訳>

※関係・協力団体や地域の施設等で実施した場合はその他としてカウントしていること、また一部生協では実施箇所の内訳数の把握が難しいため、全体箇所数と内訳箇所数に差異が生じています(フードドライブ)。
※2018年度の統計から設問を一部変更していますので、2017年以前の数値と単純比較はできません。

生協の宅配システムを活用した支援や他団体と連携した支援が拡大

■コープ東北

コープ東北サンネット事業連合では、宅配チラシを使ったフードドライブを実施しています。同事業連合に加盟する一部の会員生協が2020年、21年にそれぞれ独自に実施していたものを東北68生協に広げ、共通のチラシを用いて同時期に一斉に実施しました。
2022年10月10日~10月14日の5日間で、2927名から9399点(約210万円相当)を注文いただきました。
https://www.yamagata.coop/delivery/news/detail/90/#gsc.tab=0
※一部2022年度に入ってからの取り組みが含まれます(コープ東北)

■大阪よどがわ市民生協

大阪よどがわ市民生協は、吹田市社会福祉協議会、 吹田市社協施設連絡会とともに「未来がきらり吹田学生応援プロジェクト」を立ち上げ、2020年からコロナ禍の影響を受けている大学生・大学院生・専門学校生に食材提供の支援を続けています。配布する食料品の募集にあたって、吹田市社協施設連絡会と連携し、市内18箇所の福祉施設を回収拠点としたフードドライブを実施しました。食料品とともに相談窓口の情報提供を行うなど、地域福祉のネットワークを生かした取り組みです。
https://www.yodogawa.coop/info/info/202208/kirari.html