スマートシティを推進し幸せを実感できるまちを実現 加古川市 デジタル技術を活用した子育て分野の取り組み
「加古川市に住んで、子育てしたい」と言われる街へ
2023.3.27 10:00
兵庫県加古川市は、2016年より「見守りカメラ事業」「見守りサービス事業」をスタートさせ、2017年からはスマートシティ(デジタル技術を活用して地域課題を効率的に解決するまち)の実現につなげるため、「データ利活用型スマートシティ推進事業」に取り組み、「加古川市スマートシティ構想」を推進しています。
取り組みは多岐にわたりますが、「子育て」においても注力しており、加古川市に住み、子育てをしたいと思っていただけるような取り組みを行っています。今回はその一部をご紹介いたします。
◆スマートシティ推進に伴う「子育て」領域における加古川市の取り組み
①ICT機器の導入で保育士の負担軽減と保護者の利便性アップ
加古川市では、平成28年度に保育業務支援システムの導入や事故防止のためのビデオカメラの設置、令和2年度に午睡事故防止センサーの導入のための補助金制度を設立し、積極的に保育施設のデジタル化を推進しました。その結果、市内の認定こども園・保育園の80%以上がICT機器を導入しており、保育士の負担軽減や保護者の利便性アップにつながっています。
令和3年度には公立園にも保育業務支援システムを導入し、毎日の登降園管理、出欠連絡や園からのお知らせの配信など、スマホやタブレットで完結できるようになりました。今後は、保護者への更なる情報発信をし、コミュニケーションを深めるツールとして活用する予定です。
②入園相談窓口のオンライン予約
毎年、新年度の入園申込時期には、窓口が非常に混雑し、待ち時間が長いという問題がありました。そのため、令和3年10月から入園相談のオンライン予約を導入したところ、混雑・待ち時間の解消を図ることができ、一人一人のニーズに寄り添った丁寧な入園相談が実施できました。
③保育施設へのAI入所調整システムの導入
令和4年度からAIによる保育施設への入所調整システムを導入しました。近年、共働き世帯の増加等により、保育施設への入所希望が増えており、手作業による入所調整に膨大な時間を要していましたが、AI入所調整システムの導入により、判定を迅速に行うことができました。その結果、削減できた時間を、入所保留となった方に空いている園を紹介するなど、待機児童の解消に向けた取組に充てることができます。
④見守りカメラで安心できる子育て環境を整備
加古川市ではかねてより、市内に1,475台の見守りカメラを設置しています。令和3年には設置前の平成29年と比較して刑法犯認知件数が51%減少しており、見守りカメラの設置効果が表れています。
今年度は、従来の見守りカメラの機能に加えてAI機能を搭載した高度化見守りカメラの設置を進めており、特にお子様がおられる市民の方々に安全・安心に暮らしていただけるよう努めています。
これまで以上に犯罪や交通事故の未然防止を図り、市民のさらなる安全・安心と子育てしやすい環境の整備を進めていきます。
【高度化見守りカメラの機能】
■Ⅰ型(100台)
・悲鳴等の異常音を検知し、スピーカーと回転灯で警告します(夜間のみ)。
■Ⅱ型(50台)
Ⅰ型の機能に加え、次の機能があります(日中のみ)。
・自動車の危険運転を検知し、スピーカーと回転灯で注意喚起します。
・交通量や人流データを自動把握し、防犯や交通安全のほか、まちのにぎわいづくりにも活用します。
⑤見守りサービス
既設の見守りカメラと高度化見守りカメラにはビーコンタグ(BLEタグ)検知器が内蔵されています。見守りサービスは、タグを持ったお子様がカメラ付近を通過すると、ご家族が位置情報履歴を確認することができるサービスです。
令和5年度からは「株式会社ミマモルメ」、「綜合警備保障株式会社」に加え、「ジョージ・アンド・ショーン株式会社」が見守りサービスの提供事業者に加わり、利用者の選択肢が増えます。
また、現在は子ども達の安全を確保し、安心して子育てができるまちを目指し、見守りサービスのさらなる利用促進に取り組んでいます。新小学1年生(令和5年度入学)がサービスの利用を希望する場合は、初期費用と月額利用料を本市とサービス提供事業者が負担し、令和5年度の1年間は無料で利用できるキャンペーンを実施しています。
⑥ネット環境の整備 ICT教育を強力に推進するためのハイブリッド型通信環境も構築
加古川市では、令和3年度から「地域BWA(広帯域移動無線アクセス)」により、子どもたちが校舎内だけでなく、屋外や各家庭でも1人1台端末を活用することができる環境が整っています。
また、令和4年9月から市内の小学校17校339教室、中学校7校125教室で光回線サービスの利用を開始し、教室においてさらなる通信の高速化を実現しました。
個々の普通教室に直接、光回線を1本ずつ敷く通信環境は全国的にみても類を見ないめずらしい取り組みとなります。
令和5年度にはすべての市内小・中学校の普通教室に光回線を導入し、学校では光回線、家庭などでは地域BWAを活用できるハイブリッド型の通信環境の構築によって、GIGAスクール構想をさらに進めます。
【地域BWA ※Broadband Wireless Access (広帯域移動無線アクセス)について】
地域BWAサービスは、大手通信キャリアとは異なる2.5GHz帯の周波数の電波を使用し、地域の公共サービスの向上やデジタル・デバイド(条件不利地域)の解消等、地域の公共の福祉の増進に寄与することを目的とした電気通信業務用の無線サービス。通信する際に、使用される領域や規模が広いのが特長で、多くのデータ送受信を高速で行うことができる通信方法。
加古川市では、地域BWAの無線局免許を持つBAN-BANネットワークス株式会社と協力して市域全体をカバーし、教育環境に活用しています。
⑦市内学校でのICT機器の積極活用(スマートスクール)
加古川市教育委員会は、令和3・4年度の2年間、加古川市立加古川中学校をスマートスクール推進モデル校として指定し、デジタル技術を効果的に活用した授業実践について研究を進めるなど、ICT機器の積極活用を本市としても推進しています。
昨年、スマートスクール推進モデル校の生徒たちにICT活用に関するアンケートを実施したところ、「授業でのICT活用率が全国平均の2倍」、「 ICT 機器の活用が生徒の学習に役立ち、意欲向上に寄与している」ことが分かりました。
◆スマートシティ×子育てにおける市内(民間)の取り組み
【笑顔認証端末を複合施設「かこてらす」に設置し、笑顔の計測数に応じたおもちゃの寄付】
加古川市では、市民意識調査などのアンケートでは回答を得ることが難しい子どもたちの笑顔の数を計測し、子どもの幸福感を見える化するため、令和5年2月17日から複合施設「かこてらす」で子どもの笑顔を計測するAIアプリを搭載したスマートフォン及びタブレットを全7台設置。
子育てファミリーを応援するニッケパークタウン様から、笑顔の計測数に応じて上限2万円相当(1笑顔1円換算)のおもちゃを寄付していただくことになりました。(3月27日に贈呈セレモニーを開催)
《加古川市スマートシティ構想とは?》
加古川市では、デジタル技術の活用により、市民生活の質を高め、市民満足度の向上を図り、「誰もが豊かさを享受でき、幸せを実感できるまち加古川」を実現するため令和3年3月に「加古川市スマートシティ構想」を策定しました。市のさまざまな課題について、市民と解決する「市民中心の課題解決型スマートシティ」を目指しています。
●オンライン上での報道資料公開●
PRTIMES(リリース):https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/84250
PRTODAY(リリース・ニュースレターなど):https://www.pr-today.net/a00442/