「組織」の理想と実態を、仕事での重要なコミュニケーション「会議」から見る― 「理想の組織」は、「知恵を出し合い、共に仕事を創る」 しかし「実態」は、「会議は根回し」・「面従腹背経験」6 割以上

~ 部長以上の 6 割「会議では全員で発言」と認識、一般社員の認識はその半分。 「立場」の違いで同じ「場」が違って見えている⁉

株式会社スコラ・コンサルト(辰巳和正代表、東京都品川区)は、働き方改革後半戦の 2017 年 9 月、「組織」の理想と実態について、「コミュニケーション」という視点から、日常で頻度が高く重要なコミュニケーションである「会議」をテーマに、一都三県一般社員・部長以上の役職者、合計445 人に調査しました

理想の組織は「共に仕事を創る組織」。「決められたことを行う組織」の約 4 倍
最初に、「組織」について、それぞれの人の「理想の有無」と、「どんな種類の理想なのか」を調査しました。
「自分の会社はこうであってほしい、という理想がある」と回答した人は、一般社員の 75%、部長以上の 89%と圧倒的でした
■あなたには、あなたの会社はこうであってほしい、という理想がありますか?(n=445、役職別、SA)

続いて、「理想がある」と回答した人に、「どんな理想か」を尋ねたところ、「知恵を出し合うクリエイティブな組織」「イノベーティブ」「安心してモノが言える」という「共に仕事を創る組織」という傾向が、「トップダウンで社員が動く」「人が機械のように効率的に動く」「ルーティンが安定」という「決められたことを行う組織」という傾向を上回り、その差は約 4 倍となりました。働く人の安定志向などが話題となる昨今ですが、本音は「共に仕事を創る」傾向にあることがわかりました。
■どんな組織・会社であってほしいという理想ですか?(n=365、MA)

組織コミュニケーション実態は
全員の発言機会について、一般社員と部長以上で約 2 倍の認識の差あり
同じ年代でも、立場が違うと発言の積極性に倍近くの差が出ている
続いて、会議というものを通じた、組織でのコミュニケーションの実態を調査しました。まず、会議の発言機会ですが、「参加者全員が発言する機会が平均的にありますか?」という問いに対しては、部長以上は「ある」と 6 割が回答
していますが、一般社員の「ある」という回答はその 1/2 にとどまり、役職による意識の差が約 2 倍あることが明らかになりました。
■あなたの会社での「重要な意思決定」の会議では、参加者全員が発言する機会が平均的にありますか?(n=445、役職別、SA)

同じ質問を、「役職」×「年代別」でも見ていくと、同じ年代の中でも、役職のある人と一般社員の人では、意識に差があることがわかりました。30 代の部長以上の 7 割は「ある」と回答していますが、一般社員では 3 割となります。
世代だけではなく、役職によっても、同じ場が異なって感じられていることがわかりました。
(n=445、役職×年代、SA)

また、もっとも多い会議の結論の出し方についても尋ねたところ、一般社員の回答のトップは「ある程度の役職者
で話し合って決める」でしたが、部長以上の回答のトップは「全員の意見を総合する」
で、ここでも相違がありました。
■あなたの会社での、経営や部門の方針にかかわる「重要な意思決定」の会議において、もっとも多い会議の結論の出し方を教えてください。(n=445、役職別、SA)

「自分の発言機会」については、こちらも同じ年代の中でも役職の有無により意見が分かれました。「積極的にする」という回答は、20 代で 25.7 ポイント、30 代では 36.9 ポイントと、大きな開きが出ました。
■あなたは、会議で発言するほうですか?
ここでの「発言」は、自分の意見、アイデアという意味での発言を指します。(n=445、役職×年代、SA)

会議の決定事項に対して、「面従腹背」経験 6 割以上。
特に 20・30 代役職者の「経験あり」は 8 割以上、「よくある」も 4 割以上。
その理由は、「決定通りに動けば周囲から批判される」が約 6 割。
続いて、会議に関して、働く人が「思っていること」を調査しました。前項で調べた会議で発言する人と、しない人、それぞれの理由を尋ねたところ、全体的に「それがチームや会社、組織のためになるから」という回答がトップでした
が、特に 30 代では役職に関わらず高い数値でした。母数は少ないものの、「しない」人の理由は「自分が発言して
も意味がないから」が多く、30 代では「下から批判されるから」という回答もありました。
■(左)会議で発言する理由(n=400、役職×年代、MA) ■(右)会議で発言しない理由(n=45、役職×年代、MA)

また、「会議のあとでいわゆる『面従腹背』経験はあるか」も調べたところ、20・30 代の役職者で「よくある」という回答がトップとなり、他の世代の 4 倍近くになりました。
■会議のあとで面従腹背など消極的対応をしたことがありますか?
(会議の場では合意したものの内心では反対だったので従わないなど)(n=445、役職×年代、SA)

「面従腹背」経験のある人にその理由を尋ねたところ、20 代は全般的に、また 30 代は役職者が、「会議の決定の
通りに行動すると、周りから批判される」ことをトップに挙げています。
■それはなぜですか?(n=355、役職×年代、MA)

「会議は根回し」という認識は、20・30 代が最もシビア
最後に、「根回し」文化が自社組織にあるかどうか尋ねました。20・30 代は役職に関わらず、「あると思う」という回答が他の世代より最大 32.4 ポイント上回っており、「根回し」については若い世代がシビアにとらえていることが
感じられます。
■あなたの会社には、「会議は根回し」という文化があると思いますか?(n=445、役職×年代、SA)

【調査概要】
調査方法: インターネット(株式会社ジャストシステム『Fastask(ファストアスク)』を利用)
調査対象: 一都三県の 23~59 歳の働く男女
調査期間: 2017 年 9 月 8 日~9 月 12 日
有効回答数: 445 人
【企業概要】
社 名:株式会社スコラ・コンサルト
本 社:東京都品川区東五反田 5-25-19 東京デザインセンター6F
代 表 者:代表取締役:辰巳 和正
設 立:1986 年 1 月
資 本 金:4,000 万円
事業内容 :プロセスデザインによる企業風土改革コンサルティング
人 員 数:プロセスデザイナー32 名、スタッフ 10 名(2017 年 3 月現在)
決 算 期:12 月
売 上:5 億 7,900 万円(2016 年 12 月期)
事 業 所:大阪・梅田ブランチ
大阪府大阪市西区江戸堀 1-10-2 肥後橋ニッタイビル9階
TEL:06-6450-8708
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